ジーニィが身につけているベストはガールスカウトの制服。
彼女は今年の9月に入隊した。
活動は隔週金曜の放課後に学校で行われる。
2,3人のグループに分かれて、色々な活動を行い、バッジをもらう。もらったバッジはこのベストに縫い付けていく。頑張っている子のベストはバッジだらけになる。
今回の集まりでは、ジーニィがみんなの為におやつのカップケーキを持っていくことになっていた。
「ねぇ、お母さん、そういう訳だから、カップケーキを作って」とベッツィーに頼んだ。
「わかったわ。マミィに任せなさい」
「違うの、もうデザインは私が考えたの。まず、これを使うの」
ジーニィはキャビネットから、毒々しい色の何かを出した。
「それを短く切って、バラバラにするの」
「そして、それをカップケーキに乗せて・・・」
「・・・それと、あの、砂糖のつぶつぶの青い奴。あれを乗せて・・・」
「アメリカの国旗を描くの」
「オー、それは素晴らしいアイディ~ァよ、ジーニィ」とベッツィーがこれ見よがしに感動してみせた。いかにもアメリカ風の母娘の会話である。
「じゃあ、マミィ、3時に学校に持ってきてね」
という訳で、ベッツィーは、今日、会社へも行かず、せっせと娘の為に国旗柄のカップケーキを作った。
ベッツィーの思い入れには訳があった。
実は去年、ジーニィは極一部の仲良しを除いて、ほとんど友達の誕生パーティーに呼ばれなかった。高学年になるに従い、女の子達は小グループ化が進み、社交好きのジーニィにはそれがとても辛かったようだ。それを察して、ベッツィーはガールスカウト入りをジーニィに勧めた。
9月からは、十数人の友達と一緒に活動ができて、ジーニィはとても嬉しそうだ。
「カップケーキは大ヒットだったわよ。ジーニィもとても楽しそうだったし」
学校から帰って来たベッツィーは満足そうにそう言うと、散らかったキッチンの後片付けを始めた。
Takaya
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