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【土地さがし、家さがし】

以前住んでいたマンションでは帰宅後空気が悪く換気してた。

洗面器具もパネルが割れたり、風呂場には窓がなくカビが生えた。

クローゼットはカビと合板の臭い。

妻や子供がへんな咳をした。


もうひとつ昔に住んでいた安アパートでは、妻は喘息になって入院し何十万か払った。

今思えば窓枠が結露だらけでカビが生えていた。

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そんな私たちも、会社の補助が切れるのを契機に家を建てることにした。

ウインドサーフィンが好きなので湘南エリアで土地を探した。

建売りや条件付きが多かったけど、建売りの家は素人がみても住みたくない家ばかりだった。

紆余曲折を経て葉山の宅地を購入。

土地が高かったので建物は安くしたい。


「ローコスト&住宅&神奈川」


でヒットしたK社の家を真夏に見に行った。

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引渡し直前の家で24時間換気システムは停止していた。

軸組ヒノキ4寸だが内装はほぼすべて新建材。

強烈なシックハウスで頭痛になり翌日まで続いた。
驚いた。Σ(゚д゚;)
最近の新築ってこんな家なのか!

死んでしまう。(((゜д゜;)))

ファン回せば住めるけれど煩い。ヽ(`Д´)ノ


シックハウスの心配がいらない家を探すことに。

(・_・ 三・_・)


【毎日の幸せ】

<帰宅時の夜>
帰宅時、バス停を下車。空気が良くてうれしい。

歩いて来ると家の数十メートル手前から煙の匂いがして、「ニヤッ」と笑ってしまう。

玄関前でセンサーライトが光ると、ヒバのドアとサイディングが浮かび上がる。


扉を開けると、ヒバ、杉、唐松、珪藻土、ほんのり煙の香りが混じった空気に

「ムワッ」と包まれる。


灯りをつけると珪藻土の壁が現れる。コテ跡が波打っている。


「俺が塗ったにしてはいいなあ」

  (ここで立ち止まり、しばし佇んでしまうことが良くある。)


廊下を進みヒバの扉をあけて、マキストーブ部屋に入る。

過剰に暖かい。ストーブ温度を見ると200℃。


こないだまで着火がうまくいかず文句を言ってた妻も、うまく使いこなしてる。

マキも自分で運んで炭も処理してエライ。



マキを追加して座椅子に座り炎に見とれる。

意識があっちの世界へ入っていき、こっちの世界と遠ざかる



しばらくしたら2階へ、

杉階段が足に軟らかい感触、踏み締めるごとに杉が香り、暖かさが増していく。


ヒバの引き戸をあけて脱衣所に入ると、ヒバの匂いがこもっている。

杉厚板に洗面鉢があざやか。

風呂に入る。湯が冷えてない。人工大理石、足も伸ばせる。


風呂を出たらビールをもって再びストーブへ。


電気を消して部屋を真っ暗にして、チラチラオレンジ色に輝く炎を見る。

ボーっとストーブが浮かび上がり、ヒバのドアを照らす。

ふと、


「アラスカで焚き火をしているのだ。」



みたいな妄想に耽ったり(アラスカは白夜だったけど。)



