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【お便り・ご相談】職場の人間関係がつらいです
今回のお便りは、
「職場で特定の人と関わるのが苦痛です」
というご相談でした。
お便りを送ってくださったKさんは、
相手は意地悪なわけではない。
けれど一緒にいるとどうしても気を遣いすぎてしまったり、仕事そのものは嫌いではないのに、その人のことを考えるだけで気持ちが重くなってしまう。
「自分が変われば相手が変わる、と聞くことがあります。でも、自分はどう変わればいいのでしょうか?」。
今回は、このお便りを読みながら私が感じたことを書いてみたいと思います。
◆人間関係の悩みは、自分を知る入口になる
人間関係に悩んでいる時、
私たちはどうしても相手を見ています。
「あの人がもっと優しかったら。」
「あの人があんな言い方をしなければ。」
「あの人が異動してくれたら。」
そんなふうに思うのは、とても自然なことです。
実際に理不尽な人もいますし、
どうしても価値観の合わない人もいます。
だから、「すべて自分の問題です」
と言いたいわけではありません。
ただ、人生を少し離れたところから眺めてみると、不思議なことがあります。
場所が変わっても。
職場が変わっても。
関わる人は違うのに、
どこか似たような人間関係にまた出会ってしまう。

もしそうだとしたら、あなたの人生はあなた自身の内側を見せようとしているのかもしれません。
それは、自分の中にある何かが、その人をきっかけに反応しているということです。
その反応の理由がわかってくると、人との関わり方も少しずつ変わっていくことがあります。
◆苦手な人は、人生が差し出した鏡とはいうけれど
例えば、
自己主張の強い人を見ると苦しくなる。
感情的な人と一緒にいると疲れてしまう。
何でも遠慮なく言える人を見ると、どこか腹が立つ。
その時、私たちは相手を見ているようでいて、
実は自分の中の何かが反応しています。
「私はそんなふうに振る舞ってはいけない。」
「ちゃんとしていなければ。」
「人に迷惑をかけてはいけない。」
そんな長年の思い込みや価値観が、
相手をきっかけに顔を出していることがあります。
人生は、とても遠回しです。
「もっと自分を大切にしてください。」
「もう我慢しなくてもいいですよ。」
そんなことを直接伝えてくれたら分かりやすいのですが、人生はあまりそういう伝え方をしません。
代わりに、一人の人を目の前に立たせることがある。
その人を見た時に、
イライラする。
悲しくなる。
怖くなる。
傷つく。
その感情を入り口にして、
「あなたの中には、こんな思いがありますよ」
と教えてくれることがあります。
だから私は、苦手な人は人生が差し出した鏡のような存在なのだと思っています。
鏡は私たちを責めるためにあるのではありません。
まだ気づいていない自分を映してくれるためにあるのです。
ただ、この鏡は
『自分が本当はやりたくて我慢していることを、相手がやることで教えてくれている』という鏡とは限らないのです。
また、Kさんは、仕事そのものは嫌ではないとのことですから、職場を変えるのは選択肢にはありません。
ただ、苦手な人との関係性をどうしたらいいものか?
と悩まれています。
◆私自身にも、苦手な人がいます
実は私にも、昔から少し苦手だと感じるタイプの人がいます。
ガサツな人。
がめつい人。
競争しようとする人。
以前、「どうしてこんなに苦手なんだろう」と振り返ってみたことがありました。
すると、子どもの頃の記憶が浮かんできたのです。
一人っ子だった私は、兄弟のいる友達の家へ遊びに行った時、おやつの取り合いを目の前で見たことがありました。
私はその光景が、とても悲しかったのです。
競争すること。
奪い合うこと。
強く出なければ手に入らないこと。
手に入れられなかった人を置き去りにできること。
そういう世界が、子どもの頃の私には、
とても居心地の悪い場所でした。
だから今でも、そういう雰囲気に出会うと心が反応します。
これは相手が悪いという話ではありません。
私の人生が積み重ねてきた感覚なのです。
だからといって、
「あなたもガツガツすればいい」とは思いません。
それは私らしさではないし、全くそう言うことを望んでいない。
そのように生まれてきていないと言いましょうか。
そして
私の望むやさしい世界ではない。
自分がどんな世界を心地よいと感じ、
どんな空気に疲れてしまうのか。
それが分かるようになってから、
人との距離の取り方はずいぶん楽になりました。
無理に相手を変えようとすることも、
無理に本来の自分を無視して自分を変えようとすることも減りました。
「私はこういう感覚が心地よい(安心安全を感じられる)」という選択をし、そうでないものを手放していくことでより軽くなろう。
そう受け入れられるようになったのです。
◆人生は、答えを少し遠回しに届けてくる
自分の反応の理由がわかっても、
苦手な人が急に好きになるわけではありません。
(ひょんなことから仲良しになる可能性もあります)
心が振り回されなくなることがあります。
「あ、この人が苦手なんじゃない。この人をきっかけに、自分の中の何かが動いていたんだ。」
そう思えるようになると、少しだけ心に余白が生まれます。
無理に仲良くしようとしなくてもいい。
無理に我慢しなくてもいい。
自分に合う心の距離を選べばいい。
そう思えるようになるのではないでしょうか。
そうすると、案外苦手だった相手にもいい面があると思ったり、ストレスなく関わり合えるようになったりすることも。
人生は時々、敵を送り込んでいるように見えて、
実は教材を送り込んでいます。
でも、その教材は相手を理解するためではなく、
自分自身を理解するためのものなのかもしれません。
自分をどう取り扱っていくかを知るため出会ったりもします。

今回のお便りを読みながら感じたのは、
相談者さんの人生もまた、人間関係という出来事を通して、
「あなたは、どんな人たちと、どんな空気で生きていきたいですか」
と、静かに問いかけているようだということです。
人生は、答えを直接教えてはくれません。
人を通して。
出来事を通して。
少し遠回しに、私たちへ語りかけてきます。
だからこそ、目の前の出来事を「問題」としてだけ見るのではなく、「人生からの手紙」として読んでみる。
そんな視点を持てた時、
人間関係の景色は少しずつ変わり始めるのかもしれません。
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