幸せの王子 | 毎日がクリスマスイヴ前夜✨

毎日がクリスマスイヴ前夜✨

あっちこっち…道に迷ってばかりの人生だけど★
雨に打たれ寒さで挫けても…明日はきっと素晴らしい⤴️
貴女の優しさに救われ…また歩き出せるちからを貰ったから✨
毎日が特別な日である事に感謝し…のんびり生きて行こうと思います

昨夜は良く眠れたでしょうかアセアセ
不安な長い夜を過ごされているお子様に…物語をひとつ星空

今夜少しでも安らかな気持ちで…眠りにつくことができますようにzzz



チョコ幸福の王子

The Happy Prince

オスカー・ワイルド作


町の真ん中に高く柱がそびえ、その上に幸福の王子の像が立っていました。 王子の像は全体を薄い金箔で覆われ、 目には二つの輝くサファイア、 剣のつかには、大きな赤いルビーが光っていました。



王子は皆の自慢でした。
「 風見鶏と同じくらい美しい 」と…芸術的センスがあると、評判を得たい、市会議員が言いました。
「 もっとも風見鶏ほど、便利じゃないがね 」と一言付け加えて。
彼は皆に軟弱者と、思われたくなかったのです。

「 どうしてあの幸福の王子みたいに、言うことを聞けないの 」 月が欲しいと泣いている幼い男の子に、賢いお母さんが聞きました。
「 幸福の王子は決して、何かを欲しがって、泣いたりしないのよ 」

「 この世に本当に幸福な人がいるというのは、大層うれしいことだ 」 生きるのに失望した男が、像を見つめてつぶやきました。

「 天使のようだね 」 美しい赤のマントを被り、きれいな白いドレスを着た、教会の子供たちが、聖堂から出てきて言いました。

「 どうしてそのようなことがわかるのかね 」 数学教師が尋ねました。
「 天使など見たことがないのに 」

「 見たことはあります…夢の中でだけど 」 と、子供たちは答えました。
すると数学教師は眉をひそめ、険しい顔をしました。
現実的な彼は、子供たちが夢ばかり見るのは、とてもよくない事だと、思っていたのです。


ある日の晩、町に小さなツバメが飛んできました。
友達は六週間前に、エジプトに向かって出発していましたが、 そのツバメは遅くなってしまいました。

彼はとてもきれいな葦に、恋をしていたのです。
ツバメが彼女に出会ったのは、春のはじめでした。
大きな黄色い蛾を追って、川の下流へ向かい、飛んでいた時でした。
葦のすらっとした姿が、あまりにも魅力的だったので、 ツバメは立ち止まって、彼女に話しかけました。

「 君を好きになってもいいかい 」ツバメは言いました。
そして翼で水辺を軽く撫で、優雅にぐるぐる回り、 銀色のさざなみを立てました。 ツバメは夏の間中、葦の側を飛び続けました。

「 彼女はおかしな恋人だね 」と他のツバメたちは言いました。
「 財産はないし、親戚は多すぎるね 」
その川には沢山の葦が、繁っていたのです。



やがて秋が来ると、ツバメ達みんな、飛んでいってしまいました。
ツバメはさびしくなり、恋人の葦と一緒にいるのが、不安になりました。
「 きみは何も話してくれないし 」お喋りなツバメは言いました。
「 それにきみはとても、移り気だと思うんだ。 だってきみは風と、とても仲良しだから 」

確かに風が吹くと、葦はいつも、とても優美なおじぎをするのです。
「 きみが家庭的なのは認めるけれど 」とツバメは続けました。
「 僕は旅をするのが好きだから、僕の恋人なら、 旅をするのが好きでなきゃ 」



ツバメは「 僕と一緒に旅に出てくれないかな? 」と彼女に言いました。
葦は首を横に振りました。
彼女は家族と離れたくなかったのです。

「 きみとは一緒に暮らせないね 」ツバメは言いました。
「 僕はピラミッドに向かって出発する…じゃあ、さよなら 」ツバメは葦と別れ、飛び去りました。



一日中ツバメは空を飛び続け、夜になって町にたどり着きました。
「 どこに泊まったらいいかな 」ツバメは言いました。
「 泊まれるようなところが、どこかあればいいけど 」
そしてツバメは、高い柱の上の像を見つけました。