なぜこんなにも心地よいのか。

炎の光(赤外線?)は、1日の労働を終え疲れた男の眼から入って

心の奥まで照らし暖めてくれる。

少し傷んでシボんでいたココロも、暖まってフクらんでくる。


マキストーブがなければ気付かない。

サラリーマンはお気楽だけど、左遷、リストラ、タダ残、合併など嫌なことは良くある。

イイコトが少ないとココロがイタんでしまう。

深夜に帰宅しても家族は寝ている。

そんなときは酒を一人でしっぽり飲むくらいが関の山だ。


ストーブが来てからは、炎が「ぱちぱち」と元気良く燃えてるのを見ていると

無言に癒されていく。

「1/fゆらぎ」効果? 一家に1台あれば自殺も減るだろう。


アウトドアもいいけど室内の焚き火もいい。

冷えて肩や背中が凝ったときは、背中を向けて座椅子にもたれる。

疲れた背中に赤外線がタップリ浸透して気持ちがいい。

あまりの気持ちよさにしばし寝てしまう(危ないですが)。



眠くてどうしようもなくなったら、太めのマキを追加して2階で寝る。

吹き抜けの三角窓からはオリオン座や月がみえる。

空気は多少香ばしいくて完璧だ。

幸せを感じながらあっという間に深い眠りに落ちていく。

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<朝>
子供の喧騒で目覚める。すごくよく寝た気がする。

換気口はすべてクローズしてるが、空気はさわやかだ。

窓は多いがペアガラスで断熱材もしっかり入ってる。

巨木や木々の間から、朝日が眩しい。

三角窓にはトンビが高く舞う。鳥を見ながら朝食を食べる。

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<昼>
洗濯物や近所のこともあって、雨の日以外ストーブは使わない。


冬でも太陽が昇るとすぐに暖かくなり、昼~3時は暑い。

吹き抜けで、ペアガラスで、採光が十分で、断熱材もタップリ入れてあるおかげだ。


24℃を超えると眠くなる。

妻も息子K(2才)に叩かれながらも寝てしまう。

少しでも寝不足だと我慢はできない。


困ったものだが、ある意味健康的だ。


3時のおやつには、たまらず皆でコーヒーを飲む。


夕方からマキストーブを焚く。子供と一緒にワイワイ着火。


雨や強風の日は朝から焚ける。10時や3時のおやつに焼き芋を焼く。


夜に魚のホイル焼きを焼いた。少しホイルを空けて焼くとスモークされておいしい。

焼きおにぎりもおいしい。

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<洗濯物>
洗濯物は苦もなく乾く。じめじめしない。


クローゼットの湿気取りは不要というのも本当だった。


2mm厚の珪藻土でこうも変わるのか。


私はのどが丈夫じゃないので冬の朝はひりひりすることがあった。


昔は電気スチームでしのいでいた。


今はそのかわりに洗濯モノを干したり、ストーブでお湯を沸かしたまま寝てしまうので大丈夫。


昔は妻の買い物に一緒に行きたがった娘M


引っ越し後は、


「Mちゃんは家にいるー。」


と居座るようになった。5歳という年のせいもあるが家が快適だからだと思う。
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<子供も快調>

去年は荒れていたK次郎の肌も今年は大丈夫(年齢的なものかもしれないが)。

へんな咳をしないのは、換気をする機会が減って、花粉などの侵入も減ったせいかも。

こんないい建物には住んだことない。

今年は風邪もあまりひかない。あまりにもいいので、親とに申し訳ない。



しいて不満をあげれば、妻が最近、ありがたみを感じなくなって、

当たり前になってしまっていることくらいか。

ついこないだまでの辛い住環境は、


「あれ、そんなのあったっけ?」


という感じだ。喉元すぎて熱さを忘れてしまった。

【バランスが大事】

出入りする人に、


「この家金かけてんなー。」


と何度か言われて遺憾だった。理由を考えた。 


「ここまでやる必要ないよ。贅沢してんなー。金持ちはいいね。」

そんなふうに聞こえたからだ。

高いか安いかは、性能や効果と、その人にとってどれだけ必要なのかによる。

価値観、状況、知識によって変わる。

この場合、その人に


①どれだけの効能があるか知らない(珪藻土)。

②高いのは知ってるが、実際いくらか知らない(ヒバ天井)。
③シックハウスで恐い思いをしたことがない。
④家族が丈夫。


などが考えられる。
最近はツーバイや剛床流行りだから、純粋に珍しいということもある。

安いモノには欠点があり、高いモノには利点がある。
安い方を選んで問題ないならいい。丈夫な人は多少のカビくらい大丈夫だ。
でももし建材の選択ミスに気が付いて、後でやり直すとしたらお金がかかる。

