小出裕章氏による福島第一原発の現状評価 2013/8/23 | トリファラスキーのブログ

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学習塾を30年間経営。2009年5月にあろう事かパニック障害になり、うつ病も併発。日々肉体の衰えと戦いながら、アンチエイジング情報、健康情報等を勉強している。ブログを通じて、体験のまとめと、日々の思いやいろいろな情報発信、共有をして行けたらなーっと思っています。

▷ いよいよ、福島原発が持たない状況になってきた。東電の内部極秘情報では、原発がら待避命令がでたという情報もあるらしい。原発の立っている地盤も本来柔らかいようだ。高濃度の汚染水を処理する能力は今の東電にはない。アメリカの処理会社に依頼したらしいが、断られたという。
小出先生のラジオ放送での内容をまとめた記事があったのでぜひ読んでもらいたい

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◆   小出裕章氏による福島

第一原発の現状評価 

2013/8/23

2013/8/23 報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」における小出裕章氏の発言を「みんな楽しくHappy♡がいい♪」に掲載された文字起こしから抜粋

1. 何が何でも冷やし続けなければ溶けてしまうという、そういうものを相手に私たちは今戦っているのです。2011年3月11日の事故が起きて以降、とにかく大量に作ってしまった放射性物質が熱を出し続けていましたので、まずは冷やして溶けないようにしなければいけないという事が起こりました。

炉心を冷やそうとして水を外から入れているんですね。そうすると、水が汚染する事自身は避けられません。そして本来は炉心というものは原子炉圧力容器という圧力釜の中にあったのですが、圧力釜自身ももう溶けて穴があいてしまっていますし、その外側にあった、放射能を閉じ込める最後の防壁として設計された格納容器も、もう多分そこいら中で穴があいてしまっていて、いくら水を入れても全部漏れてきてしまう。

それで、漏れてきた水は何処へ行くかといえば、原子炉建屋の地下に溜まってしまったり、あるいはそこと繋がっているタービン建屋の地下に溜まってしまったり、あるいはさらにその外側に、トレンチとかピットとか立抗と呼ぶ地下のトンネルの様なものが張り巡らされているのですけれども、そういうところにずーっと溜まってしまってきていたのです。

それは2011年3月の段階で「すでに10万トンも溜まっている」という状態になっていました。4月の初めにその一部が、ピットというところから、海に向かってジャージャーと滝のように汚染水が流れている事が目に見えたのです。「これは大変だ」という事で、東京電力はそこを大変な苦闘をしながらふさいだのです。

コンクリートというのはもともと水を蓄える・漏らさないという力はありませんし、福島第一原子力発電所の場合には大きな地震に襲われて、そこいら中にひび割れが生じているはずで、目に見えなくても地下で汚染水はもうダダ漏れだったのです。もう2年半にわたってダダ漏れのままずーっと汚染水は漏れてきていたのです。

地下水というのはどこにでもあるわけで、コンクリート構造物がひび割れている限りは、中から外にも漏れるし、外から中にも入ってきてしまうという事は当たり前な事なのであって、地下水がどんどん中へ入ってきてしまいました。

だから「循環しています」と言っても、外から中へ入ってくるものを考えれば、どんどん増えていってしまうという事になってきてしまったのです。

2. タンクから漏洩した水の8000万ベクレルの正体は、私はストロンチウム90という放射性物質だと思います。そのストロンチウム90という放射性物質を、たとえば私がいる京都大学原子炉実験所から外に流そうとすれば、1リットル当たり30ベクレルを超えたらもう外へは流せません。8000万ベクレルですから、ま、約300万倍という、想像することも難しいほどの猛烈な汚染水というものが、タンクの中に溜まっているわけですし、どんどんそれが、毎日のようにたまってくるという状態になっているのです。

300トンで24兆ベクレルと言っても全然実感が湧かないと思いますが、24兆というのはですね、10を13回掛け合わせるというのが10兆という桁になります。広島の原爆がまき散らしたセシウム、あるいはストロンチウムというのは、10を13回掛け合わせた量です。広島原爆がまき散らしたセシウム137あるいはストロンチウム90と同じようなものを、今、漏らしたという事ですね。

それがただ300トンだと言っているだけであって、福島第一原子力発電所の敷地の中にはもうすでに43万トンもの汚染水が溜まっているのです。今私はもう、福島の敷地が放射能の沼のように思えてしまいます。

