桝形
桝形とは、日本の城において門の形状を表わす用語で、壁で囲った四角形の区画のこと。



 

防御力が高まることから、戦の際の主要な出入り口となる虎口に採用されていることが多い。
桝形の虎口門を桝形門と呼び、虎口の形態としては最も発達した形式と考えられている。

 

方形の大きさは甲州流兵学の築城術によると横約9m×縦約14.5mが基準。



 

↑ 橋爪門続櫓桝形 ↓  

 



桝形の区画内には通常「一の門」「二の門」と呼ばれる2ヵ所の出入り口が設けられ、敵が城のなかへ一直線に進入できないように、一の門と二の門は異なる方向に設けられる。


 

↑ 橋爪門二の門門扉 唐破風出窓 ↓

 

 

すなわち、2つの門は直角方向の壁にあったり、位置を左右にずらしたりされる。また、出撃するときには方形のスペースに兵を待機させる機能も持っていた。




 ↑ 橋爪門二の門門扉 雁木坂 ↓ 


 

雁木坂(がんぎざか)
橋爪門二の門を抜けると、雁木坂と呼ばれる五十間長屋に平行して伸びる石段があったそうです。



 

このあたりには、橋爪門続櫓(はしづめもんつづきやぐら)に接する雁木坂と呼ばれる石段がありました。


 

橋爪門二の門を抜けると御番所と石垣台に仕切られた広場があり、そこから右手の雁木坂を登ると、石畳、そして二の丸御殿の玄関へ至ります。


 

戌亥櫓石垣(いぬいやぐらいしがき)
戌亥櫓は本丸の北西隅に位置していた櫓でした。



 

 ↑ 橋爪門二の門 五十軒長屋 ↓ 

 

 

現在、櫓はありませんが櫓台からは二の丸に復元された菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓を眺めることができます。


 

 ↑ 橋爪門二の門 戌亥櫓石垣 ↓

 

 

戌亥櫓石垣
この石垣は「粗加工石積み(あらかこういしづみ)」の積み方をしていますが、石の隙間に平らな石をはめ込み、「切石積み(きりいしづみ)」のように見せる技法が用いられています。


 

長い年月の間に石が抜け落ちていますが、当時の巧みな技術を見ることができます。

 



はめ込まれた石が残っているところと抜けおちたところを比較しながら、当時の姿を想像してみてください。

 

↑ 戌亥櫓石垣極楽橋 ↓

 

極楽橋は二の丸から本丸にいく際に通る橋です。

 

 

二の丸と本丸の間の空堀に架かる極楽橋の名前は、金沢御堂の時代から伝わったものとする伝承があるが、確かな裏付けはない。
 

 

戌亥櫓跡(いぬいやぐらあと)
本丸の北西角、戌亥の方角に当たることから「戌亥櫓」と呼ばれていた。西と北に「出し」という出窓がついている二層の櫓だった。宝暦火災(1759)の後、再建されなかった。
金沢城の歴史についての案内板もあります。



 

↑ 見学者用手洗い 二の丸 ↓

 

 

二ノ丸
金沢城二ノ丸御殿は、年寄・家老などの家臣が藩政を運営し、諸儀式が多く行われた「表向」、


藩主が生活し、政務を執った「御居間廻り」、

 

藩主の側室・子ども・女中が生活した「奥向」の3つの空間にわかれ、その敷地は約3,200坪に及びました。



 

↑ ニノ丸 ↓

 

城主の仕事場兼自宅だった御殿
御殿の内部が豪華だったその理由は、やはり御殿が城の中心をなした施設だったから。

城主の権威を示すものが城。

 

じゃあその中心である御殿は、どこよりも豪華でなければ! 

 


人が住まない天守はとにかく外見が大事ですが、行政施設として、城主の居住空間としてあらゆる人が出入りして中身をフルに使う御殿は、内部の装飾性も非常に重要だったのです。

また、部屋ごとにつくりや装飾が違うのは、御殿内のたくさんの部屋は、それぞれ明確に使う目的が決められていたから。用途に合わせた広さやしつらえが施されていたのです。


そんなわけで、城主のメンツをかけて当代随一の芸術家や職人が集められた「美や技の競演空間」だった御殿。

 

その美しさについ目がくらんでしまいますが、ちょっと腰を据えて、装飾の一つひとつに目を凝らして観るのも良いでしょう。


装飾の差でわかる部屋の格式
御殿内で最も目を引く装飾は、空間を区切るふすまやついたてに描かれた障壁画。

虎の絵があるから「虎の間」、松の絵があるから「松の間」など、障壁画はその部屋の印象を左右して呼称にもなる最も重要な装飾です。




室町時代中期から江戸時代末期まで画壇の中心だった狩野派を中心とした絵師たちが腕をふるった障壁画は、どれも圧巻の美しさ。

大まかな傾向としては、外向きのかしこまった用途の部屋には、わかりやすい豪華さが大事。

 

きらびやかな金が広く濃く使われ、さらに威風堂々としたモチーフが描かれ、明確に威圧感を与える絵が採用されていたようです。

逆に、身内と会ったり城主がゆったり落ち着くための部屋の障壁画は、全体に少し落ち着いた色味で、優美で繊細な絵柄の傾向がみられます。どこもかしこも金ピカでは殿様も落ち着きませんからね。