コロナウイルス治療の漢方薬 清肺解毒湯 | 札幌中医学講座 漢方的食事で体質改善

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☆コロナウイルス治療の漢方薬 清肺解毒湯


中国では、今回の新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)の診療ガイドラインが政府機関から出されています。


新しい治療が試され、効果が出たら順次載せられていき、月に2回程度のペースで更新されてきました。


中医学 コロナウイルス治療
※この画像はわたしがかつて研修にはいった中医病院で撮ったもの(今回の記事とは関係ありません)


ガイドラインは、元々抗マラリア薬で現在膠原病に使われているクロロキンや、日本ではなぜか全く報道されない水素吸入(酸素と混交して吸入)など、使用・試用が勧められるすべての治療手段を網羅しています。


中医学による治療は、第3版から収載されています。




ガイドラインには、COVID-19治療の漢方処方として、複数の処方が、病気の進行度合いと病状によって紹介されています。


中でも、すでに日本で話題になっているのが、


「清肺解毒湯」


ですね。


名前をお聞きになった方もおいでかと思います。


今日の記事は、漢方薬に興味がある、または仕事として漢方薬に関わっている方にお読みいただく前提で書いてますので、ちょっとマニアックモードに入ります。




処方はこんな感じ。


清肺解毒湯

≪中国国家衛生委員会・国家中医薬管理局「関於推薦在中西医結合救治新型冠状病毒感染的肺炎中使用≫※日本で使われている漢字に直しています


[基礎方剤]※一日分量

麻黄9g、炙甘草6g、杏仁9g、生石膏15~30g(先煎)、桂枝9g、沢瀉9g、猪苓9g、白朮9g、茯苓15g、柴胡16g、黄芩6g、姜半夏9g、生姜9g、紫苑9g、冬花9g、射干9g、細辛6g、山薬12g、枳実6g、陳皮6g、藿香9g


※水で煎じて、朝晩食後40分以内に服用。服薬後お粥を飲むこと。


※熱感の有無・強さで石膏の量を加減する。


※3日で1クール。症状が改善したがまだ治りきっていない場合は第2クールを開始。症状がなくなったら中止。



そうなんです。


漢方薬を知ってる方がご覧になったら、


「麻黄甘石湯」と「五苓散」と「小柴胡湯」に、「射干麻黄湯」の方意が加わったもの


…・・と読めます。


射干麻黄湯といえば、言わずと知れた「寒哮」発作時の処方ですね。


なので、これを組み合わせれば……と思いますが、ちょっと待ってください。


よく見ていただきたいのは、


「生石膏15~30g」


です。


石膏15~30gですよ。


これは何を示しているかというと、「冷やさないとダメ」ということ。


メインは辛温解表ですが、COVID-19は肺に溜まる痰に見られるとおり「湿疫」なので、袪湿が必要です。


辛温解表に袪湿となれば、熱を持ちやすい!


なので、しっかり清熱して、「化熱」を防ぐ/治療する必要があるのです。


また、よく見ていただきたいポイントは、


・藿香……「疫」毒を分解


・山薬……「補気健脾養腎」で治療に耐えられる身体を維持(気・陰)


・枳実、陳皮……気の巡りを整えて咳や胃腸の動きを改善


といった、「脇役」に見える穏やかな生薬が、実はものすごくよい働きをしているというところです。


なので、日本でエキス剤でチャレンジしようというときは、こうした脇役に見えてるけど大事な部分も組み入れていただきたいと思います。




湿邪メインの病気なので、寒湿となりやすいですが、これから気温が高くなるので、湿熱へ進む例が増えるでしょう(化熱)。


また、病と闘う過程で陰を消耗してしまう危険を考慮しておかなければなりません(化燥)。


清肺解毒湯は、起こりうる変化を予測し、可能な限りそれを防止する処方構成になっています。


この、「起こりうる変化を予測し、可能な限りそれを防止する」とは、中医学の理念のひとつ、「未病先防」「既病防変」に他なりません。


この処方を参考にお手当しようと考えるすべての方は、ぜひこのことを考慮して当たってくださいね。




今日の記事はかなりマニアックでした。


とくに、わたしは普段処方解説はあまりしないので(もっと優れた先生方が多い分野なので)、驚かれた方もいるかな。


(漢方を勉強したてで面白い盛りの薬剤師の先生方が、やっちまわないように老婆心で書きましたよ)参考にしてね。















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