〆(締め)
鍋料理の終盤に、残ったスープや具材を使って新たな料理を作り、最後まで鍋を楽しむことを指します。



 

日本の食文化において、「〆」を食べる習慣は、食材を大切にし、無駄なく使い切るという古くからの知恵と深く関連していると考えられます。


 

鍋に残った出汁(だし)には、具材から出た旨味が凝縮されています。これを捨ててしまうのはもったいない、という思いから、ご飯や麺などを加えて二次的に楽しむようになったのでしょう。


 

「〆」という言葉は、食材の保存方法にも使われており、これらは食の歴史の中で発展してきた日本の知恵を表しています。


 

魚の「活け締め」 江戸時代初期には、魚の鮮度を保つ「活け締め」という技術が開発され、日本だけでなく世界にも広まっています。

 

これは、魚の味を良くし、鮮度を長持ちさせるための方法です。

 


昆布締めや柿の葉寿司 富山県の郷土料理である「昆布締め」は、江戸時代から明治時代にかけて、北海道から運ばれてきた昆布を使って魚介類などの鮮度を保つ保存技術として発達しました。


 

また、海から離れた奈良の地では、貴重な海産物を保存するために「柿の葉寿司」が生まれ、魚を塩で締め、柿の葉で包むことで保存性を高めていました。


 

これらは、冷蔵技術がなかった時代に、いかに食材を長く美味しく保つかという工夫から生まれたものです。


 

これらの例から、「〆る」という行為には、鮮度保持や旨味を引き出すといった、日本の食文化における深い知恵が込められていることがわかります。


 

鍋の〆も、同様に食材の旨味を最大限に活用し、無駄なく美味しく食べるという昔ながらの精神が受け継がれているのかもしれません。


 

〆の文化は海外にも
日本における鍋の〆とは少し違いますが、お酒を飲んだ後に何かを食べるという習慣は、世界各国にも存在するようです。日本人は飲んだ後にラーメンを食べることが多いですが、海外ではその国ならではの「〆」があるんですよ。



 

世界の「〆」文化
いくつか例を挙げますと。
アメリカ 

アメリカでは、お酒を飲んだ後の〆としてピザが定番です。たっぷりのチーズやサラミが乗ったピザ「ペパロニ」が人気だそうです。

 

日本の感覚だとピザはおつまみですが、アメリカでは飲んだ後の炭水化物として定着しているようですね。



タイ

タイでは、辛くて酸っぱいパパイヤサラダ「ソムタム」が〆として食べられることが多いようです。

ソムタムの強烈な辛さで酔いを覚ます、という理由もあるそうです。


 

中国 

中国では、串焼きが人気です。夜になると屋台が並び、羊や牛、豚、鶏など様々な具材の串焼きが楽しまれます。

香港では、早朝に小籠包を食べることもあるとか。



 

イギリス 

イギリスでは、パブの閉店後にケバブ、フィッシュアンドチップス、ハンバーガーといったファストフードが「〆」になります。

座って食べる場所が少ないので、歩きながら食べるのが一般的だそうです。