「 あそこに泊まることにしよう、新鮮な空気もたくさん吸えるし 」 そしてツバメは幸福の王子の、両足の間に止まりました。

「 黄金のベッドだ 」ツバメはあたりを見まわしながら、そっと言い、 眠ろうとしました。
ところが頭を翼の中に入れようとしたとき、 大きな水の粒がツバメの上に落ちてきました。
「 何だ?」とツバメは叫びました。
「 空には雲一つなく、星は輝いているというのに、雨が降っているなんて!北ヨーロッパの天候は、まったくひどいもんだ 」
するともう一滴、落ちてきたのです。

「 雨よけにならないなら、像なんて何の役にも立たないや 」ツバメは言いました。
「もっといい煙突を探さなきゃ 」ツバメは飛び立とうとしました。
すると三番目の水滴が落ち、ツバメは像を見上げました。

幸福の王子の両眼は、涙でいっぱいになっていたのです。
そしてその涙は、王子の黄金の頬を流れていました。
王子の顔は月光の中でとても美しく、 小さなツバメは、王子が可哀想になりました。

「 あなたはどなたですか? 」ツバメは尋ねました。
「 私は幸福の王子です 」
「 どうして泣いているのですか 」
「 まだ私が生きていて、人間の心を持っていたときのことです 」王子は答えました 。
「私は涙というものが、どんなものかを知らなかった。私はサンスーシの宮殿に住み、そこには悲しみが入り込むことはなかったのです。 昼間は友人たちと庭園で遊び、夜になると大広間でダンスを踊り、楽しく過ごしていました。 庭園の周りはとても高い塀があり、私は一度もその向こうに、何があるのか、気にかけたこともなかった。 私のまわりには、いつも美しいものしかなかったのです。 廷臣たちは私を、幸福の王子と呼びました。 実際とても、幸福だったのです。それを幸せと呼ぶならば 」

「 私は幸福に生き、幸福な死をむかえました。 死んでから人々は私を、この高い場所に置いたのです。 ここからは町のすべてが見えます…辛い事や悲惨なことが見える。 私の心臓は鉛でできているけれど、泣かずにはいられないのです 」
「 なんだ!この王子は中まで、金でできているんじゃなんだ 」とツバメは心の中で思いました。



「 ずっと向こうの 」王子の像は声を詰まらせ、続けました。
「 ずっと向こうの小さな通りに、貧しい家があります。 窓が一つ開いていて、テーブル越しに、ご婦人が見える。顔はやせこけ、とても疲れている。
彼女の手は荒れ、縫い針で傷ついて赤くなっています。彼女は針仕事で、生計を立てているのです 」

「 その婦人はトケイソウの花を、サテンのガウンに刺繍しようとしています。そのガウンは女王様の、一番可愛い侍女のためのもので、次の舞踏会に着ることになっています 」
「 その部屋の隅のベッドでは、幼い息子が病のため横になっている。 とても熱があって、オレンジが食べたいと言っています。 母親が息子に与えられるのは、川の水だけなので、その子は泣いている 」

「 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん。 私の剣のつかからルビーを取り出して、あの婦人にあげてください 」
「 私の両足はこの台座に固定されているので、行けないのです 」

「 私はエジプトに行かないと 」とツバメは言いました。
「 友人たちとナイル川に沿って飛びまわったり、大きな蓮の花に話しかけたりして、過ごしたいのです 」

「 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん 」王子は言いました。
「 もう一晩泊まって、私の願いを聞いてくれないか。 あの子はとても喉が乾いていて、お母さんはとても、悲しんでいるのです」

「 私は男の子が好きじゃないんです 」ツバメは答えました。
「 去年の夏、川のほとりにいたとき、二人の乱暴な男の子がいました。粉引きの息子たちで、二人はいつも僕に石を投げつけました 」

幸福の王子がとても悲しそうな顔をしたので、小さなツバメは、申し訳ない気持ちになりました。
「 ここはとても寒いですね 」ツバメは言いました。
「 でもあなたのところに一晩泊まって、あなたのお使いをしましょう 」

「 ありがとう、小さなツバメさん 」王子は言いました。
ツバメは王子の剣から、大きなルビーを取り出すと、くちばしにくわえ、町の屋根を飛び越えて行きました。



ツバメは白い大理石の天使が彫刻されている、聖堂の塔を横切りました。
宮殿を通りすぎるとき、ダンスを踊っていた美しい少女が、恋人と一緒にバルコニーへ出てきました。
「 何て素晴らしい星だろう 」彼は少女に言いました。

「 私のドレスが舞踏会に、間に合うと良いけど 」少女が答えました。
「 ドレスにトケイソウの花を、刺繍するよう注文したの。 でも針仕事するひとって、とても怠け者だから 」

