(前回の続き)
なぜ台中に来たのか?
それはこの旅の最大の目的があったからです。2025年現在、台湾で行きたいレストランが3件あって、今回はその中の一つの予約が運良く取れたので「台湾に行こう!」と決めました。
それは8年前から行きたかった台中「JL STUDIO」。シンガポール出身の林恬耀(Jimmy Lim)シェフが創るガストロノミー。
コース料理です。1人なので料理と料理の間も無言です。ぼっちなので美味しさを誰かと共有できません。孤独のグルメやソロ活女子の様に心の声で展開しなければなりません。トンカツやカレーなどの単品なら全力疾走で「ご馳走様でしたー」と逃げ切れるのですが、コースなので2〜3時間の孤独な長距離走です。
一人の気恥ずかしさより食欲が大幅に勝ってしまいました。一周回って、恥ずかしいです。今回は仕方なくの一人旅(詳しくは前回のブログにて)、この日の夕食も台中のすき家で牛丼でもいいのですが、またいつ来られるか分からないので、勇気を出して。
あわよくば、
「1人で来ているなんて、もしかするとミシュランの調査員かもしれない!」
と勘違いして貰えればラッキーという作戦です。
30歳になるまで1人でほとんどご飯屋に入れなかった自分、そのうち「このお店なら1人でもいいんじゃないか」というお店(田辺判断)には行けるようになり、そういう時もパソコンを開いたりちょっと忙しそうな顔をして、
「あくまで仕事がメインで、ついでに食べてまっす(キリッ)」
という空気を醸し出すようにしていました。
それが、ここまで成長しました!
長い道のりでした。
そしてお目当てのJL STUDIO。
予約の時間に到着、デザイン性のある美しくも温かな店内。早くも期待が高まります。
入り口から入って直ぐの店内が見渡せる席でした。やはり僕のことをミシュランの調査員だと思っているのか、店内全体を見て欲しいと言う自信を感じます。(←気のせいです)
食前酒を頼み、料理がスタート。
ラーメンを食べるときは背中を丸めがちですが、限界以上に背中をぴーんと張り、料理の写真を撮っても良いかスタッフに確認、スーツに伊達メガネ、そしてiPad miniをテーブルに置いて、ひと皿ごとに目と口と心でじっくり味わい、真面目な顔でiPadに何やら書き込む、うん、調査員ぽいぞ。(←だから気のせいです)
以前に台北のMUNEで隣の席で1人で食事している人がいました。ひと皿ごとに細かくメモを取っていました。たぶん料理人の方じゃないかと思います。真剣な姿がちょっと格好良かったです。
世界一のレストランと言われるnomaの高橋スーシェフも、最初は1人でコペンハーゲンまで食べに行って感動、その場で直談判で無給のスタッフから始めたそうです。そしてnomaの中心人物になっています。(今は無給の見習いはNGになっています)
そう考えると、こういうお店に1人で来る人も多そうです。
調査員のフリは無駄だと悟り、余計なことは気にしないで純粋に料理と向き合い、この空間と時間を自由に楽しむことにしました!(←最初からそうしましょう)
また一段、大人の階段を昇った気がします。
美味しかったです!料理、お酒、雰囲気、サービス共に流石の流石でした。僕が調査員なら星3つです!
来年、台中の別の場所に引っ越すそうで、新しいお店もどういう雰囲気になるのか楽しみです。
ガストロノミーは、その土地/そのシェフ/そのお店が創作する世界に入って、それを目や舌や耳や皮膚などでリアルに体感する没入感、まるで1本の映画の中に入ったみたいで本当に面白いです。ひと皿ひと皿に物語や理由があり、感情を揺さぶられたり、驚いたり、感動したり。2時間強の食という名の旅。
せっかく台中まで来たので他のレストランも。これから評価が高まるであろうお店に行きたいと思いリサーチ、台中駅近くの「渋(Sur)」というお店が良さそうなので事前に予約していました。
すでにミシュラン1つ星を取っているらしく、これからもっと星が増えるだろうなーと感じました。センスにあふれていて、控えめで上品、でもハッキリとした世界観、美味しかったです。
↑ペアリングで出てきたこのお酒は注目かもです。すごく繊細で美味しくて、台中で小規模で作っているらしいのですが、ホームページで出荷先を見て見ると、個人的にチェックしていた店がずらりと。たぶん取引先を選んでいる感じで、このお酒が置いてあるレストランを訪ねてみるとハズレないかもしれません。(超個人的な考え&勘)
台湾ガストロノミー、短時間でしたが満喫しました!
他に台中で食べたものなど、
↓市場内のお店のルーローハンと野菜スープ(300円くらい)
↓サンドイッチ屋の甘くコーティングされたタロイモのサンド
↓ホテル近くのパン屋さんの素朴なイチゴサンド
などなど。
その土地でしか食べられないものを頂く。バーチャルではなく通販でもなく、その土地の空気も含めてリアルに体験することができるのは、本当に幸せだし楽しいです。
謝謝!
次回、台湾・番外編。
↓2024年末でクローズしたRAW、2018年に行きましたが全てが素晴らしかったです。台湾ナンバーワンのシェフ・アンドレチャン(江 振誠)のレストラン。アンドレは幼少期を山梨で過ごしたそうです。スーシェフだったアラン・ホアン(黃以倫)は2022年にRAWから独立して台北にRestaurantAをオープンさせ、すでにミシュラン2つ星を獲得しています。












