母は、あたしが幼い頃から、
「ゴミが多い家は貧乏や」
と、ことあるごとに言っていた。
お菓子を食べれば、
「その包み紙、ちゃんと小さく畳み」
と言われる。
あたしは言われるまま、個包装のお菓子の包み紙を、せっせと小さく折りたたんでいた。
でも、心の中ではいつも、
「……根拠を示せよ」
と思っていた。
ゴミが多い家と貧乏に、いったい何の因果関係があるのか。
幼いながらに、そこだけは納得できなかった。
そして、何十年も経った今。
お菓子を食べ終わる。
包み紙が手元に残る。
するとあたしは、何も考えずに、それを小さく折りたたんでいる。
誰に言われたわけでもない。
「畳まなきゃ」なんて思ってもいない。
ただ、手が勝手に動く。
……結局、根拠はいまだに分からない。
母の言っていたことが正しかったのかどうかも、分からない。
ただ、
包み紙を小さく畳む癖だけは、しっかりあたしの中に残っている。
子どもの頃のあたしは、母の言葉に納得していなかった。
でも、身体は納得していたらしい。
ちなみに今でも、
包み紙を畳みながら思う。
……で、根拠は?🤣

By 水野美加
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