世の中には、誰かの心に寄り添い、
行く先を照らそうとする「対人援助」の仕事が溢れています。
例えば、私の界隈では
もちろん、医師や看護師、聖職者もいらっしゃいますが、
代表的なのは占い師、セラピスト、カウンセラー、
あるいはスピリチュアルな導き手。
私もまた長年これらに携わってきました。
こうした役割を担う人たちの言葉には
不思議な力が宿りやすいものです。
それは、相手を本来の姿へと還す
「祝い」にもなれば、
知らず知らずのうちに相手を縛り付ける
「呪い」にもなる。
実は、この違いを生むのは
「言葉のテクニック」ではありません。
発する側、そして受け取る側、それぞれの「意識のベクトル」がどこを向いているか。
そこが分かれ道になります。
◆ 鏡を磨かずして、誰かを照らすことはできない
誰かを導く立場にある人が、「呪いの言葉(恐れや不足を煽る言葉)」を投げかけてしまう時。そこには、発信者自身の意識の歪みが隠れていることが少なくありません。
「こうしないと不幸になる」「あなたはまだ足りない」
「こうでなければならない」「だからあなたはダメなんだ」
そんな言葉が口を突いて出るとしたら、
導く側こそが立ち止まり、自分自身に問いかける必要があります。
自分の意識は今、「フレキシブルで中庸」な状態にあるか?
相手をコントロールすることで、自分の不安を埋めようとしていないか?
不安や恐怖というものは時に人の感情を動かしやすく、依存を生みやすいため、お金になりやすいものです。
しかしそれでは本質的な助けではありません。
人に何かを申し上げる立場だからこそ、
まずは自分と深く向き合い、
意識を「自由」の方へ向けておくことが大切だと私は思います。
自分で自分を縛っているものが多ければ多いほど、誰かを自由にする言葉など、紡げないのではないでしょうか。
◆ 感情に寄り添い、その先の「真ん中」へ
人生には、どうしても避けられない痛みや、
理不尽な出来事が起こります。
そんな時、無理やりポジティブに変換して「これも学びだ!」と受け入れたり、無理にポジティブになって笑う必要はありません。
悲しい時は悲しいし、苦しい時は苦しい。
当人ならば、まずその感情を否定せず受け止めること。
相談を受ける側であれば、まず隣に座って寄り添うこと。
それが、自分や相手に対する最初の「祝い」です。
また相談を受ける側として大切なのは、「中庸(ちゅうよう)」であることだと感じています。
起きた事実は事実として淡々と受け止める。
その上で、状況の整理や解剖をして、「じゃあ、どうしたい?」「どんな未来を選びたい?」と、その可能性に目を向けて、相手の意識のベクトルを静かに真ん中へと向けられるようにしていく。
もし、自分に起きているならば、
これもまた、起きた事実は事実として淡々と受け止める。
そして、いつまでも自分を「被害者」という枠に閉じ込め、自分を縛り続けるような感情を持ち続けているとしたら……。
それは、誰かから言われた「呪い」、そこから出来上がった人生脚本を自分自身で更新し続けているのと同じかもしれません。
ある程度感情を味わい尽くしたら、いったん脇に置き、自分自身の幸せのために意識の向け方を変えていく勇気を持ってほしいのです。
相談を受ける側としては、その勇気や意識をどのように変えていくのかを共に考えていくことができるでしょう。
特に、人生の折り返し地点を過ぎた私たちにとって、時間は何よりも貴重なリソース(資源)です。
これから生きる時間は、これまで歩んできた時間よりも確実に短い。

その限られたエネルギーを、「誰かの不吉な予言」への対策や、「自分や誰かを責めること」に費やして良いのでしょうか。
「呪い」のベクトルとは
——恐れ、依存、不足……自分のハンドルを外側に渡す生き方。
「祝い」のベクトルとは
——可能性、自律、充足……自分の足で立ち、自分を信頼する生き方。
特に、占いやカウンセリングは、未来を固定するためのものではありません。今の立ち位置を確認し、自分でハンドルを握り直すための「地図」です。
私はセルフセラピー講座でよく言うのですが、
「人はまだ見ぬ天国より、住み慣れた地獄の方が楽だと思ってしまう」
ここで言う「楽」とは、ただ怠惰を意味するのではなく、結果的に自分を腐敗させてしまう選択のことです。
◆ いつだって、選ぶのは「あなた自身」
「この人はこう言っているけれど、私はどのベクトルでこの言葉を受け取っているだろう?」
そんな風に一歩引いた視点を持つこと。それが、あなたを自由にする最大の鍵となります。
呪いを信じるのか、祝いを受け取るのか。
その聖域のような選択権は、いつだって、あなた自身の手の中にあります。

どんな風に言葉や状況を受け取り、
どちらの方向を向いて生きていきたいですか?
限られた時間の中で、どんな景色を見ていたいですか?
私のセッションは、あなたが今抱えている感情にそっと寄り添いながら、心の「真ん中」を確認するための場所です。
もし今、何かの言葉に縛られて苦しいのなら、一度その荷物を降ろしてみませんか?
意識の矛先を「自分を祝福すること」へと向け直し、あなたがあなた自身の人生を、混じりけのない足取りで進んでいく——そのための支えとなれれば幸いです。
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