熱海

東京から新幹線で1時間足らずで行ける熱海が、温泉観光地から脱皮して近代別荘建築の宝庫として脚光を浴び始めています。
 



明治の初め、伊藤博文、井上馨、大隈重信などの政財界の要人が温泉の湧く温暖な地に着目し、冬の避寒地として滞在したり別荘を建てたりしました。



 

明治21年、大正天皇の御用邸が建設されたことを契機として熱海は急速に発展し、冬の間は首都機能がこの熱海に移転したかの様相だったともいわれています。


 

サンルーム
「玉姫の間」に併設されたサンルームは、大きな窓とステンドグラスの天上、色鮮やかなタイルの床が特徴で、「アールデコ」のデザインを基調にしています。

 


 

サンルームの名のとおり、たくさんの日光を取り入れるために、天井とともに屋根もガラスで葺かれており、これらは鉄骨によって支えられています。


 

天井と高窓の間には、唐草模様が刻まれた石膏の装飾が施されています。

 

 

洋館「金剛」(こんごう)
この建物は「根津嘉一郎」により、1928(昭和3)年に着工、翌1929(昭和4)年に完成しました。

 

その後、何度か改築されていますが、1989年の改築により、ローマ風浴室の位置と向きが変えられています。

 


 

建築当時は独立した建物で、部屋への入り口あたり、石張りの廊下部分が玄関となっていました。


金剛では、暖炉上方のスペード、ハート、ダイヤ、クラブを象った模様をはじめ、草花の模様などが、洋館では大変珍しい螺鈿細工によって施されています。


 

ローマ風浴室
洋館「金剛」に併設されたローマ風浴室は、1989年の改築の際、多くの部分で現代の材料に改められてしまいましたが、ステンドグラスの窓やテラコッタ製の湯出口などは、建築当時の物です。

 


 

肌触りの良さや滑り止めの効果を考慮して、浴槽の周囲には「木製のタイル」が敷かれているほか、建築当時は畳敷き、あわせて9畳の脱衣室と化粧室も敷設されていました。