アシスタントとして入ったバイト先。

久しぶりの「同僚」と

日々コミュニケーションするのが

楽しくて、

男性社員がいることも彩りだった。

 

でも、「しょせん私はバイトのおばさん」

そういう自己イメージだった。

 

オフィスには、

花が咲き誇るような20代女性や

艶のある30代の若いママさんとか

たくさんいて。

 

彼女らはとてもまぶしいけれど

同様にその道を通ってきた女性として、

懐かしむような、いとおしむような、

穏やかな落ち着いた気分だった。

 

彼女らの働きぶりも目の当たりにしていて、

1人1人、人として好きだった。

 

自分がその年頃だった時を思い出すと、

45歳の女性なんて

とてもとても大人で、

世代が違って見えてたもんだ。

 

だから、

「歳相応の人間力を発揮して、

”一緒に働けて心地よいな、楽しいな”

 って思ってもらえる年長者でありたい」

そんな心持ちで、働いていた。

 

あくまで「アシスタント」としての

就業だったし、

デキる女性であらねば、という

気負いも必要ない。

 

まさに、ちょっとホっとする

「観葉植物」みたいにいられれば(^^)。

 

 

ある時、

職場の飲み会に誘われた。

有志で集まる8人程度のこぢんまりした会。

 

新しい職場で人間関係を深めたい、

と思ってた私は、参加に手を挙げた。

 

飲み会には

色んな部門の男女が集まっていて

よく知ってる人もいれば

初対面の人もいた。

 

もともと共感するところがあって

入った会社なので

飲み会の場では

自然と打ち解けられて、楽しかった。

 

私はニューフェイスなので

雑談の中で、

プライベートなことも聞かれたりして

特に隠さず、普通に答えてたら

自然と、色々話す流れになった。

 

子どもが2人いて

フリーランスが本業で

ほぼシングルマザーなんだけど

離婚調停中、と。

 

すると、

「俺もバツイチで

 調停経験者だよ」

と、近くの男性が話しかけてくれた。

 

オフィスであまり見たことなかったけど

営業部門の人。

 

営業マンらしく、トークが饒舌で

見た感じもスマートだった。

「桜井さん」というお名前((仮名ね)。

 

「そっかー。川野っち、

 仲間じゃーん!」

と、すぐにあだ名で呼び、

「イエーイ!」と握手する。

そこは、ノリで私も「イエーイ!」

 

桜井さんの自己紹介では

歳は私より7-8個下で、

再婚相手を探して絶賛婚活中!

とのことだった。

 

今思うと、

桜井さんは、離婚のハートブレイクから

早く脱却したくて、勢い込んでたんじゃないかな。

 

その飲み会の場で、

電子タバコをふかしながら

「俺は前の職場にいた時がモテ期だった!」

と語り、

今まで関係した女性の数を

自慢??・・・自己申告する。

 

2ケタいってた。

 

へえー

こういう話って男同士では

時々するんだろうけど

初めて聞いた。

 

そんで、30代で2ケタって・・・

多いの?少ないの?普通なの?

 

でも、2ケタの彼女と今まで

付き合ってきた、ってことは

さすがにないだろう。

 

なるほど、

付き合わないけど

そういう関係になるのだね。

 

20年以上

夫のみとつきあってきた私は

たぶん、けっこー世間知らず。

 

「ほー 話には聞くけど

 こういう人、普通にいるんだぁ。

 別世界の人だなぁ。」

と思った。

 

それにしても・・・

お酒の席だとしても

女性の経験数を「自慢ネタ」と

捉えているこのヒト・・・

 

私とは、センスがぜんっぜん合わない。

 

冷ややか~なまなざしを

心の中では向けつつ、

人懐っこく、会話上手な彼と、

なんとなく、その場はそこそこ盛り上がる。

 

飲み会の後

「俺、この後、次もあるんで」

とタクシーで消えた桜井さん。

婚活にいそしんでるなぁ。

 

あーいうの、「女性慣れしてる」って

言うんだろうな。

女性に対して緊張がなくて

自信が伝わってくる。

で、「恋のドキドキ感」みたいな空気を

作るのが上手い。

 

私の人生には、縁がないタイプ~

歳も離れてるし!

そんな、ファーストインプレッションで終わる。

 

その数日後、

オフィスの作業台で立ち仕事をしていたら

すーっと桜井さんが

やってきた。