見つけたのなら幸運が。
使い方次第で良くも悪くもなる、さあお立ち会い!
「こんなところにドラッグストアが、いつの間に?
そうだ、ウェットティッシュの詰め替えを買い忘れていたっけ」
女性は主婦のようで、自転車には買い物したものを積み込んでいた。
そのまま、そのドラッグストアの脇に止める。
そして、ガラス戸を押して入ると、そこは雑貨、日用品類は全くなかった。
キオスクのような内装で、ほぼ薬類のみ……
そして、店員はかがみ込んでいたらしく、いきなり頭を出してきた。
「いらっしゃい、何でも効く薬がそろっているよ」
その店員はまるで、俳優の小日向さんのような男性。
そしてなぜかため口で、お客としてやってきた主婦に声をかけてきた。
「え、薬って……あの私、ウェットティッシュを……」
「丁度良かった、奥さんにピッタリの薬があるよ~」
「あ、あの……」
主婦は断ろうとするものの、店員は全く余地を与えない。
「はい、どうぞ、これが良く効くかな~」
店員は栄養ドリンクのような茶色の小瓶をほぼ強制的に渡してきた。
「いらない、いらないです! あの私は、ウェットティ……」
「遠慮しないで~、騙されたと思って~、今回は特別価格百円でいいよ~」
愛想の良い顔を向けてくる。
「……まー、百円なら……」
主婦は推しきられてしまい、とうとう妥協して百円玉を店員に渡す。
「まいど~、本日のお宝は平成……なんて冗談、冗談、ここはEテレじゃないんだから~」
勝手にペラペラしゃべる店員に、思わずひきつる主婦。
早く退散しよう……
そればかり考えていた。
で主婦は急いで店の外へ出ようと、引き戸を開きかけた時に、
「お客さん、ひとつ言い忘れた!」
「何ですか!?」
「その瓶に記されている通り、容量、用法を守ってね、判った?」
「はい、判りました」
キレ気味になりながら返事をする主婦。
そして、やっと外へ出る。
「も~、面倒なもの買わされちゃったな~、まーまだ百円だから良かったけど」
主婦は改めて小瓶をまじまじと見た。
するとそこには、一気に飲み干して下さい。
飲み干した人の意のまま、家族のみだけに効きます。
ただし期限は1週間です。
少しずつ飲む場合は、1日1回のみの5回分となっています。
薄めたら効果は失くなりますのでご了承下さい。
「何これ」
とりあえず、一滴飲んでみることに。
ゴクンと飲み込むと、
「な~んだ、ただの栄養ドリンクか~」
味を確かめた。
とりあえず主婦は、小瓶にふたをして買い物したものと一緒にすると、自転車をこぎだす。