投票差別 | 大きな独り言

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妻、母、女、人間としての記録と人間観察日記 in アメリカ


システム上の差別の中でも

姑息な方法だと思うものに、

投票差別があります。

 


黒人の住む地区には投票場所が

少なく設置されているので

大行列になってしまう。

(たとえ、そこに意図的な差別心がなかったにしても)



どんな人でも同じように投票権があるというのは

表向きの話で、貧困地区には

「普通の人」には想像できない理由で

選挙することができない人がいるのです。

 


 

身分証明書問題

 


現在、投票するには南部を中心に

36州で厳格な身分証明書ルールというものが存在します。



「普通の人」には考えられないことかもしれませんが、

アメリカの(身分証明書を取れる年齢の)

210万人に身分証明書がありません。

IDを取得する費用を捻出できない、

取りに行くための交通手段やお金がないという理由のほかに

チャイルドサポートの支払いを滞らせたり、

学生ローンを滞らせたりすると

免許が取り上げられてしまうからです。

 

 

投票者登録問題

 

投票するには投票者として

事前に登録する必要があり、

その登録に必要な書類を入手するのも

困難な人がいます。

パスポートや出生証明書など、

「普通の人」にとっては

仕事を半休して取りにいけば良いことですが、

時給で働く貧困者にとって、

それは収入が減ることを意味します。

こんな一つ一つのことがハードルが高いのです。

 

 

投票権取り消し問題

 

 

黒人の入獄率が高いという事実については

記事で何度も触れていますが、

彼らには投票権がありません。

州によって法律は違いますが、

一回でも有罪になれば(罪を償った後も)

一生、投票権が戻ってきません。

 

 

 あとは、心理的な問題と知識の無さっていうのが

かなり大きいと思います。



「何をしても変わらない」という絶望感と、

政治の仕組み自体の知識の無さから

投票に行かない人が多くいるのです。




そんな実態に警笛を鳴らす

ラッパーYelloPainの【My vote don't count】という曲を

和訳してみました。俺の一票に意味なんかない、という題名で、曲の前半は投票に行くことに希望を見いだせない若者の苦悩が表れていますが、後半に、大統領選ではなくローカルで行われている小さい選挙がいかに大事であるかを、黒人の貧困層にも分かりやすい言葉と例を使って説明します。知識がパワーであることを改めて感じさせる内容であると共に、黒人の貧困層がそのパワーを持たない環境にいることも伝えています。







 

人生でお金があったことなんてない。

希望は持ち続けていたけど

俺の町のビジネスは全部、潰れている

道は穴だらけで運転できないんだ

こんなのすぐ直せるだろう?

でも直さないよな、俺たちのことなんて

誰も気にしてないから

投票に行かないんだ

2012年はオバマに投票した

今も覚えてる、オバマが”Yes, We can!”と言っていたから、

俺も希望を持っていた

でも、フードスタンプのための金は減らされた

俺は21歳になったときも、相変わらず貧乏で

もう絶対に投票なんかしないって思ったんだ

どんな大統領も、

俺の人生を良くしてくれないから

政治家は何もしてくれないから

俺は市長の名前すら知らない

顔も見たことない

どうやったらこの町は改善するんだ

俺はどうすればいいんだ?手紙を書けばいいのか?

俺はどうすればいいんだ?トランプを責めればいいのか?

どうせアイツは何も気にしてないだろ

最低賃金なんて上げてくれない

どんな仕事もまともな給料を払ってはくれない

俺たちを貧乏なままにしておきたいんだろう

俺たちは放置されるだけ

みんな、そう感じているんだ

 

でも、学ばなければいけない

不満をもらすだけじゃなくて

 

いいか、変わるんだ

俺が今言ったことは、

みんなが感じていることだろう

 

俺たちが投票したら嫌がる人たちがいるんだ

俺たちが投票しなければ何も変わらないんだ

 

俺たちの一票には意味があるんだ

でも、俺たちにそれを

気がつかせないようにしているんだ

説明するよ

そうしなきゃ、絶対に分からないだろう

 

まず、中学のときに習っただろう

この国は三権分立なんだ

大人になって忘れたかもしれないけど

司法、立法、行政だ

 

俺たちがよく耳にするのは行政

ここは市長、州知事、大統領の管轄で

奴らは法律を作る権限はない。

ただチェックするだけなんだ。

目の前に差し出された法案に、

ノーかイエスを言うだけだ

ニュースでバラク・オバマが

何もしてくれないと聞いて

皆、オバマに失望したけど、

議会メンバーが重要なんだ

だから立法にフォーカスするべきだ

奴らが法を作り、フードスタンプの金額を決めるんだ

だけど、俺たちを助けてくれるかもしれない

政治家が選挙に出ても

当選しない

何故なら、俺たちは

その政治家の顔すら知らないからだ

とにかく、それが議会で、

俺たちが大統領からほしいと

思っているものを実現させるには、

ここに選ばれる人たちが

肝心だということ、分かったか?

 


選挙は二年に一度だが、

俺たちは何も知らないから行かない

ここが最低賃金を上げる権限を持っているのに

 

だから08年にオバマが当選した後、12年に

議会メンバーを決める投票に

行かなければ行けなかったんだ。

チャイルドサポートの法律を決めるのも

子供が給食でステーキを食べるか

コーンドッグを食べるか決めるのも、議会だ

 

だから、もし国が失敗しているというなら、

それは自分の失敗なんだ

投票に行かなければいけないということを

知らないという失敗

議会メンバーは、4年間も変わらないんだ

 

誰も声を大きくして教えてくれやしないだろう

奴らは、俺たちに大統領選だけに

フォーカスしてほしいんだよ

 

三つ目のブランチは司法。

裁判官を決めるところだ。

ジョン・クロフォードと

トレイヴォンが殺されたとき、

ミーク・ミルがバイクに

乗っていただけで捕まったとき

正義のある決断が下されなかったのは

ここに問題がある

 

今と正反対の人生を想像してみろよ 

仕事があって、いい学校があって、

みんな免許を返してもらって、

店に良い食材がある

子供の養育権を取り返して、

ホームレスには新しいシェルターが与えられる

 

US”を直したかったら、”US”(俺たち)

からはじめなきゃいけない

政府は俺たちを貧乏なままに

しておきたいと、誰かが言った

でも、政府が変わらないのは、

俺たちが投票しないからなんだ

 

大統領選のことじゃないぞ

俺が言ってるのは、

俺たちが名前も知らないような

政治家が選出される選挙だ

メディアでもあまり騒がれないような

 

でも、俺たちが選挙に行けば、

奴らに打撃を与えられるんだ。