傘の語彙・語句
日本語
日本語では、古来「かさ」とは笠を指し、傘は「差しがさ」と呼称した。
「笠」は、柄がなく頭にかぶるものである。それに対し「傘・簦」には柄(え、から)があり、「からかさ」とも読む。
日本語では、古来「かさ」とは笠を指し、傘は「差しがさ」と呼称した。
「笠」は、柄がなく頭にかぶるものである。それに対し「傘・簦」には柄(え、から)があり、「からかさ」とも読む。
頭上を防御するための傘を「さす」は、「刺す」ではなく「差す」である。
現代日本語の「傘」の読みは、日常会話では日本語固有語である大和言葉を用い訓読みして「かさ」と発音することがほとんどである。













↑ 日傘 ↓




↑ 京和傘 ↓





↑ 楊枝細工 ↓楊枝細工








動作を伴っ熟語においては「開傘(かいさん)」などと音読みで発音することもあるが少数例であり、熟語であっても「唐傘(からかさ)」・「日傘(ひがさ)」・「雨傘(あまがさ)」などと訓読みされたり、「洋傘(ようがさ)」などと重箱読みされる例が多い。
日本語では、使う目的によって雨傘(あまがさ)、日傘(ひがさ)と呼んで区別する。
日本の伝統的な工法と材質で作られたものを和傘、西洋の伝統的な工法と材質で作られたものを洋傘と呼ぶ区別もある。
洋傘をこうもり傘ともいうが、こうもり傘の語源に関しては、「傘をかぶる」が「こうむる」となり、これを語源とするなどの複数の説があるが、ペリーが来航した際、持ち込んだ洋傘を「その姿、蝙蝠(こうもり)のように見ゆ」と比喩したことから生まれたという説が最も有力である。
中国語
現代中国語では、日本語と同様、総称として「傘」を用いているが、特に降水対応の傘を指す際に、「雨傘」を用いる。
現代中国語では、日本語と同様、総称として「傘」を用いているが、特に降水対応の傘を指す際に、「雨傘」を用いる。
朝鮮語
朝鮮語では日本語の訓読みに相当する習慣がなく、漢字語はあくまで漢音で発音するため、日本語の音読みと同様に中国語発音に倣って、「傘」の総称は「サン」、降水対応の傘は「ウサン「雨傘」の(鮮語音読)」と呼称される。
朝鮮語では日本語の訓読みに相当する習慣がなく、漢字語はあくまで漢音で発音するため、日本語の音読みと同様に中国語発音に倣って、「傘」の総称は「サン」、降水対応の傘は「ウサン「雨傘」の(鮮語音読)」と呼称される。
欧米
イタリア語
アンブレラは、「影」の意をもつラテン語 umbraがイタリア語に転化してombrellaと指小辞化したもので、もともと「影をつくるもの」を意味した。
イタリア語
アンブレラは、「影」の意をもつラテン語 umbraがイタリア語に転化してombrellaと指小辞化したもので、もともと「影をつくるもの」を意味した。
またイタリア語において、「太陽から守る」意をもつ語パラソーレ(parasole)が、日除けの用具としての傘の呼称として用いられた。
フランス語
現代フランス語では、オンブレル(ombrelle)は婦人用の小さい日傘を、パラプリュイ(parapluie)は字義どおり雨よけを指す用語として明確に区分されており、晴雨兼用の傘は別途オン・トゥ・カ(en-tout-cas)と呼称されている。
現代フランス語では、オンブレル(ombrelle)は婦人用の小さい日傘を、パラプリュイ(parapluie)は字義どおり雨よけを指す用語として明確に区分されており、晴雨兼用の傘は別途オン・トゥ・カ(en-tout-cas)と呼称されている。
英語
現代英語では、一般に雨傘をアンブレラ(umbrella)、日傘をパラソル(parasol)またはサンシェイド(sunshade)として区別するが、これらは語源上いずれも日傘の意である。
現代英語では、一般に雨傘をアンブレラ(umbrella)、日傘をパラソル(parasol)またはサンシェイド(sunshade)として区別するが、これらは語源上いずれも日傘の意である。
アンブレラ、パラソルとも上節に述べたラテン系言語からの輸入外来語であり、1750年代以降には、アンブレラが主に雨傘を指す用語として、パラソルないしサンシェイドが主に日傘を指す用語として割当てられることとなった。広義にはアンブレラで総称する。
雨傘と日傘
大まかに避ける対象によって、雨傘と日傘に区別される。
大まかに避ける対象によって、雨傘と日傘に区別される。
日傘
ビーチパラソル
日傘は、雨ではなく、強い日差しを避けるためのものであり、地面に軸を突き刺して利用する大判のものもあるが、一般に「日傘」と呼ぶ場合は、雨傘と同じく手にもって使う小型のものを指す。
日傘は、雨ではなく、強い日差しを避けるためのものであり、地面に軸を突き刺して利用する大判のものもあるが、一般に「日傘」と呼ぶ場合は、雨傘と同じく手にもって使う小型のものを指す。
