今年も新学期が始まったが、去年までと違ってなぜか
緊張感に欠けている。学生たちは違う学生を教えるのだが、
教壇に立っても全くもって新鮮味を感じないし、教材も全て
変えているのに何か余裕がある。
歳をとったせいかと思っていたが、今日、履歴書を書いて
いて気付いた。今年は教壇に立って初めて、新しい学校で
教えない年なのだ。毎年、新しい学校での仕事が入って
いた(逆に言えば、どこかを辞めさせられた)昨年までと
違い、今年は担当のクラスは違えども、同じ学校にしか
行かなくて良い。
異動がないということは、こんなにも気楽なのかと初めて
気付く。フルタイムで働けば、学内でのゴタゴタがある
だろうから、それはそれで忙しいのだろう。しかし、非常勤で
新しい学校に行くと、そのたびに、交通機関のチェックや
学内の様子、他の先生の様子、そして、もちろん学生の
様子を新たに探らなければならず、これが大きな負担だ。
1年で辞めた、辞めさせられた学校などの場合、先の
ない仕事なのであれば、あれ程真剣に悩まなければよかった
と今、振り返って感じることが多々ある。適応するのに時間が
かかるタチなので、慣れた頃に辞めなくてはいけない場合
など、とても無念であった。
こうした生活を脱するべく、あるいは、さらなる非常勤の
仕事を求めるべく、毎年のように履歴書や業績書を書いて
いる私。今年は何通の履歴書を書くのだろう?ああ、不安。
3月の終わりにテレビで、ようやく仕事の内定をもらえた
大学生が履歴書を何百通送ったと言っていたが、あれ程
若い彼らが、あれ程苦汁を飲まなくてはいけないとは、
日本はどうなっていくのだろう。
20代の若者と私とは全然立場が違うが、不安定だという
ことには変わりはない。だが、20代では考えもよらなかった
仕事をし、教壇に立っても緊張せずに授業を行えるという
自分自身があるということは、ただ感謝するのみ・・・不安を
一つずつ乗り越えるしかないという気持ちにもさせられる。
「素晴らしき哉、人生」という境地に立つのは難しいが、
素晴らしき哉、異動なし、ぐらいは今の私には言える。
不必要なことにエネルギーを使わなくて良い今年、昨年より
良い仕事をしていきたい。