ペルー料理店に、初めて行った。

とっても美味だった!

内装も、ペルーが感じれられて素敵。

 

お会計時、ふとレジ横の壁にある写真が目についた。

 

マチュピチュ。

 

 

いいなあ・・・憧れる。

インカ帝国。ロマンだわ。

遺跡に立ったら、どんな感じだろう?

 

行ってみたい。

来年でもいい。

ハードな海外旅行ができるのは、あと10年かもしれないから。

 

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成田山へ行ったのは、

関東近郊で紅葉がきれいと、ネットに出てたから。

 

↓秋の成田山公園。 風情がある。

 

 

わたしが「行きたい!」と騒いで

はらぺこくんが、つれて行ってくれた。

 

もっとも彼は

「うなぎ食べたいな~」

って、食欲優先。

成田は、うな重が名物なのですね。

 

 

ところが、行ってみたら

もう紅葉は終わっていた。

冬枯れの寒々とした木々と

足元には、茶色に乾いた落ち葉たち。

 

「あ!あそこにちょっとだけ、紅葉あるよ!」

ほんの少し残っているのを見つけては、ささやかに鑑賞。

でも「これじゃない」感は、否めない。

 

12月の空気は冷たくて、体の芯が冷えるよう。

 

袖にひっこめた、はらぺこの手をまさぐって

ぐいっと、つなぐ。

 

「冷たっ!」

不満そうな声をもらす、はらぺこくん。

 

わたしの指先、すごく冷たくなっていたから。

はらぺこくんの手はいつもどおり

ぷくぷくして、温かい。

 

「えへ♪ あったかいんだもーん」

 

かわいげを出してみたけど

おや・・・言葉がぽつんと、宙に浮いた。

はらぺこくん、本気で迷惑そう。

 

それでも、池の周りを散策して、庭園を楽しむ。

けっこうアップダウンのある広い庭。

運動になるね、なんて言いながら歩いた。

 

メインの大塔に到着。

 

「のぼってみたい!」

 

「・・のぼるの?」

言葉すくなに、階段を見上げるはらぺこくん。

 

 

たいした階段じゃないけどなぁ。

 

「きつ・・・」

 

階段をのぼりながら、もらすはらぺこくん。

わたしたちより年配の方もけっこういるけど・・・

 

大塔の内部には展示があって、それなりに楽しめた。

 

「お腹すいたね」

 

「うなぎ食べに行こっか」

 

公園から、成田山新勝寺の参道の方へ歩く。

 

風情のある街並み。

うなぎの焼ける煙が立ち上り、

観光客で活気がある。

 

 

ところが、どこもインバウンド価格?

うなぎ丼でも3000円台後半。

うな重なら5000円、6000円。

 

メニューの看板の前で立ち尽くす。

「うーん、もうちょっと見てみよっか」

 

どんどん参道を下って、さびれた方へ。

 

指先が冷たくなってきて

はらぺこくんの袖の中をまさぐろうとすると

カメさんみたいに、引っ込める。

 

「やめよう。

 そんなにまでして食べなくていいや。」

最後のお店の看板を見て、はらぺこくんは言った。

きっぱりと。

 

そこで、参道を引き返して

天ぷらそばやうどんもあるお店に入った。

 

高級感のあるきれいなお店。

看板メニューはうなぎだったけど、天丼を頼んだ。

 

「うなぎを頼まないと、

 貧乏だと思われるかな」

はらぺこくんが、にやっと笑った。

 

周りをきょろきょろ見回すと

うなぎを食べている人が多い。

でも、唐揚げ定食の人とかもちらほら。

 

「大丈夫だよ!」

と、わたしは笑った。

 

天丼はとても美味しかった。

「おいしい!おいしいね!!」

明るく、そう言った。何度も。

 

「外人ばっかりだな」

はらぺこくんが、少し顔をしかめる。

 

お客さんも外国人の団体客が多かったし

店員さんも、インド人風の男性だったから。

給仕のとき、浅黒い腕と毛が目に入った。

でも、とても礼儀正しくにこやかな人だったよ。

 

車での帰り道、

道端にある車のディーラーが目に入る。

 

「あともう1回、できれば2回は

 車、買い替えたいな~」

と言うはらぺこくん。

 

彼は車好きで、ときどきディーラーで

試乗させてもらうのを楽しむらしい。

 

「いいね!まだ20年くらい乗るでしょ?

 2回乗り換えたらいいじゃない?」

 

すると

 

「いや、無理無理。

 だって、お金ないもん。

 ほんと、老後、どうなるんだろ」

 

なんかなぁ

最近、老後の話になる。

年代的に、ホットな話題なのだけど。

 

わたしも老後には不安要素がいっぱいだけど

 

でも、マチュピチュにも行きたいんだよ。

 

この人は、ほんとに

狭い範囲にいるのが好きな人なんだな。

 

地理的にも、経済的にも。

 

慣れ親しんだ、安心な範囲を

決して出ようとしない。

 

未知にワクワクするよりも

未知がこわい人なんだ。

 

 

はらぺこくんは

ぜったい、マチュピチュへ行かない。

 

お金がないのもあるけれど

そもそも

彼は、南米なんて遠いところへ行きたくないし

ハードな道のりなんて、ノーサンキュー。

マチュピチュは高山病のキケンもある。

 

 

彼が、泊まりの旅行ができないとか

金銭的に余裕がないとか

そういう条件面とは別で

 

はらぺこくんは、そもそも

冒険がまったく好きではない人なのだ。

そういう性格。

 

ふむぅ

わたしは、なんで彼とつきあってるんだっけ?

この人といる限り

関東近辺をうろちょろして終わる。

 

いやまあ、行きたい所へは

ひとりで行くか、他の人と行けばいいのだけど

 

でも、去年ハワイひとり旅行をして

ひとり旅も好きだけど

やっぱりパートナーとも旅したいって

強く思ったんだった。

 

元夫とたくさん旅行したときの思い出が

わたしの中にある。

 

中米、中近東、ロシア・・

メキシコのテオティワカンとチェチェン・イッツァーは

最高だった!

ピラミッドに寝転ぶわたしを元夫が写真に撮ってくれた。

 

あんな人は、なかなかいないのかも。

元夫自身、未知が好きな性格な上に

わたしに引っ張られるのが好きな人だった。

 

でもね、あれはあの時の出会いだったからこそ。

50代の今では、

健康に不安を抱える人も少なくない。

仕事でも重責を負う世代だから、

遠出の旅行も簡単じゃない。

 

考えればわかる。

わかるんだけど・・・

 

わたしは、パートナーと

また、未知の旅行がしたいなぁ。

 

マチュピチュ、エジプト、モロッコ・・・

 

でも、はらぺこくんにそれを求めるのって

彼を変えようとすること。

変わってくれないからと、不満を抱くわたし。

 

お門違いも甚だしい。

 

なのに、未来がふくらまないがっかり感は、

どうしたらいいんだろう。

 

 

 

 

(おしまい)