大判のものは「パラソル(parasol、フランス語)」と呼ばれることがあるが、parasolは、フランス語の元来の意味では婦人用の日傘を指す。
日傘はその用途上、防水機能よりも紫外線の遮断・反射機能(以降、UVカット機能とする)や装飾性が求められ、雨傘と比較してサイズが小さめである場合が多いが、大寸のドーム型パラソルも登場してきた。ガーデンパラソルやマーケットアンブレラのように屋外の一定の場所に固定して用いられるものもある。
ーチで使われるものは日本ではビーチパラソル、英語ではbeach umbrellaが一般的だが、beach parasolも用いられる。
現代において手持ちの日傘を用いる習慣があるのは、主に日本である。
19世紀にはフランスで流行した時期があったもののその後廃れ、紫外線を遮ることに対して関心の薄い欧州では使われなくなった。
他に韓国では、使われることがあっても年配者のものという認識が一般的だが、若者の間に浸透しつつもある傾向もある。
日本においても、かつては男性はほとんど利用しないという特徴もあったが、昨今は男性も熱中症予防、クールビズのアイテムの一つ、また強い陽射しによる皮膚へのダメージ(直射日光及び発汗に伴う皮膚疾患(肌荒れ、メラノーマなど))を懸念した観点からも、愛好家が増えており、売り上げも年々伸びてきている。
沖縄県では男性の日傘愛好会も存在しており、普及に努めている。
日傘は太陽からの熱線を繊維の内側に蓄え、裏まで熱を通さないように、厚地や二重張りの綿、麻、絹、ポリエステルが使用されることが多い。
近年は、それらの生地にアルミコーティングなどを施して、さらに熱や紫外線の遮蔽率を向上させている。手に持っている時の負担を軽くするため骨に軽量化されたカーボン素材など使用したものも多い。
レースなど穴あきの生地を用いるのは通気性を持たせるためであるが、その分、陽射しを通しやすい。そのため、紫外線をカットする加工された生地に重ねるなど、見た目にも配慮した商品が好まれる。
紫外線を通しにくい黒系統(色の濃いもの)、熱が籠もりにくく見た目にも軽やかな白系統やパステルカラーが多く流通している。
晴雨兼用傘
日傘の普及に伴い、特に雨天でも使用可能を謳って商品化された日傘も存在する。通常の日傘よりも布の目が細かく、透水性のない仕様になっているが、あくまで「日傘としても使える雨傘」ではなく、「不意の雨でも使える日傘」といった位置付けがなされており、そのデザインや大きさなどは日傘に準ずるものである。
日傘の普及に伴い、特に雨天でも使用可能を謳って商品化された日傘も存在する。通常の日傘よりも布の目が細かく、透水性のない仕様になっているが、あくまで「日傘としても使える雨傘」ではなく、「不意の雨でも使える日傘」といった位置付けがなされており、そのデザインや大きさなどは日傘に準ずるものである。
「晴雨兼用」というキャッチコピーは、雨と晴の両用という誤解を受けやすいため、日本洋傘振興協議会は2007年頃より、業界標準呼称として「晴雨兼用パラソル」という用語を用いるようになった。
近年は雨傘をベースにして、日傘のUVカット機能をもたせた「雨晴兼用」と呼ばれるものが出ている。両用語は酷似しているが、ニュアンスは異なる。
和傘と洋傘
傘は材質・地域によって大まかに和傘と洋傘に区別される。手で持つ棒(軸=中棒=シャフト)の先端から放射状に細い棒(親骨)を出し、これに薄い幕(傘布)が張られているという基本構造、及び未使用時には折り畳んで収納可能という点は両者に共通するものであるが、和傘が主に紙(油紙…防水加工した和紙)や竹を、洋傘が防水加工した木綿、絹、ナイロン、ポリエステルなどを材料とする所に大きな違いがある。
傘は材質・地域によって大まかに和傘と洋傘に区別される。手で持つ棒(軸=中棒=シャフト)の先端から放射状に細い棒(親骨)を出し、これに薄い幕(傘布)が張られているという基本構造、及び未使用時には折り畳んで収納可能という点は両者に共通するものであるが、和傘が主に紙(油紙…防水加工した和紙)や竹を、洋傘が防水加工した木綿、絹、ナイロン、ポリエステルなどを材料とする所に大きな違いがある。
和傘
欽明天皇の時代に、当時の先進国が存在した中国大陸から朝鮮半島西岸勢力の百済を経由して伝来した輸入品目であり、導入当初から「唐傘(からかさ)」と呼称されたとの説が一般的であるが、日本で独自に開閉式に改良されたものを、唐繰傘(唐繰は絡繰と同義語)と呼称したことから略して「唐傘」と呼称されるようになったともされる。
