☆「漢方好き」がお客さまを治せない理由
わあ。
のっけから、すごいケンカ腰……。
今、わたし、「業界」にケンカ売っちゃった!?
わたしはもう何年も漢方相談を取り入れている薬局・薬店のご店主さま向けの講座講師をお引き受けしていますが、そこでたくさんの先生方とお会いして、発見したのです。
彼ら、彼女らが、お客さまの不調をうまく治せていない理由を。
端的に言って、お客さまの不調を治せないのは、不調が起こる仕組みを知らないから。
さらに、症状の読み取り方を学んだことがないから、なんですね。
大体、漢方相談を取り入れてみようと思われる先生方って、例外なく
漢方薬好き
なんですよ。
(当たり前だけど)
で、漢方薬は大好きなので、漢方薬の構成とか、出典とか、漢方薬の勉強はいっぱいするの。
だから多くの漢方薬メーカーも、漢方薬の話をすれば漢方好きの先生が集まるの分かってるから、漢方薬の話ばっかりするのよね。
漢方薬の話ありきだから、
「この漢方薬の処方構成はこのようになっていまして、生薬●●と■■の薬対が……」
から始まって、
「以上の通り、この漢方薬は、~~~~~いうひとの、~~~~~~という症状に効きます」
なんて、効果の出る典型タイプを説明して終わるのね。
「典型タイプ」なんて、お店に来ないから!
わたしも、漢方相談を始めた頃、こうした「漢方薬の話」から出発する数々の勉強会や本でひたすら学びました。
が。
いくら学んでも、実際にお店にお越しになるお客さまは、どの方も「~~~~だったら●●湯」の前半の「~~~~だったら」にピッタリあてはまりません。
困りました。
ビミョーに●●湯っぽいような気もするけど、■■散が合うらしいこういう部分もある。
そんなんばっかりでね。
しかも、店頭でご紹介できる漢方薬の種類にも限りがありましたし。
10年くらいやった頃、「もうわたしに漢方相談なんてムリなのかもしれない……」とあきらめそうになりました。
「漢方薬好き」が漢方薬ばっかり勉強してると、こういう壁にぶつかるのです。
じゃあ、わたしは、どうやってこの壁を乗り越えたかって?
はい、「中医学」を学ぶことによって、でした。
中医学の習得法では、イキナリ漢方薬から出発することはありません。
まず、世界の仕組み、身体の仕組みから始まって、正常な働きとはどんなもので、不調になるとはどういうこと……、どうやって治す……
そんな話から始まります。
これを、「中医基礎理論」と呼びます。
身体の仕組みや、不調がどうやって起こるかを知らないで、それを治すことなんてできませんものね!
基礎理論を学んで、正常と不調を学んだら、次は不調の読み取り方です。
まず全身の様子を見て、顔色を見て舌を見て。
どんなときにはどういう症状が現れるのか、どういう不調のときにはどんな変化が起こるのか、物語(ストーリー)で理解します。
こうこう、こんなことがあったから、今、これ、これ、これという症状が出ている。
出ている症状から、この「こうこう、こんなことがあったから」を読み取れれば、それを解除するお手当をすれば治る。
この、不調の読み取り方は、「中医診断学」で学びます。
結局、治せてない先生方は、漢方薬が好きすぎて、基礎理論や診断学への興味が薄いんです。
だから、ひとわたりサーッと見て、「もういいかな」とスルーしちゃう。
必要な知識がぼんやりとぼやけてるから、何年やってても腕が上がらない。
現実の、日本の実情は、こんなもんです。
だから、これから学ぶみなさん。
「中医基礎理論」と「中医診断学」をしっかり学んで、その先に漢方薬を学んでいけば、既存のみなさん方を追い越すことができますよ。
「わたしなんかが漢方相談なんて……」と思ってる、謙虚で熱心な方の方が、かえって基礎をおろそかにせず、バリバリお客さまを治していける、凄腕の先生になれるかもしれません。
あ。
これ、わたしが自分の経験から収集したデータによるものなので、「薬局・薬店のご店主さま方」についてお話ししてますが。
多分ドクターも同じようなものだと思いますよ。
もちろん、薬剤師・登録販売者・医師、どのカテゴリーのみなさんも、マジメに中医学を基礎から学んで、患者さんを治せてる先生は存在しますから。
そこだけ、誤解のないようにお願いしますね。