カビや化学物質の許容量は人による。過敏症の子供ができるかもしれない。
アトピー、喘息、キレる、イライラの発生率が部材で変わるかもしれない。
自分の家族にとって問題ないかどうかの判断が必要。

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建築業者に義務付けられているのは以下2つ。
 1)フォースター材を使うこと

 2)24h換気システム

それで大抵の人たちは暮らしていける。
でも自分の家族に問題がないかどうかはわからない。
シックハウスの病気になるひともいる。

とはいえ、自然素材にお金をかけすぎて、養育費やローン支払いなど必要なお金が無くなってしまったら問題だ。

事前にどのくらいお金をかけても大丈夫か計算する必要がでてくる。

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要因は、

子供数、進路、収入、親からの援助、

出世、車、貯金額、金利予測。



ローン借入れ金利変動で何百万も差がでる。

少ない借り入れを、少ない期間で設定できるかも重要。

(金利変動に比べれば珪藻土費用なんて微々たるもの。

計算上問題なければ、その人にとって「高くない」。

バランスが崩れていたら調整していく。

計算どおりに人生が進むとは限らない。ただ、

★イケそうか?ダメそうか?

はわかってしまう。

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私の家でも、建築プランを頼んでしまった後でライフプランを計算していた。

子供の予定数Max:2⇒3

の可能性が少し有りということで、建築コストを300万くらい圧縮することにした。

(最終的には100万程度の圧縮に)。
<私の場合>
ローン期間は

「35年固定でもいいや。」

と軽く考えていた。

M銀行の逗子所長とMeeting。とてもうれしそうだった。

申し込みの前に銀行さんが利息としてGetする総金額を計算してみたら

借り入れ金と期間が大きいほど指数関数的に儲けられてしまうことが判明。

期間が短いと利率だって低い。
慌てて親族に借金をお願いし、株も処分、借り入れ額を削減した。


最終的に借り入れ2500万 期間10年率2.2%程度に削減することができ、銀行さんの儲けは250万程度に。住宅ローン減税を考慮すると、利率として払うお金は数十万。まったく問題ない。

逗子所長は少しがっかりしたように見受けられた。

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<自分で施工すれば安い>
自然素材を使うと高いけど、材料代より施工代が高い。

