お断り: この物語は全くのフィクションであり、登場人物その他は実在する人物と全く関係はない。尚、写真に写るおばさま方の顔は全てCGで変更してあり、それが実在する人物と酷似していようとも、単なる偶然の一致に過ぎない。尚、名前は全て仮名である。
ママ友のヨシコおばさまにニュージャージにある有名な豆腐チゲの店に行きましょうかと誘ったら、このニュースはあっという間に広まった。
「私も行きたい」とヒロコおばさまがおっしゃり、
「私も連れてって」とリサおばさまがおねだりになり、
「あら、私を置いて行く気?」とハルコおばさまがすごまれた。
僕の愛車、シビックは一瞬にして定員一杯になった。
運転席に乗り込みルームミラーをふと見るとお腹を空かせたおばさま方のお顔が三つ並んでいた。何となく背筋に冷たい物を感じる僕だった。
「タカヤさん、何しんの。早よ行こうな」と一番遅刻して来られた誰かさんに急かされ、僕はエンジンに火を入れた。時刻は午前10時10分。
高速に乗って車を走らせる。
おばさま方は、日本人の耳くそはネットリ型が多く、アメリカ人はカサカサ型が多いという興味深い議論をたっぷり20分ほどされておりました。
ニューヨーク州とニュージャージー州を結ぶジョージワシントン橋。
小雨が降っており、橋からはマンハッタンは見えなかった。
「あら、せっかくのマンハッタンが見えないじゃないの」とおばさまがおっしゃった。
「申し訳ございません」と添乗員の僕は低姿勢を通した。
このおばさま4人組には日ごろからお世話になっているので、丁重にするに限る。
実はニュージャージー州はガソリンが安い。
ニューヨーク州では現在、1ガロン(約3.5ℓ)4ドル前後とニュージャージーよりも40セント高い。勿論、ここで給油した。
マンハッタンの対岸にあるこの店は、このあたりでは最大の日本マーケット。
チゲを食べる前にこのお店で買い物をする。
ここまでは予定の行動だった。
おばさま4人組は早速商品を物色しだした。
鋭い視線を投げかけるおばさま。他人が手に取る品は良さそうに見えるもの。
ご覧のように店舗は広い。大手デパ地下に匹敵する。
時間が早かったせいか、惣菜の品揃えが寂しい。
居並ぶ炊飯器。100ドル以下の物もあった。ちょっと迷ったが我慢した。
店内にはこのように小奇麗なお店が並んでいる。
カフェテリアからハドソン川が見える。
対岸はマンハッタンの150丁目あたり。
腹が減って来たので、そろそろチゲを食べに行きたかったが、おばさま方はなかなか買い物が終わらない。
あ~でもない、こ~でもないとビールの山を前に議論するおばさま方。
「あの~、そろそろお時間の方が」と添乗員の僕は言ったが、返事はして頂けなかった。
「どうぞ、ごゆっくりと」と一礼してその場を離れた。
予定より20分遅れてやっと買い物が終わり、さあ店を出ようと思ったら、おばさま方の視線が一点に集まった。
タイ焼きに大判焼き。
大判焼きは1つ1ドル25セント、5つ買うと5ドル。
甘い匂いに僕のおなかがギュルルルと鳴った。
僕はタイ焼きなどどうでもよく、早く豆腐チゲを食べに行きたかった。
しかし、この大判焼きのせいでツアーの予定が更に30分も遅れるとは、僕は予想だにしていなかった。
つづく
Takaya
今日もお越しいただきありがとうございます。
豆腐チゲへの道のりはまだ長い。
どうぞ明日もお越しください。
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おおきに!













