3/18の朝に私は知ったのですが、トランプ政権の中でテロ対策を担当されていた国立対テロセンター(NCTC)長官、ジョー・ケント氏が トランプ大統領のイラン戦争に反対していきなり辞任をされました。

 

ジョー・ケント氏、NCTC長官、イラン戦争反対

(上の写真はWikipedia英語版を日本語に変換したものから挿入)

 

今回は このジョー・ケント氏が辞任の際に公開した手紙の内容が なかなか衝撃的なので、それをご紹介したいと思いますが、まずは簡単に、彼の経歴をご紹介します。↓はChatGPTによるものです。

 

ジョー・ケント氏の経歴、軍人・政治家

ジョー・ケント NCTC長官の役割

ジョー・ケント氏の辞任理由:イラン戦争はイスラエル圧力

ケント氏、戦争に反対し異議を唱えた

ジョー・ケント氏、イラン戦争反対で辞任

 

今回、ケント氏が辞任の際に公開した手紙がかなり波紋を呼んでいますので、和訳でご紹介したいと思います。

 

下はインドのメディアが紹介しているその手紙を紹介している記事です。

 

ジョー・ケント氏、イラン戦争反対で辞任

 ↓(日本語に変換したもの)

 

ジョー・ケント氏、イラン戦争反対で辞任

'Iran war started under pressure from Israel': US counter-terror body chief Joe Kent in resignation to Trump | Full text

 

(和訳開始)

 

イラン戦争はイスラエルからの圧力の下で始まった:米国対テロ長官ジョー・ケント氏がトランプに辞任表明/全文

「私たちがイランで何をしているのか、誰のためにそれをしているのか、あなたが熟考することを祈ります...あなたは方針を転換し、私たちの国のために新しい道を描くことができます。」とケントは書いている

 

ジョー・ケント氏:元対テロセンター長官

 

米国家テロ対策センターのジョセフ・「ジョー」・ケント所長は火曜日に辞任した。これは、ドナルド・トランプ大統領のイランとの戦争決定に対する不満から辞任した、初の著名な人物の辞任となった。

彼の手紙の全文はこちらです
 

 

ジョー・ケント氏の辞任書

トランプ大統領

 

熟慮を重ねた結果、本日付で国家対テロセンター所長の職を辞任することを決定いたしました。

 

良心に照らして、イランで続いている戦争を支持することはできません。イランは我が国にとって差し迫った脅威ではなく、この戦争はイスラエルとその強力なアメリカのロビー活動からの圧力によって始まったことは明らかです。

 

私は、あなたが2016年、2020年、2024年の選挙運動で掲げ、最初の任期中に実行した価値観と外交政策を支持します。2025年6月まで、あなたは中東での戦争が、アメリカから愛国者の尊い命を奪い、国の富と繁栄を枯渇させる罠であることを理解していました。

 

最初の政権において、あなたは現代のどの大統領よりも、際限のない戦争に巻き込まれることなく、いかにして軍事力を断固として行使するかを的確に理解していました。カッサム・ソレイマニ(ISと戦っていたイラン革命防衛隊コッズ部隊の司令官)を殺害し、ISを打倒したことで、あなたはそれを証明しました。

政権発足当初、イスラエルの高官と影響力のあるアメリカメディア関係者は、あなたの「アメリカ・ファースト」政策を完全に損ない、イランとの戦争を促すための好戦的な感情を煽る偽情報キャンペーンを展開しました。この情報操作によって、イランが米国にとって差し迫った脅威であり、今すぐ攻撃すれば迅速な勝利への道が開ける、とあなたを欺こうとしたのです。これは嘘であり、イスラエルが私たちを悲惨なイラク戦争に引きずり込み、数千人もの優秀な兵士の命を奪ったのと同じ戦術です。私たちは二度と同じ過ちを繰り返してはなりません。

11回も戦闘に派遣された退役軍人として、またイスラエルが引き起こした戦争で愛する妻シャノンを失った戦没者遺族の夫として、私は次世代を戦場に送り込み、アメリカ国民に何の利益ももたらさず、アメリカ人の命を犠牲にするだけの価値がある戦争で戦死させることを支持することはできません。

