ある時、
彼が持ち歩いているバッグの内ポケットに
指輪が入っている事に気付いた。
明らかに彼の趣味じゃない指輪。
とても安っぽい指輪。
前にテレビ電話に映った結婚指輪とは
全然違う指輪。
ばーやんとのペアリングだと思う。
彼、そうゆうところは天才的なんで。
きちんと付け替えるんですよね。
きっとばーやんの所へ行く時は
つけてるんだろうなぁ。
私があげたピンキーリングは
外してるんだろうなぁ。
でも、私とのペアリングは
彼が昔から付けているやつだから
ばーやんと居ても付けてるんだよね
でも…ペアリングなんて…
捨てちゃおうか。
どこかで落としたんじゃない?
って言おうか。
いや、そもそも「指輪知らない?」
なんて聞いてくるわけないか。
私はバッグから指輪を取り出した。
どうしようかな…
捨てるのもなんだかな。
悩んでいたら、彼の気配が
慌ててベッドのマットレスの下に入れたら
コロン…と落ちる音がした。
おチビちゃんがバッグをあさって
無くしちゃった事にしよう。
そう思ったけど。
無くしたからと、
新しいのを買われてもイヤだし。
そんな事をしたら、
同じ事が自分にも返ってくる。
凄くモヤモヤした
やっぱり、バカな事はやめよう。
ベッドの下から指輪を拾ってバッグに戻した。