プロは値段が高いけど、完璧で速い。

素人はタダだけど下手で遅い。

スケジュールとタイミングを計ってセルフを実施するのがいい。

新しい道具の購入も必要になり、出費は痛いけど道具と技術は残る。

蓄積されるとモノ作りが上手く速くなって、応用も効くようになる。

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例えば、壁塗りができようになると、


コテとコテ板が使える。
練り物の固さがわかる。


モルタルでレンガやタイル貼ることも抵抗なくできる。

【セルフビルドに伴う葛藤】

2階のリビングの珪藻土塗りが完了後に見学した時、妻は言った。


「今まで見たどの家よりもいい感じ。早く引っ越して来たいねえ。」
「なんだかけだるくなって、ぼんやりしてきたわ。」


妻が骨抜き状態(猫にマタタビ的)になっていた。

ヒバ勾配天井が高い。

壁は珪藻土。


「骨抜きなんだから、夫婦喧嘩なくなるのでは?」


なんて幻想も抱いた。
住んでみたらあっさり喧嘩。だが割と早く


「まあいいや。仲直りしよう。」


と思える。家族のイライラが減少。
セルフビルドのおかげで高級仕様を実現できたけど、平坦な道のりではなかった。

私が工房や現場にいた時、妻は独りで2歳と5歳の子供を世話していた。

5歳のマロは、


「工房へ行かないで~!」


とせがむ。そこを、


「今日はマロちゃんの新しいお家の○×を作るので許してね。」


と説明し、家から出る。

私のウインドサーフィンも禁止。

家族みんなが我慢しないと成り立たない。


「セルフビルドなんて、やらないほうが良かった?」


と何度か自問自答した。



でも、選りすぐりの材料で、しっかり出来上がっていく家の様子をみんなで見ることで、

我慢しつつセルフビルドを継続できた。
建築前は私がセルフビルドに行こうとすると、なかなか納得しなかった娘M。 

でも家が出来てくると、幼稚園の先生や友達に自慢するようになった。


「Mちゃんの家、早く作らないと。 

○×ちゃんやモトコ先生呼べないよ。

年内に引越しできなくなるよ。」


とおどかすと、


「わかったよ。行っていいよ。ちゃんと作るんだよ!」


と聞き分けが良くなった。



自然素材盛りだくさんの家ができた。

うちの家族は喘息とかアトピーに無縁じゃないのでよかったと思う。 

【満足感とは?】

家を建てて満足するためにはいろいろな要素がある。


1.快適さ
 (ア) 美しいか、見栄えがいいか?(景観、素材、設計)
 (イ) 寒くないか?湿度?(断熱材、内外装、日当たり)、
 (ウ) 変な嗅いがしないか(素材、非シックハウス、カビが生えにくい)
 (エ) 使いやすい?(間取り、合理性)
 (オ) 触ってきもちいい?(自然素材の使用)


2.耐久性
 (ア) 雨漏りしないか。さびないか?
 (イ) 地震で倒壊しないか?
 (ウ) シロアリ対策?


3.コスト、生活持続性
 (ア) リーズナブル?
 (イ) ローン苦⇒財政破綻して手放す羽目にならないか?


4.安全性


 (ア) 危険な薬剤の不使用。


5.家の一部を自分で作り足していく満足感。(これにより、 )
 (ア) 自分好みにできた。
 (イ) コストダウンできた。
 (ウ) できないことが出来るようになった。


すぐ思いつくだけでもこれだけある。

これらの達成、調整のために打ち合わせを重ねる。

満足感の達成度は施工会社の特性によって当然差がでる。

工房での達成度は高い。
理由は、


1.中尾さんは元優秀な大工。(これにより、 )
 (ア) 仕様実現のための豊富なアイデア、工夫、

     ノウハウ、経験、施工能力、
 (イ) 職人のレベルを的確に評価できる。管理能力。


2.リフォーム経験も豊富なので、どう建てたらダメになるかを熟知している。


3.ライフプランを計算し、銀行や不動産に一人勝ちされないように指導してくれる。


4.湘南の不動産事情に詳しい。土地探しもやってくれてしまう。


5.セルフビルド指導によるコストダウン


6.材料調達能力が高い。(ローコスト建材から、自然素材の産直まで、幅が広い。)


7.能力は高いが、客がまだ少なく、年間棟数もそれほど多くない。これにより、


(ア) 中尾、上甲(設計)の2マン体制で、濃い打ち合わせを多く行える。


(イ) 年間棟数は少ないが、ローコスト住宅研究会所属により、建材を安く調達する能力はどこにも負けない。


(ウ) 人件費、広告費の無駄が少ない。


等によって、他社では断られるような難しい項目が実現されることが多い。


家で満足するというのは大変だ。
勝負は土地探しから始まっている。

悪い土地を高値で買うと、地盤改良費やだまされ代金がかさみ、建築費が削られてしまう。



セルフビルドにしても、量が多く一つの工程がなかなか終了しない。

いくら作ることが好きな人でも飽きてくる。

施工途中では工期も決まっているから深夜残業的な帳尻合わせや辛抱も必要だ。



自分はまだセルフビルドが終っていない。まだ尻を叩かれている心境だ。

1年くらいしてセルフ作業が一段落したら、ホッとして住み心地を堪能できるはず。

今を登山にたとえれば、

「嵐の中めげずに上っていたら、晴天になってお花畑が。。。山頂までもうすぐだ。」


登山は悪天候なほど記憶に残る。

セルフビルドも辛い(量が多い)ほど快的な家が完成していく。