駅の近くでメイン通りから一本外れたところに一軒の古い
やきとん屋さんがあっただす。昭和って感じでガラガラの
引き戸。その戸には格子が入っていて擦りガラス。
営業時間になれば、大きな赤い提灯が下がるだす。
一見、柄の悪そうなお客がいそうにも。。そんなんで
お店の前を通ることがあってもなかなか入らなかったお店。
でも、おにいちゃんはやきとん好きなのである日、お店に
入ってみただす。夕方4時から営業、日はまだ高い。
がらがらと引き戸を開けると。。『いらっしゃいまし』
小柄だすが恰幅のいい、おやじさまがカウンターの中から
ごあいさつ。お店の中は確かに古いし。表から想像できる
感じ。丸い簡易のイス。
カウンターの前につきだしたテーブルには一定の間隔で
箸入れや七味が置いてあるだす。どこにでもある光景だす
ニンニク入れてヤキヤキ
明太子を乗せて食べるだす
レモンやすだちをぎゅっと。。
だすが、普通のお店ではなかっただす。学生らしいアルバイト
ささっと傍にきて「いらっしゃいませ。御注文をお受けします」
ひょえ?大将といい、このアルバイトといい、お店が醸し出す
雰囲気といい上品だす。ええと、、などと言ってカウンターに
座っている人たち見ると彼らも穏やかな人々。。
お店ってお客で決まるっていうけど、本当だすね。そして
そういうお客を呼ぶ大将が大事というのも本当だす
なにしろ、礼儀作法にうるさい大将、アルバイト生も代々、
(近くに大学があるだす)その大学の後輩たちに引き継がれ
お客はその大学の教授やらサラリーマンたちが殆んど。
もちろん、やきとんのお味はバツグン。お値段も一本80円
くらい。おしんこやら冷やっこなどもあるだす
お勘定を済ませ「御馳走さま」って言うと
「ありがとう存じました」と大将の声。
アルバイトがたまたま、下げるお皿を落としちゃった時も
アルバイト生もむちゃくちゃ謝っただすが大将も
「そそうをして申し訳ございません」と言っただす。
奇麗な日本語、お客だってなんかいい意味で背筋が
伸びる感じ。大将は無駄口はきかないだすが、こちらから
話すことには丁寧答えるだす。いつも楽しい時間をそこで
過ごしただすが、大将の持病と歳ということでお店は閉じた
だす。残念だすが、美味しい思いもしたし、お店から色々
学んだことも多かっただす。
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