エッセイ【吉日のおかわり(自由)】が30話をこえました。
31話『入り江の境界線を、泳いでいこう』
エッセイ31話『入り江の境界線を、泳いでいこう』|TOMOMI SUZUKI A SEED
より一部抜粋👇 お読みいただけましたらば幸いです。
そうしてようやく辿り着いた先で、私を待っていたのは、
ありがたいことに、荒波のど真ん中ではなく、
静かな「入り江」という名の海だった。
ここは、外海の潮の気配を肌に感じながらも、
陸の豊かな草木がすぐそばまで迫り出している場所。
時に荒波に揉まれ、時にさざ波に揺られながら言葉を研ぎ澄ます蒼い「海」と、
深く息を吐き出し、心身を慈しむ静謐な「緑」。
その二つが溶け合うこの場所は、私にとって最も心地よい「汽水域」だ。
私の中に、象徴として刻まれている二つの景色がある。
一つは、西表島で仰いだ晴天の下、どこまでも透き通る翡翠色の入り江。
そしてもう一つは、アラスカの吸い込まれるような森林で体感した、深くて静謐な緑。
南国の柔らかな光を湛えた海と、極北の峻厳な生命力を宿した緑。
その両方に抱かれているような安らぎが、この場所にはある。
潮の満ち引きに身を任せてみる。
時には緑の木陰から波打ち際を眺め、時には大海原の荒波に挑み、そして時には、流れの潮目を読む。
いずれも、私にとっては欠かせない「海」の表情だ。
全文は👇
エッセイ31話『入り江の境界線を、泳いでいこう』|TOMOMI SUZUKI A SEED
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