ツバメは川を越え、船のマストにかかっているランタンを見ました。ツバメは貧しい街を越え、老いたユダヤ人達が商売し、 銅の天秤でお金を量り分けるのを見ました。 やっと家にたどり着くと、ツバメは中をのぞき込みました。 

男の子はベッドの上で高熱にうなされ、お母さんは疲れきって眠り込んでいました。 
ツバメは中に入って、テーブルの上にあるお母さんの指ぬきの脇に、大きなルビーを置きました。
 それからツバメはそっとベッドのまわりを飛び、翼で男の子の額をあおぎました。 
「 とても涼しい 」男の子は言いました。
「 僕きっと元気になるよ 」そう言って心地よい眠りにつきました。

それからツバメは、幸福の王子のところに飛んで戻り、全てを王子に伝えました。
「 妙なことに 」とツバメは言いました。 
「 こんなに寒いのに、僕は今とても温かな気持ちです 」

「 それはきっと、いいことをしたからだよ 」王子は言いました。
小さなツバメは疲れて、眠ってしまいました。 

朝になるとツバメは、川のところまで飛んでいき、水浴びをしました。 
「 何と!驚くべき現象だ 」鳥類学の教授が橋を渡りながら言いました。 
「 冬にツバメを見るなんて 」
 それから教授は、このことについて長い投書を地方新聞にあてて書きました。
みんながその新聞を読み、ツバメの事を話しました。 


「 今夜、エジプトに行きます 」とツバメは王子に言いました。 
ツバメは旅立ちに上機嫌でした。
 町中の名所を訪れ、教会の尖塔のてっぺんに長い時間とまっていました。
ツバメが行く先々で、スズメがチュンチュン鳴いて「 素敵な旅人ね 」と口々に言っていたので、ツバメはとてもうれしくなりました。

月がのぼると、ツバメは幸福の王子のところに戻ってきました。 
「 エジプトに何か、ことづけはありますか 」と聞きました。
「 もうすぐ出発します 」

「 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん 」王子は言いました。 
「 もう一晩泊まってくれませんか 」

「 私はエジプトに行きたいと思っています 」ツバメは答えました。
 「 明日僕の友達は川を上り、二番目の滝へ飛んでいくでしょう。そこではパピルスのしげみの間で、カバが休んでいます 」
 「 そして巨大な御影石の玉座には、メムノン神が座っているんです。メムノン神は、星を一晩中見つめ続け、 明けの明星が輝くと、喜びの一声をあげ、そしてまた沈黙に戻ると言われています 」
「 正午には黄色のライオンが、水辺に水を飲みにやってきます。ライオンの目は緑柱石のようで、その吠え声は滝のごうごうという音よりも、ずっと大きいんですよ 」



「 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん 」王子は言いました。 
「 ずっと向こう、町の反対側にある屋根裏部屋に、若者の姿が見える。 彼は紙であふれた机にもたれています。傍らにあるタンブラーには、枯れたスミレが一束刺してある 」
「 彼の髪は茶色で細かく縮れ、唇はザクロのように赤く、大きくて夢見るような目をしています。彼は劇場の支配人のために、芝居を完成させようとしている。けれどあまりの寒さで、もう書くことができないのです。暖炉の中には火の気もなく、空腹のために気を失わんばかりなのです 」

「 もう一晩、あなたのところに泊まりましょう 」
優しいツバメは言いました。
「 もう一つ、ルビーを持っていきましょうか 」
「 もうルビーはないのです 」王子は言いました。 

「 残っているのは私の両目だけです。
 私の両目はサファイアでできていて、これは一千年前にインドから運ばれてきたものです。私の片目を抜き出して、彼のところまで持っていってください 」
「 彼はそれを宝石屋に売って、食べ物と薪を買い、芝居を完成させることができるでしょう 」

「 王子様 」とツバメは言いました。
「 私にはできません 」そしてツバメは泣きだしました。
「 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん 」王子は言いました。 
「 私が命じたとおりにしておくれ 」

そこでツバメは王子の目を取り出し、 屋根裏部屋へ飛んでいきました。
屋根には穴があいていたので、入るのは簡単でした。 
ツバメは穴を通って、さっとすべり込み、部屋の中に入りました。その若者は両手の中に、顔をうずめていたので、鳥の羽ばたきは聞こえませんでした。 
そして若者が顔を上げると、美しいサファイアが、枯れたスミレの上に乗っていたのです。

