前回分
玉井実太緒(タマイ ミタオ)はとにかく意外と真面目なので1人目は必ず無料にしていたし、
お店に来るお客を…ましてや招き猫かもしれない奥さんを決して辛らつにはしなかった。
……つまらんのー。
年配の声がする。
……ほんに、つまらんな~~。
また別の年配の声が……
これでは賭けにならぬではないか。
招き猫を投入した方々が賭けをするなどと、なんたることですか。
年配のふたりよりかなり若い声がしてきて……
仕方ないであろう最近、上は下界と違い退屈じゃからな~~。
そうじゃ、そうじゃ。
お二方大概にしてくださいよ、とはいえ別の方に動きがあるようですよ。
そうか、そうか、別の招き猫のこともあったのじゃったな……
ホッホッホッホッ……
そうそう2番目のあの客はというと……
「クソ~~、何でオレは無料で食えないんだ!」
まさかの未だに実太緒のラーメン屋には、1番目に入れたことが一度たりともなかった。
なぜなのか、いつもちょっとの差で出し抜かれてしまうのだ。
「何とか1番目で入れないものかな~~、お、何だこれ?」
スマホを何となく見ていると……
「招き猫はじめましたって何だこれ?」
2番目の客はもとい……二羽将(ニハネ ショウ)と言う名前である。
将もあの招き猫はじめましたのサイトを見つけた。
そして中を見ると、
招き猫はじめました
あなた自身、招き猫になってみませんか?
招き猫になると、優先的に1番目に並ぶことが出来そして無料になります。
ただし、同じ店には毎日並ぶことは出来ずランダムになりますのでご注意ください。
招き猫でいる為な条件
①お店に対して文句などを言わないこと。
②招き猫であることを自分から明かさない。
2番まではすんなり将は納得していたが……
③もしも店側が……
「何だこれ?」
将は何度読んでも③は意味が判らなかったが、
「3番目だけいまいち判らね~~な、でもこれなら無料になるし1番目になるなら良いかも~~」
と単純に思い登録ボタンをクリックした。
そして、試す時が来る。
よし、さっそく試してみよう!
あの玉井実太緒のラーメン屋に行こうとしたが、なぜか足は全く別の方向へ向かい……!?
「何でだよ、そっちじゃねーよ💦」
将は焦るが、足は全く別の方へどんどん歩いていく!
いったいどこへ行くんだ! となっていると、将が向かった先は薄汚れた小さな食堂だった。

ええ~~!? ここ~~!
将は仕方ないのでその小さな食堂に入った。
やはりだが、客はひとりもいない。
そしてラーメン定食を頼む。
お、うまい!
シンプルに中華そばとソーツカツだったが、普通に美味しかった。
そして……
「お代は結構です」
と本当に無料になった!
「あ、はい」と将。
「ありがとうございました~」
将が出ていくと同時に、なんと人が入ってきて将とすれ違っていく。
え、もしかしてオレ、本当に招きしてる!?
そのお店を出てから少し遠めから様子を見ていると、なんと4、5人は入っていき……
いきなりあのサイトの招き猫効果は発揮されていた。
「おお~~すげえ」
将は驚く。
こうして将自身が招き猫な体質になる。
続き











