ネットの利便性について一考 | Sleepy Scholar's Diary

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冬眠が好きな傾向は一生続く模様だが、一応、起きて
いる時には世界にも色々反応を示していきたいもの。

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確定申告の時期が終わったが、最近それにまつわることで
考えさせられたこと―「確定申告はインターネットで」と
いう呼びかけについて。

私はコンピュータが好きなので、もちろん確定申告が
ネットで出来るようになって喜んでいる一人だが、世の中の
どれぐらいの割合の人がその恩恵にあずかっている、或いは
その利便さを肯定しているのだろうか?

去年もであったが、今年も母が確定申告で税務署を
訪れた際に、「来年はネットをご利用下さいね」と窓口の
人に言われたと憤慨して戻ってきた。「ネットが使えたら
もう使っているわ!」という私の母・・・目が悪く、
テレビの画面でも30分も見るとその後1日ぐらいは頭痛に
悩まされてしまうのである。

数か月前に母のコンピュータの練習につきあったことを
このブログでアップしたが、結局、目の痛みがひどく
なったため、ギブアップしなくてはならなかった。
だが、そうした健康上の理由でコンピュータを利用できない
人が母以外にも世の中に沢山いるのではないかと思う。

健康上の理由以外にも、経済的な理由でコンピュータに
繋がっていない人もいるだろう。コンピュータだけ購入
しても、プロバイダなど色々と現代の機器を駆使するには
出費はつきものである。

もちろん、怠惰でコンピュータを使いこなせない場合も
あるかもしれないが、多くの場合は環境面・健康面で
無理なのではないかと推測される。

先日もバスの中で母よりも(おそらく)年上の方たちが
「税務署でネットで申告するように言われた」と不満を
漏らすのが聞こえてきた。携帯電話やコンピュータと共に
成長してきた世代とは異なるアナログ世代の人が、大勢
いるのである。健康な高齢者が多い時代になったとはいえ、
皆が皆、現代の機器に精通しているとは限らない。

近頃、ラジオやテレビでも「ホームページをご覧ください」
と言っているメッセージばかりが耳に届くが、それを
「ご覧」できない人たちは取り残されるばかり。そして、
取り残されるのは、努力をしない本人のせいだと言わん
ばかり。

税務署のような公の場では、あらゆる想定の状況にある
人々を考慮に入れて、施策も発言も行って欲しい。データ
として高齢者が多いこと、ネットにつながっていない人が
存在することは分かっているはずである。それをあたかも
見落としているかのように、不用意に「ネットを使え」と
言うのは優しさが欠如しているような気がしてならない。

もちろん、役所関係の人が「上から目線で」モノを言う
からこうしたことが起きる、と言っているのでは決して
ない。窓口では本当に親身になって来訪者の世話をして
いる係りの人がほとんどである。むしろ、この確定申告の
件に示されるように、社会全体がネットを使用することを
あらゆることの前提条件にしてしまっている、という
ことのほうに問題があるのだと私は言いたいのである。

若い世代には、コンピュータのスキルが生き残るには
必要不可欠であると声を大にして言いたい。しかし他方、
2012年の現時点では、そのスキルのない人が社会から
疎外されないような仕組みも用意する心遣いが必要だとも
思うのである。

ネットは便利なものである。だが、20世紀に「便利」だと
思われたもの ―例えば、電話、テレビ、洗濯機― などとは
違う種類の利便性をもたらすものだということにも着目
しなくてはならないのだろうか。

私自身、この問題に解決策を持つものではないが、
自分がネットが使えるからといって、他の人も同様で
あるといった無神経な者にはなりたくないと感じるし、
より「簡単な」操作だけで済むコンピュータの誕生を
望んでいる。