「 私も世の中に認められ始めたんだ 」
若者は大声で叫びました。 
「 これは誰か、熱烈なファンからの贈りものだ。これで芝居が完成できるぞ 」
若者はとても幸福そうでした。


次の日、ツバメは波止場へ行きました。 船のマストの上にとまり、 水夫たちが大きな箱を船倉から、ロープで引きずり出すのを見ました。
箱が一つ出るたびに「 よいこらせ!」と水夫たちは叫びました。
「 僕はエジプトに行くんだよ 」ツバメも大声を出しましたが、誰も気にとめませんでした。
月が出るとツバメは、幸福の王子のところに戻りました。

「 おいとまをしにきました 」ツバメは言いました。
「 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん 」王子は言いました。
「 もう一晩泊まってくれませんか 」

「 もう冬です 」ツバメは答えました。 「 冷たい雪がまもなく、ここにも降るでしょう 」
「 エジプトでは太陽の光が、緑のシュロの木に温かく注ぎ、ワニたちは泥の中に寝そべってのんびり過ごしています 」
「 友人たちは、バールベック寺院の中に巣を作っており、 ピンクと白のハトがそれを見て、クークーと鳴き交わしています 」

「 王子様。僕は行かなくちゃなりません。 あなたのことは決して忘れません。来年の春、僕はあなたがあげてしまった宝石二つの代わりに、 美しい宝石を二つ持って帰ってきます。ルビーは深紅のバラよりも赤く、サファイアは大海のように青いのです 」

「 下のほうに広場がある 」幸福の王子は言いました。
「 そこに小さなマッチ売りの少女がいる。 マッチを溝に落としてしまい、全部駄目になってしまった。 お金を持って帰らなかったら、お父さんが女の子を叩きます。だから女の子は泣いているのです。 あの子は靴も靴下もはいてないし、何も頭にかぶっていない。 私の残っている目を取り出して、あの子にあげてほしい。そうすればお父さんにぶたれないでしょう 」

「 もう一晩、あなたのところに泊まりましょう 」ツバメは言いました。
「 でも、あなたの目を取り出すなんて、とてもできません。 そんなことをしたら、あなたは何も見えなくなってしまいます 」

「 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん 」王子は言いました。
「 私が命じたとおりにしておくれ 」

そこでツバメは王子の、もう片方の目を取り出して、下へ飛んでいきました。
ツバメはマッチ売りの少女のところまで、さっと降りて、宝石を手の中に滑り込ませました。
「 とってもきれいなガラス玉! 」
その少女は言いました。
そして笑いながら走って家に帰りました。

それからツバメは王子のところに戻りました。
「 あなたはもう何も見えなくなりました 」ツバメは言いました。
「 だから、ずっとあなたと一緒にいることにします 」

「 いや、小さなツバメさん 」かわいそうな王子は言いました。
「 あなたはエジプトに行かなければならない 」
「 僕はずっとあなたと一緒にいます 」ツバメは言いました。
そして王子の足元で眠りました。

次の日ツバメはずっと、王子の肩に止まり、珍しい土地で見てきた、たくさんの話をしました。
ナイル川の岸沿いに、長い列をなして立ち、くちばしで黄金の魚を捕まえる赤いトキの話。



世界と同じくらい古くからあり、 砂漠の中に住んでいて、何でも知っているスフィンクスの話。
琥珀のロザリオを手にし、ラクダの傍らをゆっくり歩く貿易商人の話。
黒檀のように黒い肌の、大きな水晶を崇拝している月の山の王の話。
シュロの木で眠る緑の大蛇に、二十人の僧侶が蜂蜜のお菓子を食べさせている話。
広く平らな葉に乗って、大きな湖を渡り、蝶といつも戦争しているピグミーの話。



「 可愛い小さなツバメさん 」王子は言いました。
「 あなたは素晴らしいことを、沢山聞かせてくれました。 けれど苦しみを受けている人々の話ほど、驚くべきことはないのです。小さなツバメさん、町へ行っておくれ。そしてあなたの見たものを私に教えて欲しいのです 」

ツバメは大きな町の上を飛びまわり、 金持ちが美しい家で、幸せに暮らす一方で、 ボロボロの服を着た、痩せ細ったひとが、その家の門の前に座っているのを見ました。

暗い路地に入っていき、ものうげに黒い道を眺めている、空腹の子供たちの青白い顔を見ました。
橋の通りの下で小さな少年が二人、互いに抱き合って横になり、暖め合っていました。
「 お腹がすいたよう 」か細い声で言いました。
「 ここで横になっていてはいかん 」夜警が叫び、二人は雨の中へとさまよい出ました。

