晩飯のあと、そろそろ宿題の続きを始めようか思ったら、
「あっ、お母さんだ!」と双子が叫んだ。
窓から外を見ると、タクシーがうちのドライブウェーに入って来る。
いつもなら裸足で外に出ていくが、あいにくの雨。
垣根のせいでベッツィーがよく見えないので、リオはわざわざ踏み台を持ってきて、その上に立って手を振った。
「お帰り~、お母さん」
「ただいまー」
先週の金曜からなので合計6泊。彼女は西海岸で仕事を少しして、あとは友人の結婚式に出たり、別の友達の家に泊まりに行ったり。
「はい、ジーニィにはこれ」とベッツィーが紙包みを差し出した。
おみやげは何だろう?
プラスティック100%の宝石。
それとビーズ。このピーズは1ドルでつかみ取りだったそうだ。
リオはTシャツ。
こっちは僕の。
不景気のため節約ムードがぷんぷんするお土産だが、みんなそれで満足した。
再会ムードの冷めやらぬ間に、宿題再開。
ベッツィーも仕事関係のメールのチェック。
リオは英文読解の質問をベッツィーにしていた。
さすがにベッツィーはしんどそう。
こちらは作文の清書。
相変わらず黙々とやる。さすが、ジーニィ。
リオはかなりはしゃいだので、なかなか宿題が終わらなかった。
9時半に一度泣いて、10時にやっと終わった。
ベッツィーはずっと彼のそばに座って、相手をしていた。
ちなみに僕は、ジョイのトイレを掃除するジーニィに付き添っていた。
ベッツィーがいない間は、毎日10時消灯だったが、今日は10時45分になった。
そう言えば、双子が小さい時は、よくベッツィーに、
「7時半から9時の間は家に帰ってくるな」と言ったものだ。
その時間帯にベッツィーが帰宅すると、子供達が興奮して就寝時間が狂うからだ。
今は、子供達の体力もついて、少々の寝不足は翌日にあまり影響しなくなった。
明日からまた四人と一匹の生活が始まる。
ベッツィーの帰宅後30分で、早くも彼女が一週間もいなかった感触が失われていた。いつもの席に座っているベッツィーが、昨日も一昨日もそこに座っていたように感じられる。
齢を重ねていく惰力の大きさが非日常の記憶を抹消する速さにちょっと驚いた。
Takaya
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