海藻(布海苔)うどん
5月17日掲載の「ふのり蕎麦」でも触れましたが、私の好物でもあり行きつけの店も有りますのでもう少し詳しくお伝えいたします。


 

↑ ホテルの朝食に出ていた「海藻(布海苔)うどん」 ↓

 

へぎそばとは?
新潟県には、全国のそば通を唸らせる名物「へぎそば」があります。


 

へぎそばの特徴は、「布海苔(ふのり)」という海藻をつなぎに使うこと。それによるツルツルとしたのどごしと、弾力のある歯ごたえが魅力です。


 

また、一口サイズに束ねて盛り付けられたそばには独特の美しさがあります。
へぎそばは、新潟県の魚沼地方発祥の蕎麦。


 

↑ 私が行きつけの「へぎそば店」 ↓

 

つなぎに布海苔という海藻を使った蕎麦を、ヘギといわれる器に盛り付けた切り蕎麦である。


 

↑ 価格が改訂されました ↓

 

十日町市のへぎそば組合は「十日町へぎそば」を、小千谷市の業界団体は「小千谷名物へぎそば」を商標登録している。


 

へぎ(片木)と呼ばれる器に載せて食されることからこの名がつきました。
では、へぎ(片木)を使えばすべてへぎそばではないのか?と、思われるかもしれません。


 

↑ 酒類とお摘みメニュー ↓

 

へぎ(片木)は「剥ぎ」を語源とし、剥ぎ板で作った四角い器のことをいいます。
この器に冷やしたそばを、1口程度に丸めて盛りつけます。これを手繰りと言います。


 

つまり、へぎ(片木)と呼ばれる器に手繰りにされたそばを乗せたものをへぎそばと言います。


 

↑ 日本酒「八海山とと天婦羅」 ↓

 

またこの手繰りにするには、通常のそばでは難しく、布海苔をつなぎに使ったコシの強いそばでないと写真のようにうまく手繰りに出来ないといわれています。


 

特色
へぎそばを考案したのは、小嶋屋総本店であるとされる。魚沼地方で盛んだったカラムシの織物の緯糸を張るために使用されていた布海苔を蕎麦のつなぎに使用した。


 

布海苔をつなぎに使っていることから、小麦粉をつなぎにした蕎麦や、十割蕎麦などと比較して、ツルツルとした喉越しが楽しめるのが特徴。


 

↑ 日本酒「久保田」を追加 ↓

 

「へぎ」と呼ばれる、剥ぎ板で作った四角い器に載せて供されることからこの名が付いた。


 

冷やしたそば3〜4人前を、一口程度に小分けし、丸めて盛りつける様子から「手振りそば」とも呼ぶ。器の「へぎ」は、「剥ぎ」を語源とする。


 

魚沼地方では、蕎麦の薬味になるワサビが採れなかった為、刻みネギまたはアサツキとからしを添えるのが特徴だった。


 

その他、クルミを添える地区もある。ワサビが広く流通するようになると、へぎ蕎麦にもワサビが使われるようになり、十日町市や小千谷市のそば店では、店舗によって薬味を「からしのみ」、「わさびのみ」、「両方から選択可能」とする違いが見られる。


 

本来は「へぎ」に盛り付けたものを指すため、同じ店舗でも、店頭で供するものを「へぎそば」、パック販売する乾麺を「布海苔そば」「手繰りそば」と呼び分ける例も見られる。


 

その生まれには、新潟の地場産業である着物づくりとの密接な関わりがあるのだとか。


 

着物に無くてはならない「布の糊」
「十日町市は着物の一大産地として発展を遂げてきた街です。布海苔(ふのり)は、着物づくりに欠かせない素材でした。


 

布海苔は、『布海苔』とも『布糊』とも書きます。布の糊なんですね。煮溶かしたフ布海苔から取れる粘り気のあるエキスが糊となります。


 

糸を液状の糊にくぐらせることで保護したり、強い撚りをかける際に役立ちました。多くの人が着物産業に携わっていたこの街では、布海苔はとても身近な素材だったんです」


 

「布海苔は海藻ですから、食料にもなります。飢饉を救ったという歴史も残っています。乾燥させることで一年中保管できるので、保存食として暮らしを支えていたんですね。


 

この地域は小麦粉を栽培していなかったので、当時そばのつなぎには山ゴボウの葉や自然薯、鶏卵などが使われていました。そこで、もっと身近で手に入りやすいフノリが使えるのでは?と創業者である祖父の重太郎が思いつきます。


 

↑ ホテルの朝食 ↓

 

研究を重ね、出来上がった布海苔つなぎのそばは、今までにない食感と味わい。たちまち評判を呼びました」


 

「へぎ」にはどんな意味が?
へぎそばは「うつわ」も独特です。

独自の盛り付け方の理由とおすすめの食べ方
さらには、この独自の盛り付けにも着物づくりとの関わりがありました。


 

一口サイズに束ねて盛り付けられています
この形、織物用の絹糸を束ねた「おかぜン(かせ繰り) 」とよく似た姿をしています。

日常的に目にしていた姿形が食べやすさと結びついて、この盛り付けとなったようです。

手を振りながら、水から揚げたそばを束ね、八の字に盛り付けます。この様子は、まるで糸を手繰るような動作です。

手を振りながら、水から揚げたそばを束ね、八の字にして盛り付けます。まさに糸を手繰るような動作ですね。


 

「昔は米などの五穀は年貢として大半を納めねばならず、手元にはほとんど残りませんでした。そのため五穀に含まれない玄そば (そばの実) を栽培して自分たちの食料にしていたといいます。

普段はそばがきにして食べていたそうです。手間をかけて作る、そば切(麺にしたそば)は餅などと同様に、晴れの日のご馳走でした。

玄そばの実は三角形。「三角=みかど」に通じる縁起物とされました。今も、冠婚葬祭やお祭りなどの宴席でそばが振る舞われます。

 

お酒を飲んだ後の締めにもなるので「そば肴」とも呼ばれ親しまれています」



薬味にはカラシを添えます。つゆには入れず、少量をそばに塗るようにつけるのがおすすめとのこと。

この地域はワサビが採れなかったためカラシが用いられるようになったそうですが、そのさっぱりとした辛さは、へぎそばと相性抜群です


 

着物づくりがそばに与えた影響を紹介してきましたが、実は、そばも着物づくりに役立っている一面があります。糸を白く漂白するとき、そばの茎を燃やして作ったアク汁を使います。暮らしで身近な食材を着物づくりに生かしたのですね。

冬は雪に閉ざされる豪雪地帯。限りある資源を有効活用して使い切る知恵がそこここにあります。


 

持ちつ持たれつともいうべき着物産業とそばは、この地で生きる人々の工夫の結晶と言えそうです。どちらも、人々を魅了し続けています。