夏になると少し怖いお話をしたくなる習性がございます
何回目かの再起ですので
知ってる 知ってるこの話 という方はいつも通り光速でスル-してくださいね。
では、
「ベッドの下」
夕暮れから急に雲が重くなり 湿気が増してきた空気の中
パトカーのサイレンが遠く近く聞こえてきます。
一人の若い男がマンションの窓から町を見おろし
「物騒だなぁ まだ捕まらないのか」 と呟きました。
さて、もう少しだ
大きく伸びをして
休み明けの会議でプレゼンする資料作りをしようと
パソコンのスィッチに手を伸ばしました
と その時、
真っ黒い画面に目をやって
う!
声にならない声を呑みこんだのは
画面の中に 自分の顔と
そして、背後に映るベッドの下に
こちらを凝視する不気味な目を見てしまったからでした。
そして、あれは・・・
くすんだ床の上に見えるのは曲がった指先ではないのか
どうしよう、誰かがいる!
なぜ・・・
さっき洗面台の水漏れのことで管理人室に行った あの時、
ドアに鍵をかけなかった・・・
背筋にツ-と汗が伝い落ちます。
こ、これは もしかしたら
いま、警察が血眼で探している 逃亡中の猟奇殺人犯なのか!
どうしたらいいんだ
気がつかないふりをして さりげなく立ち上がり部屋を出る事ができるだろうか
少しだけ体をずらしてみる
ダメだ これ以上は動けない
残虐に切り刻まれていたと報道された 被害者たちのことが頭をよぎります。
あいつは俺が立ち上がった瞬間
ベッドの下から這い出て 飛びかかってくるかもしれない
どうすればいいんだ どうすれば・・・
体が固まって ピクリとも動けません。

20分後
部屋のドアがガチャリと開けられ
ゆっくりと足音を忍ばせて出てきたのは 果たして
この部屋の住人なのか
それとも・・・
お終い

