アサガオ
日本で最も発達した園芸植物。古典園芸植物のひとつでもある。中国語で牽牛。日本では「蕣」の漢字も当てられる。



 

つる性で、葉は広三尖形で細毛を有する。花は大きく開いた円錐形で、真夏に開花する。1輪の花は,外側からがく5、花弁5(1)、おしべ5、めしべ1を有する。5枚の漏斗状の花弁は融合し、漏斗状になっている。


 

それぞれの花弁の中央に、放射状の中肋(アサガオでは特に「曜」と呼ばれる)が走っている。子房は3つの子房室からなり、各子房室には2つの胚珠がつくられる。


 

 

原産地
自生種が存在することから、
ヒマラヤかネパールから中国にかけての地域
熱帯アジア
のどちらかが原産地であるとする説が有力であった。しかし近年になって、熱帯アメリカ大陸が原産地であるとする説が出されている。


 

 

日本
当該植物が「朝顔」と呼ばれるようになったのは平安時代からで、日本への伝来は、奈良時代末期に遣唐使がその種子を薬として持ち帰ったものが初めとされる。


 

アサガオの種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれており、漢名では「牽牛子(けにごし、けんごし)」と呼ばれ、奈良時代や平安時代には薬用植物として扱われていた。和漢三才図会には4品種が紹介されている。


 

 

なお、遣唐使が初めてその種を持ち帰ったのは、奈良時代末期ではなく、平安時代であるとする説もある。この場合、古く万葉集などで「朝顔」と呼ばれているものは、本種でなく、キキョウあるいはムクゲを指しているとされる。


 

 

薬用
種子は「牽牛子」と呼ばれる生薬として用いられ、日本薬局方にも収録されている。中国の古医書『名医別録』では、牛を牽いて行き交換の謝礼したことが名前の由来とされている。


 

 

粉末にして下剤や利尿剤として薬用にする。煎液にしても効かない。種子は煮ても焼いても炒っても効能があるものの毒性がとても強く、素人判断による服用は薦められない。


 

朝顔の葉を細かに揉み、便所の糞壺に投じると虫がわかなくなる。再びわくようになったら再投入する。

 

毒成分
ファルビチン、コンボルブリン

毒部位
種子

毒症状
嘔吐、下痢、腹痛、血圧低下

品種改良


 

変化朝顔の例
世界的に見ても、これほど形態が多種多様に変化した園芸植物は他にない。ほとんどの変異は江戸時代に生まれたものである。

変異の著しいものには種子を作ることができないものもある。

この変異が著しいために、種子ができない、または非常に結実しにくいものは「出物(でもの)」と呼ばれる。



 

不稔である出物の系統を維持するためには、変化が発現しなかった株(「親木(おやぎ)」と呼ばれる)により遺伝的に伝えて行くしかない。

したがってたくさんの種をまき、小苗の内に葉の特徴から変化を有している株は出物として鑑賞用に育成し、残りの株の中から出物の変異を隠し持っている親木を鑑別し、こちらは出物の採種用として育成することになる。



 

そのため江戸時代の人々は経験的にメンデルの法則を知っていたとも言われる。

20世紀に入り多様な遺伝子変異を持つアサガオは、遺伝学的解析や生理学的解析研究を行う遺伝学の研究対象となった。現在も遺伝学および生理学の研究材料として用いられている。



 

世界的に見ても、これほど形態が多種多様に変化した園芸植物は他にない。ほとんどの変異は江戸時代に生まれたものである。変異の著しいものには種子を作ることができないものもある。