備忘を兼ねての紹介です。
これは専門向けなので、
一般の方には難解です。
しかも信託分野は、専門家でも
難解な分野だと思われます。
(私も含めて。まだ未解決分野も多い?
今回これで論点の1つが
決着したとも言えます。)
ざっとの解説ですが、
最近、家族信託という制度が
知られるようになりました。
これの登場人物は、三者で、
委託者(業務・管理を託する人)、
受益者(利益を受ける人)、
受託者(業務・管理を託される人)
ですが、委託者が存命中は、実務上は
まず、委託者=受益者なんです
(そうでないと贈与税がかかる)。
そして、こういう条文があります。
第164条 委託者及び受益者は、
いつでも、その合意により、
信託を終了することができる。
3(項) 前二項の規定にかかわらず、
信託行為に別段の定めがあるときは、
その定めるところによる。
(2・4項は略)
そうすると、委託者=受益者ならば、
すぐ合意できてしまうので、
受託者の意向にかかわらず
終了できてしまいます。
それで、一応法律は上記の通り、
信託契約で「別段の定め」を
置くことも3項で認めているのですが、
この終了規定をも排除できるか
どうか、という争いでした。
高裁は排除可能としましたが、
最高裁は原則不可としました。
(アバウトな言い方です。)
まあそういう話でございます。
なお、一応、こちらで知りました。
民事信託に関する超重要な最高裁判決が出たようです。https://t.co/ovE4PSD7Xu
— 信託の学校 (@schooloftrust) June 23, 2026
事件番号 令和6(許)30
事件名 受託者解任申立て却下決定
に対する抗告棄却決定
に対する許可抗告事件
裁判年月日 令和8年6月17日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 決定
結果 破棄差戻
判示事項
1 委託者兼受益者と受託者との
間で締結された信託契約に設けられた
信託法164条1項の適用を排除する
旨の条項が、同条3項所定の別段の定め
として効力を有するというためには、
上記条項が信託の目的の達成のために
合理的に必要と認められることを要する
2 委託者兼受益者と受託者との
間で締結された信託契約において
信託法164条1項の適用を
排除する旨の条項が設けられた場合に、
委託者兼受益者が上記信託契約に係る
信託の終了を申し入れたとき、
受託者が上記条項を理由として
上記の申入れを拒絶し任務を
遂行することが許されるためには、
受託者の当該行為が信託の目的の
達成のために合理的に必要と
認められることを要する
全文
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-96463.pdf