【みえ~るのみじかいみじかいおはなし】
☆むかでのくつやさん☆
みかづき山のくさむらに、とてもおしゃれなむかでさんが住んでいました。
じぶんのはく「くつ」にくふうをするのが大すきなのです。
かわいい色やかたちのもの、
ぴかぴかひかるくつ、
ヒールのたかいくつや、
サンダル風のものまであるのでした。
それは、ぜんぶむかでさんが
自分でつくったものでした。
草をつかってあんだり、
木の実やはっぱ、
花びらをあつめてつくるのです。
ときどき、こうえんにあそびにくる人間のこどもたちがおいていったものをざいりょうにすることもありました。
こどもたちが「ビーダマ」とよんでいる
ガラスの玉はとてもふしぎな色合いで
キラキラしているのが魅力的でしたが、
むかでさんには大きく、かたすぎて
残念だな、と思うのでしたが・・・。
むかでさんは、お出かけする日
今日はどのくつをはくのかを決める時
「今日はとてもいいお天気だから、“おひさまいろ”のくつにしよう!」とか
「ちょうちょさんのお茶会におよばれなんだもの、
花びらかざりのついたのにしましょう。」というふうにしていました。
一番前の両あしにだけはく時もあるし、
気分によって色とりどりに、
たくさんはくこともありました。
それをみていたまわりのみんなから
「むかでさんは、いつも自分でつくったすてきなくつをはいている。」
とひょうばんになりました。
そのうち、こうえんにすむ虫さんや
妖精さんたちから、じぶんにも似合うくつをつくってほしいとたのまれるようになりました。
むかでさんは、よろこんで、
つぎつぎとくつをつくりました。
とてもすてきなくつができあがって、
たのんだみんなは大よろこびです。
お礼にたべものや、
めずらしいざいりょうをみつけたよ、
とむかでさんのところに
もってきてくれるようになりました。
あるとき、バッタさんの結婚パーティーに光る石をあしらって草色に編みあげた靴をはいて参加したときのことです。
「ねえ、むかでさん、くつやさんをやったらいいのに。」とだれかがいいました。
すると、「そうだそうだ。」「さんせい!」とまわりからもおうえんするこえがきこえました。
むかでさんは、「くつやさん?わたしにできるのかしら。」というと
ありさんが「ざいりょうあつめ、てつだうよ。」
てんとうむしさんは「お店にかざるのなら、わたしにまかせて。」
ちょうちょさんは「わたしは空からおしらせするわ、とってもセンスのいいくつやさんが開店しましたよ、ってね。」といいました。
ほかのなかまも、自分がとくいなことで
きょうりょくするよ、といってくれて
むかでさんは、とてもうれしくてあたたかいきもちになりました。
「ありがとう!じゃあ、わたしはいっしょうけんめいすてきなくつをつくります。くつやさんになります。」といいました。
そして、ぽかぽかあたたかいあるあさ、
むかでさんのおみせが開店しました。
いっしょにおみせのじゅんびをてつだってくれたなかまも
あつまってきました。
開店パーティーがはじまるのです。
さいごにまつぼっくりのようせいさんと、つつじの花のようせいさんが
おみせの「かんばん」をもってきました。
むかでさんは、かんばんに書いてある文字をゆびさして
笑顔でこういいました。
「みなさん、ありがとうございます!
みなさんのおかげで
お店をはじめることができました。
これから私もみなさんのお手伝いがしたいです。
わたしが作るくつはこんなくつです。
どうぞこれからもよろしくおねがいします。」
かんばんには
このように書かれていました。
《むかでのくつや》がお手伝い
あなたが夢にむかってふみ出す
くつを作ります
*おしまい*
2013年3月6日
2020年3月7日加筆
年に一度投稿が上がってくるので
少し言葉を書き換えたり
加筆したりしています。