【吉日のおかわり(五感で潤すオフ活のススメ)】103話

「ニュース」の賞味期限と、「学術理論」のレンズ』より

 

大学の授業で​、私はいつも「まずは毎日のニュースを確認し、

今この瞬間の社会を知ることが何より大切だ」と伝えている。
変化の激しい現代を生きる若者にとって、

リアルタイムの社会の動きは、生きた教材そのものだからだ。
しかし、同時に次のことも伝えている。

「今朝のニュースの賞味期限は、

明日には切れてしまうかもしれないが、

経済学の基礎には賞味期限がない」

ニュースが「現時点で起きている現象(点)」を伝えるものであるならば、

学術の基礎は「なぜその現象が起きるのかという構造(線と面)」を解き明かすものだ。
100年前に定義された理論は、

この先100年後の未来に宇宙経済が本格化した世界でも、

本質的な形を変えながら生き残り続けるだろう。

​ニュースを見ることで、世の中で起きていることの『表面』を捉え、

経済学の基礎を学ぶことは、

ニュースの基本にあるその解像度を一気に上げる『特殊なレンズ』を手に入れること。
学生にとって学問は「退屈な暗記物」ではなく、

現実世界を面白く見るための「最強のガジェット(道具)」なのだ。

​もちろん、ニュースも理論(学術)もどちらも大切だ。


ニュースを毎日チェックすることは、

社会に蒔かれている『知の種(SEED)』をたくさん拾い集める作業であり、

種をただ持っているだけでは芽は出ない。
大学で学ぶ理論という土台があって初めて、

その種が成長していく中で、

未来の社会を見据える自分の「軸」を持つことができるようになる。


それは、散らばった点と点を繋いで線にする確かな力だ。

 

私が向き合うのは、まもなく社会へと羽ばたき、

これからの時代を自らの足で開拓していく社会人手前の学生たちが集う教壇である。
ここで交わされる言葉は、単なる知識の暗記であってはならない。
今まさにニュースで伝わる社会の最前線で起きているリアルな地殻変動を、

学術のレンズを通して彼らと共に読み解くことに、

教壇に立つ何よりの意義があるように思う。

「生放送(メディア)× 大学(アカデミア)の融合」

これからもずっと、この場所で、

与えられたお役目を果たし続けていけたら、本当に幸せだ。

この融合の実現は、私の目標であり、「夢」でもあった。

この場所は、どこまでも追いかけたい夢であると同時に、

この時代を生きる大人の一人として、

背負うべき「使命」のような気もしている。


現代のAI半導体を始め、

未来に社会実装される前段階の様々な「SEED(種)」は、

今この瞬間も学術界に、論文の世界にも数多く蒔かれている。
そのSEEDは、いずれ、経済社会やマーケットで注目されるテーマになる。
それらは社会の未来を形づくる、きわめて純度の高いエネルギーだ。

生放送のスタジオからお届けする日々のニュースに、

学術という確かな土台と解像度を添えて。
社会の、そして未来の「知の源流」を視聴者の皆様へ真っ直ぐにお届けできるよう、

これからも一人の表現者として、しっかりと言葉を紡いでいきたい。


そして、​教室の教壇から、学生たちの手の中に

『知の種』をそっと手渡し、

それを育てるためのガジェットの使い方を、

伝え続けていきたいと思う。


​「夢の扉」という言葉は、

初めて責務を負った連載漫画の脚本のタイトルでもあるが、

ひとつの「夢の扉」の先で、今日も確かな光を灯していこう。

 

【吉日のおかわり(五感で潤すオフ活のススメ)】103話

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エッセイ103話 『「ニュース」の賞味期限と、「学術理論」のレンズ』|TOMOMI SUZUKI A SEED