「では、カラス、最後の一言だ。何か言っておくことはないか」
「だから、何度もいってるじゃないか!襲われてきたから、肩掛けカバンを相手に投げつけただけだって」
数日前、オレの退勤帰宅中の出来事だ。
ことのほかたまっていた雑務に、思わぬ残業を強いられ、あたりはもう真っ暗になっていた。
何気なく先をみると、自転車に乗って、棒状のものをもった人間が、今まさにオレを殴ろうとしているのが、街頭の光で路上に影絵となって映し出されていた。
オレはとっさに頭を下げて、通り過ぎようとしていた自転車の人間に、書類の入った肩掛けカバンを投げつけていた。
始めに、棒状のものと見えたのは鉄パイプで、空振りに終わってバランスが崩れたところに、紙がぎっしり詰まったカバンが頭を直撃。
襲ったヤツは、そのまま倒れ、運悪く、倒れた時も路上のアスファルトに頭を打ち付け、オレが救急車を呼んだときには、「ダメだと思うけど一応病院あたってみるね」と救急隊員にいわれてしまった。
警官の取り調べは、思ったより・・・というより、度をこえて峻烈であった。
・・・・ただの正当防衛だろ?・・・それにいきなり制服のおやじがきて、襟章見れば横に一線入っていて、始めっから警部補様の登場かよ。話かためる気か???
「だから、殺されると思ったんで必死でした。自分を守るためにやったことですよ。正当防衛じゃないですか。そりゃ、相手方の人には気の毒なことをしたと少しは思いますけれどね」
と一言話し終わったと思ったら、
警部補殿の取調官が、
「よーし、一通り吐いて、反省点も聞かれたし・・・取り調べはもういいな、あとは調書を完全にして・・・」
「チョット待ってくださいよ。私が何を吐いたって言うんです。それに反省だなんて・・・」
「いーかい!?あんたは人一人殺してんだ」
「あの人やっぱり駄目だったんですか?でもそれは正当防衛の結果であって・・・」
「わかってないなー。正当防衛だろうが、過剰防衛だろうが、防衛する方が、人を殺してしまった場合は、<単純殺人>より重い<計画殺人>罪が適応になって、死刑になるんだよ。平成●◇年から法律変わったの知ってるよねー?」
「おかしーじゃないですか。せいぜい過失致死あたりが・・・」
「そいつを逆手にとって悪用する奴らが、ワンサカ出てくるようになったんで、防衛者でも最初の攻撃者を殺してしまった場合は、計画的殺人、つまり謀殺とするとしたわけ。」
「それって警察のオーチャクぢゃないか!!」
「何回でもいっていーよ。死刑より重い罪はないからね。
デモ、襲ってきた相手を殺してしまった過剰防衛者を一律「死刑」としてしまったオーチャクさは、君のゆーとーーーーりッ!確かに、君のような、中には<ゼンリョーな市民>もいらっしゃるよ」
「だったら・・・」
「おそらく、人件費の問題だと思うけど、警部補クラスなんかには、そんなカネの話なんかしてくれな
いさ」
で、今日のこの日、この時が来たってワケ。
まだ信じられない気持ちでオレは階段を登ってゆく・・・
・・そして、輪に頚をいれて・・・
・・・とその時・・
「カーーーーーートッ!!」
「カラス君さー、今の今まで、いつになくイー感じで表情も豊かに撮れてたのに・・・
最後のシーンの表情?アレ、ナニ?イー、オヤジが成人雑誌のコーナーを、薄目開けて、首を伸ばして覗いて、何か見えればラッキー・・・といった表情になって・・・△■AD!!、やっぱりここ、■×君を使おう、カラス君じゃまだむりだね・・・
カラス君、今回よくがんばったね。さっきは大きい声だして悪かった。
次回は絶対ここぞと言うところで使わせてもらうよ。
●△プロのMはウソはイワン。
ま、ドーセ大部屋俳優ってこんなもんなんだろ。
名前だってほんとに覚えてくれてるのかドーかだって怪しいもんだ。
今日も暑いな。
・・・夏クソや 兵どもが ふいたあと・・・ アリ なんか 変? ま、こんなもんか?