「お父さん、ほら見て」とジーニィが言った。

一日に一体何度この台詞を聞くのだろう。

しかし、言われる内が花なのかも知れない。

「お父さん、見ないで」よりはずっと良いではないか。

そんな事を考えながら、食器洗い機のドアを閉め、娘の方へ歩いて行った。



主夫と双子とアメリカンワイフ by  山崎 卓也

「ほら、良いでしょ?」

「ああ、顔、描いたん?」

「うん。でも、まだ終わってないの」

そう言うと、ジーニィはホイップクリームを手に取った。



主夫と双子とアメリカンワイフ by  山崎 卓也

お椀に入っている茶色の液体はかなり融けたアイスクリームである。



主夫と双子とアメリカンワイフ by  山崎 卓也

「ほら、髪の毛だよ。あはははは」と自分でウケているジーニィ。

「白髪ばっかりやなぁ。おじいさんか?」と言ったら、娘はまたケタケタと笑った。

その時、「ズズズズ~」と耳触りな音がした。

テーブルの向いではリオが同じものを食べている。



主夫と双子とアメリカンワイフ by  山崎 卓也

ストローで既に液体と化したアイスクリームを吸い込むリオ。

肺活量一杯に吸い上げている。



主夫と双子とアメリカンワイフ by  山崎 卓也

アイスクリームの水位がどんどん下がる。ストローを底にそって動かした跡がきれいに出てくると嬉しくなる。新品の掃除機を買った気分とでも形容すれば良いのだろうか。しかし、「ズーズー、ズーズー」とやかましい。

「うるさい。早よ食え」と文句を言った。

返事の代わりに、リオはもっと大きな音を出してアイスクリームをすすった。


一方、ジーニィは別の方法でアイスクリームを食べることにした。



主夫と双子とアメリカンワイフ by  山崎 卓也

クラッカー。



主夫と双子とアメリカンワイフ by  山崎 卓也

それでアイスをすくって食べた。


「あんたら、早よ寝る用意しいや」と注意しても、彼らはいつもあの手この手でデザートを食べようとするので、やたらと時間がかかる。


さっさと寝てくれると、こちらの自由時間が増えるのだが、毎晩、デザート遊びに付き合わされる。「勝手に食べて、終わったら上に来い」と放ったらかしにすると、彼らはいつまでも遊んでいるので、ここで監視していなければならない。


デザートは味だけでなく、その食べ方を工夫するのも好きなようだ。


一日の最後に繰り返される我が家の光景である。


Takaya


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