私、ずっと父親が苦手で甘えたこともなく、

同じ空間にいると、何を話していいのかも分からず落ち着かなかった。


キツく叱られた記憶も無いけど、存在そのものが怖いというか…威厳があって、昭和の父親像そのもの。って感じ。

帰ってくると、ピリッと部屋の中の空気が張り詰める気がしてた。


苦手苦手って思ってたけど、自分の心を探っていくと、

私、自慢の娘でいたかった。って思いが出てきて涙が溢れてきた。

そして浮かんできた記憶が、部活で優勝したことを伝えた時、

「ほぉ〜。」って淡々とした返しだったけど

嬉しそうな顔をしていたこと。

それを見て私も嬉しかった。


でも、何か、足りない足りない…って気持ちも浮かび上がってきた。

この時私は、ほんとは飛び跳ねたいくらい嬉しかったのに、普段から感情表現が苦手で、

父親にはどう接していいのか、分からなかったから、

「これ。優勝した。」って賞状見せただけだった。

ほんとはもっと思いっきり、嬉しい気持ち伝えたかったんだ。


もう両親はいない。


そうだ!

やりたかったこと妄想の中でやってみよう!


高校生の自分に戻り、

「ただいま〜!   

今日の大会の結果、どうだったと思う? 

じゃーーん!! 優勝したよ!!

私、ずっと足痛かったやん。完走出来るかどうかも不安だったけどさぁ…」


不安の中走ったこと、みんなが応援してくれて嬉しかったこと。走ってる間、名前と通過タイム何度もアナウンスされて誇らしかったこと。

全部全部、身振り手振り付きで話すと、

「ほぉ〜!そうかぁ。それはすごいな。大したもんや!」

妄想の中での父は、手放しで喜んでくれて、


あぁ…私、ほんとはこうしたかったんだ。

素直に自分を表現したかったんだなぁ。

って思った。

妄想の中でだけど素直に出せて、満たされた気がした。


そしたら…

学生時代、テストで悪い点を取ると叱られる。って言ってた子がいたの思い出し、

私は両親から、テスト結果を聞かれた事が無いから、わざわざ悪い点数なんて報告しない。

だから叱られたことなんて無い。

その代わり

いい点取っても反応薄いのが寂しかったけど、

いい点取ろうが取るまいが、そんなの関係なく、

私は私。として愛されてたんだたぁ。って思えた。