あらゆるものは、エネルギーです。
そしてエネルギーには、
本来、流れていく性質があります。
入ってきて、動いて、
そして外へ出ていく。
悲しみも、怒りも、喜びも、本来は
ずっと同じ場所に留まるものではありません。
けれど、
思考と自分を同一化したり、
誰かに執着したり、
過去を握りしめることで、
本来なら流れていくはずのエネルギーを、
自分の内側に閉じ込めてしまうことがあります。
流れを失ったエネルギーは、
手放す準備ができるまで、
私たちの中に残り続けます。
ヨガの教えでは、こうした
過去の経験や感情が残した
未解決のエネルギー・パターンを
「サンスカーラ(Samskara)」
と呼びます。
サンスカーラは、ただ過去に
残っているだけではありません。
私たちの現実と作用しながら、
同じような出来事、
同じような人間関係、
同じような感情を、
人生の中で
何度も再現し続けます。
なぜ、
いつも同じところでつまずく(傷つく)のか。
なぜ、相手が変わっても
同じことが起こるのか。
その奥には、
自分でも気づいていない
「隠れた信念」が存在しています。
たとえば、
「どうせ誰も私を理解してくれない」
「私は愛されない」
「好かれるためには、我慢しなければならない
(自分を優先してはいけない)」
そんな信念を
無意識に持っていると、
私たちはその信念に沿って、
言葉や行動を選び、
知らないうちに
同じドラマ(物語)を生き続けます。
つまり、
現実を変えようとしているのに、
その現実を生み出している
「自分の内側の設定」が変わっていない。
だから、
人生の登場人物が変わっても、
物語の続きを同じように演じてしまうのです。
そして、
過去に囚われたり、
誰かに執着したり、
自分を癒さずに、
相手に合わせ続けていると、
少しずつ、
「自分の人生に自分がいない」
(ゾンビ人間のような)
魂不在の状態が生まれます。
身体はここにある。
仕事もしている。
人とも話している。
笑うこともできる。
それでも、
心のどこかに自分がいない。
やる気が起きない。
何をしても楽しくない。
好奇心が湧かない。
人生がどこか他人事に感じる。
そんなとき、
魂のエネルギーは、
本来の自分から離れています。
逆に、
「物語(ドラマ)」にハマってると気づき、
その外側に出ると決意し、
過去や他者からのエネルギーは
過去や他者にお返しし、
置いてきてしまった
自分を迎えに行くと
留まっていたエネルギーが流れ始めます。
そして、空きスペースに再び
魂(本来の自己)のエネルギーが
自分のもとへ戻ってきます。
そのプロセスで
幼い頃に感じていたような、
世界に対する驚きや新鮮さを
取り戻す人もいます。
理由もなく空を見上げたくなる。
何かをやってみたくなる。
知らない場所へ行きたくなる。
人を好きになる。
笑いたくなる。
「こうしなければ」ではなく、
「なんとなく、こっち」と感じられる。
そんな、
生命そのものの感覚が蘇ってくる。
魂が戻るとは、
何か別の人間になることではありません。
むしろその逆。
誰かになることをやめて、
本来の自分に戻っていくこと。
エネルギーが流れ始めると、
思考も、感情も、身体も、
少しずつ本来のリズムを取り戻していきます。
そして、人生を変えようと
必死になるのではなく、
自分が自分として生き始めることで、現実の選択そのものが変わっていく。
出会う人が変わる。
選ぶものが変わる。
断るものが変わる。
進みたい方向が変わる。
そうやって、現実の物語も
少しずつ変わっていきます。
幸運とは、どこかから
突然やってくるものではなく、
自分のエネルギーが、
本来の自分へ戻ったときに、
見える世界
そのものが変わっていくこと。
魂を取り戻すとは、人生を
新しくすることではありません。
自分がもう一度、
自分の人生に還ることなのです。







