ツタンカーメンの玉座
玉座(ぎょくざ)は、国家の君主(国王や皇帝など)などが、君主としての儀式などの際に座る座具、椅子のこと。
王権などを象徴するものであり、玉座という言葉は王権と同義として使われることもある。
玉座はアフリカ等の地域にあるスツールから、ヨーロッパ・アジア地域の華やかな椅子やベンチのようなデザインに至るまで範囲も様々である。
常にではないものの、玉座はその国家や民衆が持っている哲学的あるいは宗教的なイデオロギーと結びついていることが多く、そのことが在位している君主の下で人民を統治すると共に、玉座にいる君主をかつて玉座に座っていた先代君主と結びつけるという二重の役割を果たしている。
そのため、一般的に玉座の多くは、その土地にとって価値が高く大切な物とされる発見の難しい希少な素材でできていたり製造されている。
玉座の大きさについては、国家権力の道具として大規模かつ華やいだデザインになる事もあれば、デザインに貴重な素材が何も無かったり殆ど盛り込まれていない象徴的な椅子の場合もある。
日本の玉座
皇位を意味する「御座居(みくらい)」とは、日本の天皇が玉座に居ることを指す用語である。
御座の訓読みにあたる「みくら」が天皇の玉座のことで、京都御所の紫宸殿にある高御座(たかみくら)など非常に特定された玉座を指す場合もある。

高御座は京都御所に保管されていて、皇位継承儀式で使われる。 1990年に当時の天皇明仁が使用しており、2019年10月の即位礼正殿の儀では、現在の天皇徳仁が使用した。
沖縄県那覇市には、琉球王国の玉座が首里城に置かれていた。太平洋戦争でオリジナルは全て失われてしまったが、首里城の正殿「唐破風(からふぁーふー)」を復元させる際に内部の玉座も復元された。

語源
玉座(throne)の語源は、ギリシャ語のθρόνος (thronos)が由来で、「座席・椅子」を意味する。
足置き台のついた椅子で格調高いものではあったが、権力を暗示したりはしない普通の椅子だった。
さらに遡るとインド・ヨーロッパ祖語の*dher- が根源で、その意味は「支えること」(またはダルマ教における「職位、犠牲の柱」)である。
家具の始まりは、今から約5000年前[紀元前3000年~500年]古代エジプトからというのが定説になっているようです。
その理由は、ピラミッドの中から多くの家具が発掘されたことによるためです。そして、当時の家具というのは支配者の権力の象徴であったとされています。

この椅子は、エジプトにおいてその権力のトップに立っていた有名なツタンカーメン王の「黄金の玉座」です。
全体を金箔で装飾され、太陽神の前にツタンカーメン王とアンケセナメン王妃が描かれています。肘掛の先端には、玉座を護るライオンの像があります。
実際は発掘されていないだけで、もっと昔から家具のようなものを使っていたのかもしれませんが、立証できる中で最も古いものがこの玉座なのでしょう。
それにしても、5000年も前からこのような黄金で精巧なものがあるとは、先人の知恵と技術の深さに驚かされます。

背もたれの装飾には、円盤で表現された太陽神アテン神の光線が小さな手となり、若い王と王妃アンケセナーメンに生命を与える場面が表される。
アテン信仰は、アクエンアテン王の時代に急速に広まった宗教であることから、この作品がその後の反宗教改革の動きがおこるより前に作られたことがわかる。
王は玉座でくつろぎ、左手に香油の入った杯状の容器をもった王妃が夫の左肩に香油をぬっている。

玉座の肘掛の左右には、冠をかぶった有翼のヘビがツタンカーメン王のカルトゥーシュをかかげている。
ライオンの脚部を模した玉座の足は、それぞれ上・下エジプトの統一を象徴する紋章のモチーフでつなげられている。
黄金の玉座の背もたれ部分
王宮の中で、玉座に座ったツタンカーメンと、妻のアンクセナーメン(アンクセンアモン)がツタンカーメンの体に優しく香油を塗る、仲睦まじいシーンが表現されています。

2人の背後には太陽神アテンの姿が刻まれています。
アンクセナーメンの首から上の部分がゆがんでいる様に見えますが、元々背もたれの上部分には、天蓋が描かれていたものの、真ん中の部分を削ってアテン神が付け加えられた→その後アンクセナーメンの王冠が付け加えられたので、アテン神の先が手になった太陽光線の部分が削られた為・・・だそうです。

確かに良く見ると、天蓋の部分が削られて上から彫りなおされている様に見えますね。
こちらはツタンカーメンの誕生名(左)のトゥト・アンク・アモンと、即位名(右)ネブ・ケプル・ラーのカルトゥーシュ。

アンクセナーメン(アンク・エス・エン・アメン)(の名前のカルトゥーシュ。
良く見ると彫り直されている様に見えるので、元々はアンクセパーテン(アンク・エス・エン・パ・アテン)と刻まれていたのでしょうね。

↑ ツタンカーメンの親指の付け根が、反対になっている

仲良く寄り添っている2人の足元にご注目。(有名なんですけどね)
1足のサンダルを、2人で片方ずつ履いています。これは仲が良い事を表す描写と言われています。

玉座の後ろ側はこんな感じです
太陽円盤を頭に掲げた4匹のウラエウス(コブラの女神)が守護しています。
背もたれ部分のツタンカーメンの名前は「トゥト・アンク・アモン」になっていますが、玉座の右側のカルトゥーシュは、元々の名前の「トゥト・アンク・アテン」になっています。





