僕はNYに来てすぐにうちのアメリカンワイフと知り合った。彼女はアメリカのど田舎、オクラホマから同時期にNYに出てきたところ。


NY新参者の二人であちこちに行き、色々と話をするにつれ、アメリカ人の彼女の方が僕よりも大きなカルチャーショックを受けていると思うようになった。


まず、彼女はホームレスの存在に驚いた。彼女の故郷は大学都市で、生まれてから地元でホームレスを見たことがなかった。

僕は、大阪の地下街の隅で生活しているホームレスを子供の時から見て、彼らの存在は身近なものだった。


彼女は地下鉄に馴染みが薄い。故郷には地下鉄はない。彼女の地下鉄の経験はパリに留学していた時のものだ。僕は、当然、地下鉄なんて足代わり。


歩行者の歩く速度が早いのにも彼女は驚いた。さらに雑踏。彼女はしばらくの間、人にぶつからずにマンハッタンを歩く事はできなかった。第一、オクラホマでは人は歩いていない。皆、車に乗っているのだ。

僕は人口密度の異様に高い大阪で、人の波をよけて通るのは慣れっこだ。


ニューヨーカーは言葉が荒く、何でもズケズケと言う。

オクラホマ等の中西部の人は愛想の良いので有名で、しゃべり方も南部なまりで人当たりが良い。彼女にとって、ニューヨーカー、特に見知らぬ人と話をするのは結構、ドキドキしたり、気分を害したりするものだった。

その点、僕は、何でもぶっちゃけて話をする大阪人と、突っ込みでしのぎを削ってきた経験がある。英語のハンデはあるものの、言うべき事は(時には言わんでもええ事を)臆せず言える。


僕がニューヨーカーに非常に親しみを感じるところは、彼らの「値切る習慣」だ。

大阪人は何かにつけ、「兄ちゃん、それ負からんか?」とか、ちょっと傷でもついていようものなら、「おっちゃん、ほれ見てみぃ。これ傷ついとるやろ。なんぼ負けてくれるんや?」と値切りの交渉する。店の人は、そんな時、「社長(店の人は客をよくこう呼ぶ)、堪忍して~な。これ、舶来もんでっせぇ」などと対応するのだが、このやりとりが楽しいのだ。


僕はこれと全く同じ事をNYでもやるが、それがしっかり通じるのが何とも嬉しい。

ニューヨーカーも大阪人も「値打ちのある」物が好きなのだ。すなわち、「安くて良いものを更に安く値切った」物である。


「もうかりまっか?」は有名な大阪商人の挨拶だが、NYでも「How's your business?」が挨拶となっているのは、両都市の酷似を象徴している。


我がアメリカンワイフも僕と同じくもう在NY24年だ。今では、彼女も、商品にケチをつけてしっかり値切る技を身につけている。これからは、うちの双子にこの郷土芸能を引き継いでいってもらわねばならぬ。


ほな、今日は、ここまで。

読んでくれて、お~きに。


Takaya


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