このネタは内容が強いので本当は会員限定にしようと思ってましたが、できれば多くの方の読んでいただきたいので一般公開します。
入学そして新学期となると多くなるのが「アレルギー指示書」の類です。
この時期いったい何十通書いたかわからないくらい・・・
もっとも当院でアレルギーの治療・フォローを受けているお子さんはほとんど学校での特別措置が不要なレベルまで立ち上げられているため、頻度は少ないでしょう。
○○を食べると調子が悪いから給食では抜いてほしい、ついては診断書を書いてくれ
といったケースが非常に多い。
○○は卵や牛乳であったり、はてはアボカドとかウニなんてのも。。。学校でウニが出るか!と言いたくなりますが。
まあいちいち説明して説得するのも最近は面倒くさいので、心の中では「かかりつけでアレルギーをもっとちゃんと管理してほしいな・・・」と思いながら黙って書きます。
繰り返すけどこういうお子さんって、ほとんどが普段は他をかかりつけにしているお子さんなんです。
給食でその子だけ毎日牛乳を飲ませないことに医学的な意義は低いのですが、クラスで一人だけ牛乳を飲まないことで何か問題になりはしないかと、子供の頃いじめにあった僕としてはそっちが大いに気になるところではあります。
ワクチンを受けてない子、特定の物を食べられない子、そこにどうしても致し方ない事情があったとしても、結局他の子と何か違うところがあると「変わったやつ」と思われてしまうのが子供たちの世界。
そうならないように、僕ら小児科医だって気を使っているわけです。
さてここからが本題なのですが、、、
アレルギーがあるお子さんから当該食品を除去することは間違いであると、何度も書いてきました。
現代はアレルギーは食べて克服する、いや、しなければならないものだと考えます。
除去して逃げ続けることが一番愚かな事だと思います。
その理由は上記のように学校に上がって変わり者扱いされていじめられないため、というのもありますが、もっと大きな理由は「誤食しても耐えられるようにしておく必要がある」ってことです。
もう皆さん忘れてしまったかもしれませんが、昔、卵アレルギーがある子供が給食のチヂミを誤って食べてしまいアナフィラキシーを起こして死んでしまった事故がありました。
当時は色々と騒がれたものですが、あれは結局もっと小さいころから卵を克服するようなことをせずに一貫して除去し続けてきたからと言われてます。
除去をすると体はその物質に対する反応を反動的により強める場合があります。
微量でも酷い反応を起こすようになります。
そうならないように僕は乳児期には極力、多少湿疹が出ても構わないから(もちろん僕の指導のもと)食べさせるように指導するわけです。
理由もなく逃げていると体が逆に反応を強めてしまい、いずれホンマモンのアレルギーが出来上がってしまうからだけでなく、起こる反応もアナフィラキシーのように重くなるからです。
当然食べさせるのが適切な時期は身体が受け入れOKな乳児期であって、それを過ぎてしまうと体が拒絶を強めてしまうんだってことは以前の記事で書いたとおりです。(こちらを是非参照!)
ごく一部の重症なケースは別として、現在多くの「アレルギー」と言われている子供が、実はこうやって意味もない除去により作られてしまったアレルギーだと推測されます。
その証拠に意味のない除去をしない昔はアレルギーなんていなかった。
ここまで近年アレルギーが増えたのは「除去療法」が始まってからなんです。
もちろん一部の重症なケースに除去は必要です。
でも、必要でない軽症(あるいは無罪の)お子さんまで親や医者の判断で除去がされてきたため、結果逆にアレルギーを発症しているだけなんです。
アレルギーは大人たちが作っている、と言っておきましょう。
保育園の園医をやってると20人くらいのクラスだったら2~3人は卵やら乳製品をアレルギーを理由に除去しているお子さんがおられます。
そんな頻度で(除去を必要とする)アレルギーがいるのかいなと思います。
ちなみに当院でアレルギーとして管理しているお子さんは、アレルギーもどきも含めるとおそらく2~3千人はいると思います。
その中で開業以来5年間で「これは厳密に除去しなければならない!」と診断したアレルギーの子は10人チョイってとこです。
他の大多数はみ~んな適切な管理を受けて克服しているんです。
僕が園医をしている保育園で除去食をしているお子さんって、皆無です(笑)。
もちろんそれにより何か大きな事故など起こったことなんて当然ありませんよ。
さて、チヂミを食べて死んでしまったお子さんのような悲劇を繰り返さないために、仮にアレルギーが本当にあったとしても、少しでも微量でもいいから食べれるようにしておいて万が一誤食しても命だけは助かるレベルにまではしておかなければならないと考えます。
食べずに一生を過ごすことができるのなら、それでよろしい。
でも、保育園や学校では何があるか分かりません。
友達からもらって口にしてしまうかもしれないし、保育園や学校サイドもミスで誤って食べてしまうかもしれない。
親の目を離れて一歩外に出たら何が起こっても不思議じゃない世の中なんです。
先日、保育園での誤食事件が増えている、というニュースを見ましたが、あれは保育園側の管理にも問題があるのでしょうが、それ以上に不必要にアレルギーに仕立て上げられてしまっている子供が世の中にはごまんと居るってことなんです。
で、そうやって不必要な除去をされ続けた子に待っているのは・・・
アレルギーと診断されているお子さんがいたら、それは本当にアレルギーなのか、本当に除去しなければならないのか、だとしたらいつまで続けなければならないのか、それをちゃんと主治医を話し合って納得した方針を採るようにしなければなりません。
仮に重症で食べさせるのが困難なケースであったとしても、保育園などに入る前にせめて万が一誤って口にしてしまっても命は拾えるレベルには最低でもしておかなければなりません。
それは今後親の目を離れる機会の増えるお子さんの将来を左右しかねない非常に大きな問題なのです。