ストロンチウム90という放射性物質は、ベータ線という放射線しか出さないのです。ですからタンクという鋼鉄の容器に入っている限りは大きな被ばくをしなくて済むのですけれども、それが漏れてきてしまって、地面の上に水たまりになってしまっているという事になりますと、ベータ線もかなり空気中でも飛びますので被ばくをしてしまうという事になってしまいます。それを身体に付けてしまいますと、皮膚が被ばくをしてしまいますし、作業員の方々は十分に注意をしながら作業をしてもらいたいと思います。

300トンは、堰という、コンクリートでこぼれないようにしている構造物があるのですが、その中に残っているというものもあると思いますし、多分大部分はバルブから外に流れて地面に染み込んだんだと私は思っています。

今東京電力がやっているのは、ひたすらタンクにためようとして、これまで40万トン分ぐらいのタンクをつくってきたのですけれども、それも非常に応急的なタンクであって、溶接して作ったタンクではありません。鋼板をただボルトでつないでですね、間にパッキンが入っているというような応急的なタンクですので、今もうすでに漏れてしまっているわけですし、これからもどんどん漏れていくだろうと、私は思います。そして今もどんどん汚染水が増えているわけですし、東京電力は80万トン分までタンクを作ると言ってはいますけれども、いずれにしても敷地には限界がありますので、いつかは海へ流すことになってしまうと思います。

3. 汚染の現場に入る前の地下水を、汚染をする前に海へ流すことは私はやるべきだと思います。もうこうなってしまった限りは、少しでも汚染を少なくするしかないわけですから、それが本当にいいかどうかというのは疑問はありますけれども、でも、やるべきだと思います。

私は、今この場できちっとご説明できないと思いますが、もう水で炉心を冷却するという事を止めなければいけないのではないかと思うようになりました。

事故直後は海水でも良いし、海水もないなら泥水でもいいから、「とにかく水を入れて冷やしてください」というように私は発言もしてきたのですけれども、2年半たちまして、放射能自身も随分減ってきてくれていますし、発熱量も減っていますので、水以外の物質という事を考えて、これ以上汚染水を増やさないという事を考える時に来たと私は思います。

私は事故直後からヨーロッパの方々が忠告をしてくれたやり方なのですけれども、最近はまた日本国内の方も私にそういう忠告をくださるようになりましたが、「金属で冷やそう」という。具体的には鉛とかですね、ビスマスとか、そういう重金属の類を、多分溶けてしまって、どこかにあるだろうと思われている炉心のところに送ってですね、その金属の、冷却材というか、熱伝導を使って炉心を冷やそうという、そういう発想があるのです。

それが本当にうまくいくかどうかという事も私は確信は持てないし、これまでそんな事をやった試みも人類は経験したことが無いのですけれども、「水というやり方はそろそろ諦めるしかない」と私は思うようになりました。

4. 要するに、これまで日本の政府が福島第一原子力発電所の事故で、大気中に放出した放射性物質セシウム137という放射性物質を尺度にしていますが、168発分だと言ってきたんですね。でも汚染水の中にはそれの10倍以上のものがもうあるのです。それが今、海へ向かって流れようとしている訳ですから、それを何とか防がなければいけないという事が、私たちのやるべき仕事なのです。

でもやろうとすると、敷地の中全体がもう放射能で汚れてしまっていますので、その作業に携わって下さっている労働者の被ばくが毎日のように積み重なってきてしまっているのですね。ですから、なんとかその労働者の被ばくも減らしながら、海へ汚染水を流さないという、抜本的なというか、なにか別の方策を探さなければいけないのではないかと、私は思うようになりました。

もう炉心が溶け落ちて、3月12日には1号機の原子炉建屋が爆発しているわけですが、その時にはもう炉心が溶けている訳ですから、その時から炉心を冷やした冷却水というか、汚染水がすでにもうあふれていたわけです。で、3月末には敷地全体で10万トン分の汚染水が溜まっていて、私はその段階で「タンカーで汲みだしてくれ」と言ったんですけれども、やってもくれませんでしたし、
その時からずーーっと漏れています。

大気中に出したのは10を16回掛けた桁だと日本国政府と東京電力が言っているのですけれども、汚染水に出たのは、私は多分それに匹敵する位ではないかと思っています。

もっとも、私自身もそれを証明できるデータを持っているわけではありませんし、実際に環境の汚染がどれだけ生じているかという事も未だにデータがあんまり整っていませんので何とも言えませんが、ため息しか出ないというような事態に今なっていると思います。


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