ど素人名人会の朗読劇のこと、
ちょっと振り返らせてくださいね。

お稽古中など、色々ものすごく濃い、充実した時間が過ぎていったんですけれど、
劇の内容などは、
詳しく書いていませんでした。


先生、 ハートさん、 モニタ、 ユカイさん、 お姫ちゃん

私が演じたのは「先生」
主人公のハナコさんの心の中の住人たちの一人。
先生の名の通り、いろんなことを、教え諭すような、ちょっと説明するような。
そんな存在。
この心の世界の理を説明する感じの存在。

元教師の私が「先生」役って。
その辺からして、素で演じるみたいな感じ。

でも、
この先生って役柄、
台本の本読みのとき、
どんな性格なのか、
よくわからなかったの。

学生時代に演劇部に入ってたので、
演じるってことは、経験があって、
まず、どんな性格なのかってことを、
台詞から読み取って、
どんな生い立ちなのかって、深掘りして、
その役になっていく、っていう役作りをしてました。


今回は、
それ、
全く出来なかった。

っていうか、

全くの真逆のことをしなくちゃいけなかった。

自分の中から、出てくる感情、
気持ち、思い、
それを出さないといけなかった。

「先生」を演じるんだけど、
自分なの。

ほかのキャストのメンバーからは、
「恭子ちゃんは、上手いね」って言われるんだけど、

でも、
演出の舞奈尚さんは、
「違うんだよなー」って顔をしてる。
(そ〜んな、小綺麗にまとまった、優等生みたいな台詞じゃねぇんだよ。本心からの台詞が欲しいんだ、って視線がピシピシ飛んでくる。)

うん、そうなんだ。
やってたことがあるから、
演劇経験者の台詞回しになってて、
それも、中途半端で、
心からの感情が乗ってない
上滑りの台詞回し、
小手先の、あざとい感じ。

舞奈尚さんにダメ出しされて、
言われることは、わかる。
わかってんだけど、できない。

それが、本当に、最終日まで続いて。

なかなか言えなかった台詞は
あれこれあるんだけど、

「このまま、ぬる〜く、ゆる〜く、バァさんになっていくんだわ」

(主人公のハナコさんが、お化粧もしなくなって、女を捨てるっていうか、
ただ、年をとっていくだけの、単調な日々を送るのに気がついて、先生が言う台詞)

どうしようもないくらいの、ほんまの、
いやーーーーなバアさん、ってのが言えなくて。

おしゃれを忘れて、
女を忘れて、
くたびれて、
しみったれて、
生活に疲れた感じになっちゃって、

って、
そう言うオバハンになって、
ババアになっていく、って

リアルで
あるよね。

私だって、ちょっと油断したら、
そうなっちゃう。

だから、
この芝居の台詞の全ては、
みんな、
どこかしら、自分が持ってること。

全部が、
あーー、心当たりが、めっちゃあるーー、っていうお話だったの。

「変わりたい
でもでも、変われない
でもでも、
無理無理」

そう言って、
変わることを、
自分から放棄して、
無理って決めて、
諦めてた

そんなハナコさん、

本当は

変わりたかった

変われないーー、
無理ーーーーっていう気持ちを代弁してたハートさん(心の中の住人の一人、私の隣に立ってる人)

無理ーーーーーー、って歌いあげたら、

なんだか、スッキリ、
抜けちゃったみたいに、

できるわよ、って言っちゃった。

そんなの無理、って思い込んでいたことを、
できるかも、できるわ、って決めたってことが、すごい転換点だった。

この芝居、
企画当初は、もっと出演者は多かったの。

でも、
できない、不安、
舞台に立ってるイメージがわかない、
って感じたメンバーは辞めていったの。

残ったのは、

やるって、
どんなことがあっても、やるって決めてたメンバーだけ。

夢を叶えるコツって
まさしく、ここにある。

やるって決めたメンバーも
稽古中、
いーーーーっぱい、出来ない!!!!を
味わって。
でも、
諦めなかった。

できるから、って
できるはず、って
最後の最後まで粘って、

いや、うん、本番でも
ちょっとあちこち、ミスったってのは
確かにあったよ。

でも、
やりきった。

そしたら、

観客の皆様に、

この芝居で、
このストーリーで、
ハナコさんの生き様で、

伝わったらいいな、
伝えたい、ってことを

全部受け取ってもらえた。

本当に、深い深い、心の奥を揺さぶる、
揺さぶられる話だった。

芝居なんてやったことない、
ダンスもうまくない、
リズム感は、どこに置き忘れたんだ?っていうメンバーが
2ヶ月足らずの期間で、
ダンスも、映画の通りに踊れるようになって、声も出せるようになって、
芝居らしいことができるようになって。
信じられないくらいの速さで上達して。

そんな中に、一応経験者の私も混じって、
その上達の速さに、
タロウさんの芝居勘の良さに舌を巻き、
心底、羨ましく思い。
(上手いって、センスあるっていうのは、こんな人のことを言うのよね)

ほんと、凄かったよ。

私たちの舞台を支えてくれた、
黒子隊のメンバー、

スペシャルゲストの歌姫のりよちゃん、

この芝居のテーマの「This is me」を
彼女が歌ってくれて。
あのパワフルで、それでいて、ソウルフルな歌は、思いの、気持ちのこもった歌は、
同じ舞台上で聞いていたけれど、
もう、心が伝わってきて、心が震えた。

そんなみんなと一緒に稽古できて、
本当に感無量だったよ。

誰か一人欠けても、
完成しない、完成できない
芝居ってそういうもので。

30年前に、学生の頃に
夢中になって稽古してた
あの時と、同じ体験を
50過ぎてから、
また、できたっていう奇跡に
ありがとうって言いたい。

このチャンスを作ってくれた
伊藤史惺后
ちづるんに、
土居舞奈尚ちゃんに、

ありがとうーーーーー。