心地良い時間

ずっとこの人とゆったりとした時間を

共にしたいと願っていた友人がお泊まりがてら

我が家をお尋ねくださった。

彼女の生誕地である九州の有田焼きの

器の数々を手にして。

我が故郷高知では

秋口に神祭(じんさい)と言う祭りがあって

村ごとに各家庭で皿鉢(サワチ)料理を

並べて振る舞うのだが

その器は厳かな九谷焼きで

今でも鮮明に目に焼き付いている。

有田焼きから派生した九谷焼きでもあり

テーブルに並べられた器は

我が琴線に触れる。

共に過ごした午後の3時から

翌日の10時ごろ迄の時間は

互いのリスペクトや気遣いが根底に流れ

なんとも言えない心地良い時間だった。

そして一年前に病を抱えていた

ご主人を見送り,

諸々の後始末を付けられた彼女のお顔は

柔和さが一段と深まっておられた。

おりしも

昨年植えたブルーベリーの幼木には

実が熟してくれている。

時の流れというは

自然界のみならず

人にも熟成を連れて来る。