木曜日、病欠で休んでる後輩ちゃんの仕事を代行した。
あたしが計算した金額と、後輩ちゃんが先週、出した金額に、30円の誤差があった。
「これは、後輩ちゃんが出社してから、審議だわ」
そう思って、置いて帰ってきたけれど。
金曜日の夜、シャワーを浴びながら、ある疑惑が頭をよぎった。
もしかして、給与計算に使っている資料、
「令和8年分」じゃないかも?
いや、そんなはずはない。
日記を見返す。
「今日から、こっちの表を使うことに気がついた。セーフ」
そう記載している。
大丈夫。
あたしが使ってる資料は、令和8年分だ。
そう言い聞かせても、不安がつのる。
「こんな状態で、三連休を過ごすなんて嫌」
眠れない夜を過ごして、会社に向かった。
電車の中で、心臓のバクバク度が、どんどん上がっていく。
最悪のことが頭をよぎる。
――もし、間違っていたら。
いつから計算を間違えていたのか遡り、
何人分、間違っているのか洗い出しをして、
再計算して……。
考えただけで、気が遠くなる。
――その時は、その時。
腹を括って、自分のデスクに立てかけてある資料を手にした。
目に映ったのは、
「令和8年分」
という見出し。
――良かった。
椅子に崩れるように腰を下ろした。
最悪の事態は、免れた。
これで、三連休を不安なく過ごせる。
そう思ったら、変な汗が出てきた。
そして、涙も。
汗と涙を、30年愛用してるハンカチで拭きながら、帰路に着く。
――ご褒美にハーゲンダッツ、食べていいよね。
自分で自分に許可を出して、コンビニに寄った。
あまじょっぱいアイスを噛み締めていて、思い出した。
――あ、彼からのLINE、見てへんだ。
By 水野美加
⬇こちらの記事も読まれてます⬇
⬇リピ買いしてるモノたち⬇



