関所の一番主要な建物です。
二棟が継がれている建物で、街道側が大番所、湖側が上番休息所と呼ばれています。


共に栩葺(とちぶき)と言われるうすく割いた杉板を重ねた屋根を持ち、また外観は、渋墨で塗られた黒い建物です。

人物は写真のように灰色のシルエット展示となっています。関所で働く人々の特徴や着物の色などが史料から読み取れないため、史実について間違ったイメージを与えにくい展示がされているのです。

とはいえ、役人の配置場所や人数も当時の史料に基づき、髪型や着物の着方など当時の様子が再現されています。

 


人見女(ひとみおんな)
定番人の母親などで、小田原藩から雇われ、女性の旅人が箱根関所を通過する際、髪を解いたりして、取り調べをしていました。

「出女」とは、江戸から出ていく女性の事。
特に箱根関所では、この「出女」を厳しく取り締まっています。

江戸時代は、全国の大名が幕府へ謀反を起こさないように、幕府への人質として大名の妻が江戸に住んでいました。

その妻たちが江戸を抜け出して帰国しないように、江戸から出ていく女性「出女」を厳しく取り締まっていたのです。

 

 


定番人(じょうばんにん)
箱根宿に住んでいる人で、小田原藩から雇われていました。
関所役人の補佐をして、旅人の通行改めなどを行っていました。

 


番士
武家時代、殿中その他諸所の警備にあたった武士。 
 
手形改めや通行人の検閲などの、関所の実務を担当していた役人です。

 

 

 


面番所(めんばんしょ)
大番所・上番休息所の建物の中で、面番所と呼ばれていた部屋です。
関所役人や定番人(じょうばんにん)が詰めており、部屋の前の縁側では、「出女」の取調べが行われていました。

面番所の内部には、関所役人用に、机を始め硯箱、煙草盆、火鉢などが一人ずつの側に置かれており、奥の壁際には様々な記録を収めた木箱がありました。また、鴨居には槍や刀が掛けられていました。



上の間(かみのま)
大番所・上番休息所の建物の建物の中で、上の間と呼ばれる部屋です。


この部屋は客間であり、常時、人はいませんでした。
ただし、旅人を脅す道具として、鉄砲や弓が飾られていました。

 



 



伴頭(ばんがしら)
小田原藩から箱根関所に赴任してきた侍の責任者にあたります。関所の日常の運営や管理についての責任を負っていました。

 

 


横目付(よこめつけ)
伴頭に次ぐ人物で、伴頭の補佐役です。
伴頭以外の侍や足軽、定番人、人見女などの人事の管理をしています。


 

↑ 上方口門  朽ち掛けた江戸口門 ↓

 

 

渋墨塗

2014年1月14日、箱根関所では、柿の渋と松のススを混ぜた渋墨を御門・大番所・足軽番所・柵などに塗る作業を3月中旬まで実施しました。

江戸時代後期に忠実に再現した箱根関所ですが、この塗装は当時も行われ防水・防湿・防虫などに効果があります。

なのに私が訪問した2020年4月7日、たった6年余で江戸口門の下部が朽ちかけていました。

 


箱根巡りシリーズ 箱根関所(写真は全て4月7日撮影)