前回の記事 残念なリマインダー1 ~怒られた記憶~ に続いて、もう一つリマインダーの話題です。
私は、小さい頃から今でもずっと、食べ物をよく噛んで食べることができません。
いつも、あまり噛まずにすぐ飲み込んでしまいます。
小学生の頃、ある日突然、母がやたらと「よく噛みなさい」と言うようになりました。
どうやら何かの講演会で、よく噛んで食べると体に良い影響がある、という話を聞いてきたようです。
私は、噛むことの効用(唾液の効果や、脳に与える影響など)を何度も何度も母から聞かされました。
それでもなかなか、よく噛んで食べるようにはなりません。そして母も諦めません。
そのうち、テーブルに「50回噛む。ガン予防」と書かれた1枚の紙が貼られました。
・・・これは、とても大変です・・・。
私はひたすら数えます。1口食べ物を口に入れる度に50回数えます。
数を数えることに集中しているため、ろくに会話はできません。
味覚にまで神経が回らないので、味もよく分かりません。
こんな紙は無視すればいいのですが、テーブルに貼られているためどうしても目につきます。そして数えます。
この紙がテーブルに貼られて以降、私にとって3度の食事はただ50回数えて噛むだけのものになりました。
そんな日々がしばらく続いた後、部屋の模様替えでテーブルを新しく買い替えることになり、古いテーブルと一緒にこの紙も無くなりました。
そして「50回噛む」と書かれた紙から解放された私は、またすぐにあまり噛まない食事に戻ってしまいました。
私はモノにつられやすく、自分にとって魅力的なモノ(エサ)があると俄然やる気が生まれることが多いのですが、今のところ私自身に「噛む回数を増やしたい」という気持ちがなく、動機(エサ)もないので、取り組もうというやる気が起こらないのです。
単純に母と同じようなリマインダーを作れば、また50回噛んで食べるだろうなとは思いますが、食事をしながら子どもと話をすることはできなくなると思います。
本人に何か身に付けさせたい課題があり、そしてそこに何らかの壁がある時、
できないのか(課題のレベルが高い)、分からないのか(課題のやり方が理解できない)、やらないのか(課題をやる動機がない)、本人のどこに壁があるのかを見極めなければなりませんが、そもそも絶対に今取り組まなければならない課題なのか?という問題もあるような気がします。
課題の遂行に困難がある時、絶対に必要不可欠なものでなければ、いったん時期をずらしたり、課題そのものを諦めてしまってもいいんじゃないかなと思います。
それにしても私の母は、一体あの時何の講演会に影響されたのでしょうか。
「50回噛む。ガン予防」と書いていたところをみると、健康に関する講演会だったのだろうと思いますが、小学生の私に「ガン予防」は、動機付け(エサ)としてはかなり弱かったな・・・と思います。
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