欽明天皇の時代に、当時の先進国が存在した中国大陸から朝鮮半島西岸勢力の百済を経由して伝来した輸入品目であり、導入当初から「唐傘(からかさ)」と呼称されたとの説が一般的であるが、日本で独自に開閉式に改良されたものを、唐繰傘(唐繰は絡繰と同義語)と呼称したことから略して「唐傘」と呼称されるようになったともされる。
和傘はおもに竹を材料として軸と骨を製作し、傘布に柿渋、亜麻仁油、桐油等を塗って防水加工した油紙を使った。
和傘には番傘(ばんがさ)や蛇の目傘(じゃのめがさ)、端折傘(つまおれがさ)などの種類があり、蛇の目傘は、傘の中央部と縁に青い紙、その中間に白い紙を張って、開いた傘を上から見た際に蛇の目模様となるようにした物で、外側の輪を黒く塗ったり、渋を塗ったりするなどのバリエーションも見られる。
洋傘の骨が数本程度であるのに対して、和傘の場合サイズにもよるが数十本の骨が用いられる。これは洋傘と傘の展開方法が異なるためで、余った被膜を張力で張るのではなく、竹の力により骨と張られた和紙を支える仕組みとなっているためである。すぼめた際に和紙の部分が自動的に内側に畳み込まれる性質を持つ。
和傘は防水性には大変優れているが、耐久性に優れているとは言えず、また自然素材を多用した結果、洋傘に比べて重いという欠点がある。
そのため、上向きに展開するには重量が過大で、過度な力がろくろや骨にかかることを避けるよう、展開の際には一般的に下向きに展開し、その後上に向ける。
洋傘のように逆さに傘を立てて保管すると雨水が頭頂部にたまり、浸水により破損する危険があるため、天井や軒先からつるすように保管する必要がある。
和紙を多用するため、虫食い、湿気による侵食、多雨時の防水性にも問題が生じる。また、長期で利用すると素材の特性で色が移り変わる。雨傘の場合、長期使用しないと防水用の油がくっつき、展開に手間取る場合がある。
洋傘
構造的には、大別して、骨を折り畳んで収納できる折りたたみ傘と、折り畳めないものに分かれる。
構造的には、大別して、骨を折り畳んで収納できる折りたたみ傘と、折り畳めないものに分かれる。
折りたたみ傘は、収納時の大きさと骨の長さに応じて骨が2段階、あるいは3段階に折れ曲がる構造である。日本では洋傘について家庭用品品質表示法の適用対象としており雑貨工業品品質表示規程に定めがある。
通常、洋傘の骨は6本または8本だが、デザインや耐久性の点から和傘同様に16本や24本としたものもある。特に16本のものは、菊の紋章の花弁数と同じであるため、皇室で使われている。
イギリスのジェントルマンの中には、専門の業者に依頼して細くきれいに巻かせたものを使う人もいる。
洋傘の普及
洋傘の普及に伴ってジャンプ傘、折り畳み傘、ビニール傘などが汎用化するに至っている。
洋傘の普及に伴ってジャンプ傘、折り畳み傘、ビニール傘などが汎用化するに至っている。
ジャンプ傘(ワンタッチ傘)
傘を開く際には、各骨を支える棒(受骨)を束ねた部分(下ろくろ=ランナー)を、軸に沿って押し上げる必要がある。
傘を開く際には、各骨を支える棒(受骨)を束ねた部分(下ろくろ=ランナー)を、軸に沿って押し上げる必要がある。
これをバネの力を利用して自動化したものが「ジャンプ傘」と呼ばれるもので、最近では閉じることも自動化したものが製作されている。
傘を開くときは周囲に人がいない方に向けて、危険のないように注意する。
折畳み傘
親骨(リブ)の部分が二段階に折れ曲がるとともに、中棒の部分も大管に小管が収まることで小さく折り畳めるようになっている傘。
親骨(リブ)の部分が二段階に折れ曲がるとともに、中棒の部分も大管に小管が収まることで小さく折り畳めるようになっている傘。
1928年、ドイツのハンス・ハウプトが発案、1932年に特許取得した。同特許の許諾を得たクニルプス社が製造・販売を行い、現代でも折畳み傘のトップブランドである。
日本でも同様製品が製造され、当初は特許使用料の制約もあって高価な傘という位置づけだったが、現在では降水確率の低い日の外出携帯用として広く用いられている。
三段階以上に小さく折り畳める構造のものもある(日本で三段折りのミニ傘が初登場したのは1960年という説がある)。
ビニール傘
近年では中棒(中軸)や各骨を最小限の強度を満たすだけの素材で構成し、傘布にビニールシートを使った「ビニール傘」が廉価で販売される例が定着し、広く認知されている。
近年では中棒(中軸)や各骨を最小限の強度を満たすだけの素材で構成し、傘布にビニールシートを使った「ビニール傘」が廉価で販売される例が定着し、広く認知されている。
また、東京ヤクルトスワローズの熱心な応援団は、自軍の安打でチャンスが広がったり得点が入った際、青・緑・ピンクなどのビニール傘を広げて自軍の応援歌東京音頭を合唱するのを好む。
出典・ウィキペディアフリー百科事典。