「はた織りは、どんな失敗してきたんだよ?」
ナリゾウは星蘭に尋ねます。
「どんな……覚えてるのだと、はた織りしている途中にビリッて羽衣が破れたり…」
星蘭ははた織りのしくじりを話を始めました。
ナリゾウは最初はウンウンとうなずいていましたが、
「今度は破れずに織り終わったのだけど、まさかの浮かない羽衣が出来ちゃって…」
ナリゾウは、えっ? となり……
「それどころか、沈みかけて雲の下まで危うく行ってしまうところで、ちょっと大騒ぎになりかけて、もちろんその羽衣は破棄されて……」
ナリゾウはだんだんうなずけなくなります。
「それから……」
「おいおい! まだあるのかよ!」
ナリゾウはちょっと星蘭のドジっぷりにあきれてきました。
「今度は、羽衣が勝手に飛んでちゃったこともあったの…」
ナリゾウはとうとう何も言えなくなります。
やっぱりどことなく自分を見ているようでした。
「そんなにムズイものなのか? 羽衣を織るって」
でも今までのことを考えて、自分が天使だったらもっと酷いことをやらかしているような気がしてなりません。
「……それから、わたしなの」と星蘭。
「え? 何が」とナリゾウ。
「半月になると月が悪態つくようになったのって……」
星蘭のカミングアウトにナリゾウは衝撃を受けます。
「ええ~~!? お前な~、一体何をやらかしてんだよ~!」
「ブラシ(デッキブラシのようなもの)に良く汚れが落ちる洗剤だって言われて、
つけて洗ったら月が凄い泡だらけになって溺れかけてしまって……それで洗剤つけて洗うのは禁止に……
(地上でいう洗顔フォームを歯磨き粉でやっちゃったぐらいのことをした。
これ実際、夫が間違えてやったことがあるらしいです)
それからわたし何も出来なくなってしまって……」
星蘭の声が小さくなります。
「それって! そそのかされたってことだろう? 誰がそう言ったんだ? おいらがきつく言ってやる!」
「それはもういいの! いいの、わたしが悪いから……」
「いや、お前は悪くないと思うけど」
ナリゾウはあまりの星蘭の必死さに、ちょっと考え込みました。
そして、
「よしっ! おいらがあのブラックな月を改心させてやる! 見てろよ!」
ナリゾウはいきり立ちました。
何だか嫌な予感しかしません。
次回へ続く
