空徐伊湾(クウジョ イワン)の元へ最速で、苦情袋とグチつぼが届く。
しかもいつの間にか家の外に置いてあり……
誰がいつの間に来たのか全く誰も気づかなかった。
そして取説は大まかに読む。
「ふ~ん、どちらも封をして枕元に置き1晩寝ると解消すると……」
寝る前にやるといいのかな?
とそんな具合で……
苦情袋は1枚の紙に書けるだけの苦情を書いて、1度閉めた紐はほどかないこと。
ほどくと無効化になる。
グチつぼは栓をとって愚痴を言ってから栓をする。
決まった回数分の範囲ならば一気に言えることも出来る。
伊湾の愚痴を言える回数は4回。
「ふ~~ん、愚痴は4回までか……」
独り言を呟く。
苦情袋は……
「オレ、苦情は特にないからいいや」
とひとり呟く!
ということで苦情袋はベッドの下へ投げてしまった。
そして、
「せっかく無料だからとりあえず何か愚痴を言ってみよう……」
伊湾はさっそくグチつぼを使うことにする。
大きく息を吸い、
「オレから去らない彼女が欲しい~!」
と言うとグチつぼに栓を戻した。
途端、何となく清々(スガスガ)しい気持ちになる。
「言うだけ何かいいかも」
と心が軽くなった気がした。
そして翌日の夜、まさかの着信がある。
1回付き合うのを断った2歳年上の矢張李々佳(ヤハリ イイカ)からだった。
「あ、こんばんは……」
『こんばんは……矢張だけど私のこと覚えていますか?』
「あー……あー……覚えてるよ……元気だった?」
『はい、あの……今、空徐君は彼女いないって聞いて……』
「うん、いないよ」
『私も居なくて……だから……私と付き合って下さい』
まさかの逆告られてしまうことに!
それを聞いた伊湾は、
「いいよ……」
と答えた。
これはあのグチつぼのおかげだとすぐ伊湾は気づく。
続き
