南極観測隊、オーストラリア寄港せず“異例”の旅 出発前は隔離、隊員数は半減

何時ものヤフーさん
新型コロナウイルスの流行が、今月20日に日本を出発する第62次南極観測隊の活動に影響を及ぼしている。隊員を南極に運ぶ観測船のしらせは例年と異なり、燃料などの補給地点となるオーストラリアには寄港せずに日本と昭和基地の直行直帰。隊員は検疫のため出発前に2週間、ホテルで缶詰めとなる。観測項目や人数も絞り、異例ずくめの行程が始まる。
◇
通常、観測隊は空路でオーストラリアに入り、先に日本を出発していたしらせに乗り込む。だが、現地では外国人の入国が制限されて寄港できる見通しもなく、しらせは往復とも経由しないことになった。観測隊員は船を運航する海上自衛隊の横須賀基地(神奈川県横須賀市)近くで乗船。観測隊の実務を担う国立極地研究所(東京都立川市)によると、1956年に始まった日本の南極観測事業で、観測船が外国の港を経由しないのは初めてだ。
しらせや昭和基地にウイルスを持ち込まないよう、隊員は出発前の2週間、ホテルで隔離。PCR検査で陰性を確認して乗船する。オーストラリアでの補給ができないため、出港から帰国までの日数も当初計画の151日から95日へ大幅に短縮。南大洋で行う海洋観測なども縮小した。
遠い南極へ、はるばる旅立つ隊員たちを送り出す送別会や壮行会、見送りなどの行事も軒並み自粛。第62次隊の建築担当隊員で、これまで3回観測隊に参加経験のある梅田利郎さん(50)は「なるべく人と接触しないようにしている。送別会もオンラインでやってもらうことになった」と話す。
今春に南極から帰国した第61次隊で副隊長を務めた極地研南極観測センターの熊谷宏靖さん(47)は「途絶えると価値が損なわれる観測もある。今回は次につなげるために力をためる期間だ」と話し、観測継続の重要性を強調する。
