今日、晩御飯のあと、リオと僕はリトルリーグの練習会に参加した。
家に帰って来ると、ジーニィが大きなショッピングバッグを抱えていた。
「お父さん、これ、すごく重いんだよ」
「何入ってんの?」
「これ!ほら、いっぱいでしょ。26ドル使って29ポンド(約13キロ)の食べ物を買ったんだよ」
「どないすんの、そんなにいっぱい買って?」
「Food Driveに寄付するの」
Food Driveとは、今、双子の学校でやっている催しで、恵まれない人たちに食べ物を寄付するというイベントだ。
全部缶詰。中身は、なし、コーン、スープ、調理済みスパゲティーミートソース、等。
「26ドルも使ったん?」と驚くと、
「うん。でも、全部ジーニィのお金だよ」
「ジーニィ、偉いねぇ」
僕は彼女を褒めて、ハグをした。
それを見ていたリオは、
「僕も何か寄付したい」と言った。
「あんた、お金、ないじゃない」とすかさずジーニィが指摘した。
確かに、リオはお小遣いをもらうとすぐにゲームソフトを買うので、貯金が全然ない。貯金がないばかりか、ベッツィーに数ドル借金があるくらいだ。
リオはふてくされて、「ジーニィ、ずるい。僕もお金があったら、買ったのに」と、白々しい捨て台詞を吐いた。
「わたしはこういう時のために貯金してるのよ」とジーニィが勝ち誇ったように言った。
双子の小遣いは週5ドル。5週間分以上を投入したジーニィは太っ腹と言えよう。
見かねたベッツィーが、リオにも四つほど食糧を持たせた。
下から、ピーナッツバター、調理済みスパゲティーミートソース、それとターキーのグレービー(ターキーにかけるどろっとしたソース)を2つ。
せっかくもらったのに、リオはジーニィとの差があまりにあるので、かなりいじけた。
いつまでもブツブツ言ってたので、ベッツィーに怒られる始末。
「ジーニィはFood Driveの手紙をもらった時に、こうしたいって決めていたのよ。あなたも次からちゃんと準備して、お金を残しておきなさい!」
ベッツィーにピシャッと言われて、リオはぐーの音も出なかった。
一人が良い事をして褒められると、もう一人が対抗しようとするが、太刀打ちできない時によくこの手の問題が起こる。
褒められない方がいじけるからと言って、良い事をした方を控えめに褒めたりするのはおかしいと思う。称賛に値する行為には称賛を惜しむべきではないのだ。
わずか5分後にはアイスクリームを頬張り、すっかりご機嫌なリオ。
単純なやつ。次のFood Driveにも破産状態で臨むに違いない。
もちろんジーニィもアイスクリームを食べた。
こちらはもともとご機嫌。アイスの味もひときわ冴える。
ジョイはアイスクリームはダメ。
ごめんね~。
Takaya
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