それからツバメは王子のところへ戻って、 見てきたことを全て話しました。
「 私の体は純金で覆われている 」王子は言いました。
「 それを一枚一枚はがして、貧しい人にあげてください 」

ツバメは純金をはがし、 とうとう幸福の王子は完全に輝きを失い、灰色になってしまいました。
ツバメが純金を貧しい人々に送ると、子供たちの顔は赤みを取り戻し、笑い声をあげ、通りで遊ぶのでした。
「 パンが食べられるんだ!」
大声で言いました。



やがて町に雪が降りました。
その後は霜がおりました。
通りは銀色に、光り輝いていました。
水晶のような長いつららが、家ののきから下がり、みんな毛皮を着て出歩くようになりました。
子供たちは毛糸の帽子をかぶり、氷の上でスケートを楽しみました。

かわいそうな小さなツバメは、寒さで凍えていました。
でもツバメは、王子の元を離れようとはしませんでした。
心から王子のことを愛していたのです。
パン屋が見ていないとき、 ツバメはパン屋のドアの外で、パン屑を拾い集め、翼をぱたぱたさせて自分を暖めていました。

でもとうとう自分は死ぬのだと、わかる時がきました。
ツバメには王子の肩まで、もう一度飛びあがるだけの力しか、残っていませんでした。
「 さようなら…愛する王子様 」ツバメはささやくように言いました。
「 あなたの手にキスをしてもいいですか 」

「 あなたがエジプトに行くのは、私もうれしいです。小さなツバメさん 」王子は言いました。
「 あなたはここに長居しすぎた。 でもキスはくちびるにしておくれ。私もあなたを愛しているんだ 」

「 私はエジプトに行くのではありません 」とツバメは言いました。
「 死の家に行くんです。『死』というのは『眠り』の兄弟ですよね 」
そしてツバメは幸福の王子のくちびるにキスをして、 息絶え彼の足元に落ちていきました。

その瞬間、像の中で何かが砕けたような、奇妙な音がしました。
それは鉛の心臓が、ちょうど二つに割れた音でした。
その日はひどく寒い日だったのです。

次の日の朝早く、市長が市会議員たちと一緒に、像の下の広場を歩いていました。
柱を通りすぎるとき、市長が像を見上げました。
「 おやおや!この幸福の王子は、何てみすぼらしいんだ 」市長は言いました。

「 何てみすぼらしいんだ 」市会議員たちも叫びました。
彼らはいつも市長に賛同するのです。
皆が像を見ようと、近寄ってきました。

「 ルビーは剣から抜け落ちてるし、 目は無くなってる。 もう金の像じゃなくなってた 」市長は言いました 。
「 これでは乞食とたいして変わらんじゃないか 」
「 乞食とたいして変わらんじゃないか 」市会議員たちが言いました。

「 それに、死んだ鳥が足元にいる 」市長は続けました。
「 われわれは実際、鳥類はここで死ぬことあたわずという布告を、出さねばならんな 」
そこで書記がその提案を書きとめました。

彼らは幸福の王子の像を下ろしました。
「 もう美しくない!役にも立たないわけだ 」芸術大学の教授が言いました。

溶鉱炉で像を溶かした後、その金属を使って、なにをつくるかを決めるため、 市長は市議会を開きました。
「 もちろん他の像を、立てなくてはなるまい 」市長は言いました。
「 そしてその像は、私の像でなくては 」
「 いや、私の像です 」市会議員たちは、口論になりました。

「 おかしいなあ 」鋳造所の労働者が言いました。
「 この壊れた鉛の心臓は、溶鉱炉では溶けないぞ。 捨てなきゃならんな 」 心臓はごみとして捨てられました。
そこには死んだツバメも、横たわっていたのです。



神さまが天使の一人に「町の中で最も貴いものを二つ持ってきなさい」とおっしゃいました。
その天使は、神さまのところに鉛の心臓と死んだ鳥を持っていきました。

神さまは「よく選んできた。天国の庭園でこの小さな鳥は永遠に歌い、 黄金の都でこの幸福の王子は、私を賛美するだろう」


おしまいラブラブ



今夜…楽しい夢に、出会えますように流れ星
動画をおかりしましたあせる






貴女の幸せを…願うひとがいるシャボン玉


(^_^)/□☆□\(^_^)