今、アメリカの若者の間で仕事に対する価値観が大きく変化している。
多くのホワイトカラー職がAI(人工知能)に代替されるリスクに直面した結果、アメリカの若者たちは、大学卒業後、再び職業訓練校の門を叩いているそうだ。
なぜなら、現場作業を主体とするブルーカラーの仕事は人手不足で賃金が高騰しており、AIに奪われる心配が少ないからだという。
高給待遇のブルーカラー
これまで、ホワイトカラーの賃金はブルーカラーを上回っていたこと、そして肉体的な負担も大きいため、ブルーカラーは敬遠されていました。
しかし、近年では、深刻な人材不足が起き、今やブルーカラーの賃金は大幅に上昇し、「ブルーカラー・ビリオネアー現象」も起きているようだ。
その結果、米国ホワイトカラーの62%が、より高い収入と安定性を求めてブルーカラー職への転職を検討しているという。(Newsweek)
対岸の火事ではない日本の現状
この変化は、決してアメリカだけの話ではありません。
日本でも、建設業界などを中心に現場作業員の人手不足は深刻化しており、多くの大型プロジェクトが停滞する事態を招いています。
東京の新宿、渋谷、中野などで進む大規模な再開発プロジェクトも、人手不足とそれに伴う労務費の高騰、さらに建築資材コストの上昇という三重苦に直面し、計画の停止や見直しを迫られています。
大企業信奉が崩壊
日本の大学進学率は約60%にのぼり、その多くがホワイトカラーとして企業や役所に就職します。
「受験戦争を勝ち抜き、良い大学に入り、大企業に就職すれば安泰」という日本社会の成功方程式は、もはや過去の遺物になりつつあります。
現在、多くの企業がAI導入による業務効率化を模索しています。
これまで人間が担ってきた事務職をはじめとする定型業務は、早々にAIに置き換えられていくことになるでしょう。
また、大企業に勤めていたとしても、付加価値を生み出せない「指示待ち社員」は、AIによって淘汰されていくことは間違いありません。
企業経営者は「人間はより付加価値の高い創造的な仕事にシフトすればよい」と簡単に言うが、それはこれまで定型業務を担ってきた多くのホワイトカラーが職を失う現実を示唆しています。
米国では、すでにAIリストラが現実に起こっており、いずれ日本にもその波がやってくるでしょう。
社会の価値観を変えるとき
一方、介護、看護、物流、農業、建築といった、私たちの生活に不可欠な現場で働く人々が、その労働に見合った正当な報酬を受け取れていないのが現状です。
このような現場で働く人々を正しく評価することで、AIによって職を追われたホワイトカラー人材の受け皿となり、社会全体の安定につながることが期待されます。
新しい時代の「勝ち組」とは
最近、トランプ大統領が世界中から生産工場をアメリカに誘致しようとしているのも、多くの仕事がAIに奪われる未来を見越して、ブルーカラーの雇用を確保する狙いがあるように思えます。
「学歴」よりも、AIに代替されない「希少性」が価値を生む時代が、もうそこまで来ています。
これからの社会を生き抜く「勝ち組」は、大企業や公務員として勤める有名大学卒のエリートではなく、「手に職をもつ希少性の高い人」なのかもしれませんね。
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