イランにおける我々の行動、そして誰のために行動しているのかを、どうか深く考えてほしい。今こそ大胆な行動を起こすべき時だ。方針を転換し、我が国に新たな道を切り開くこともできるし、あるいは、我々が衰退と混乱へとさらに突き進むのを許すこともできる。選択権は君にある。

あなたの政権下で、そしてこの偉大な国に奉仕できたことは光栄でした。

 

Joseph Kent

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ジョー・ケントとは誰?妻が従軍し、亡くなった退役軍人
ジョー・ケントは米陸軍に20年間勤務し、「中東やその他の高脅威地域で11回の戦闘任務を遂行した」と、NCTCのウェブサイトに掲載されている彼のプロフィールには記されている。

2018年に陸軍を退役後、CIAの特殊活動センターで準軍事要員として勤務し、その後、政界入りした。

プロフィールには、2019年に彼の妻である海軍上級下士官シャノン・ケントがシリアでの任務中に自爆テロで死亡したことが記されている。「NCTCの使命を推進しているのは、彼女の遺志と精神、そしてテロとの戦いで命を落とした数え切れないほどの男女の精神だ」とプロフィールには書かれている。

NCTCのウェブサイトによると、彼はオレゴン州出身で、ノーウィッチ大学で戦略防衛分析の学位を取得した卒業生だという。

現在、彼はイラクとアフガニスタンでの従軍経験を持つ妻ヘザーと、二人の息子と共に暮らしている。

(和訳終了)

 

 

以上、辞任の際の手紙の内容が なかなか衝撃的ではないでしょうか?

トランプ本人は 絶対に認めることはないでしょうけど、ケント氏は 「トランプ大統領がイスラエルと親イスラエルのメディア関係者によって戦争に引きずり込まれた」と言っているのです。

 

ちなみに、トランプ政権においてケント氏の直属の上司となっていた、国家情報局長官は 「イランは2003年、ハメネイ師が出した”ファトワ”(イスラム法(シャリーア)に基づいて示す公式声明)によって、核兵器を持たない と決め、核兵器は持っていない。」ということを公聴会で発言したトゥルシ・ギャバード氏でした。

 

ギャバード氏、イランの核兵器不開発を主張

 ↓(日本語に変換したもの)

 

トゥルシ・ギャバード氏、イランの核兵器計画に言及

(上の写真:2023.3.25に米国上院情報委員会に出席して発言する情報長官のギャバード氏)

 

ですから、ケント氏ももちろん、イランが核兵器を製造していないことを知っていて、米国にとっては 何の脅威にもなっていないことを知っていたわけです。

 

それなのに、何の脅威にもなっていない相手に対して先制攻撃を行う というのは、旧ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア等で米国が過去にやってきた、数々の過ちとどう違うのか? ということが 当然問われるわけで、トランプは元々、「無駄なカネを使う無駄な戦争をしない」ということをずっと選挙期間中には言ってきた人です。

 

トランプ第一次政権のときは イラン革命防衛隊コッズ部隊のカッセム・ソレイマニ司令官をドローンによるテロ攻撃で殺害する というイランへの挑発は行ったのは明らかな過ちでしたが、それにはイランが抑制的な反応しかしなかったのでエスカレートはせず戦争には至りませんでした。

だからいちおう、在任期間中に新たな戦争を始めなかった ということで、トランプの第一期目は MAGA(Make America Great Again)の人たちから、一定の評価も得ました。

しかし元スイス情報局でNATOにも関わっていたジャック・ボー氏によれば、そのソレイマニ司令官の率いる部隊こそが イラクでISやアルカイダと戦っていたので、かつては米国からも感謝されていた存在だったのですから、トランプがやったことは イランへの明らかな挑発であり、ISのようなテロ組織に対しての対策の上でも逆効果のことをやったことになりますが、シリア等でISを裏で支援して怪我したISの兵士を手当までしていたのがイスラエルでしたので、ISと戦っていたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺す というのもイスラエルの意向でしょう。

 

そして、この第二次政権では もうイランに対して2回も先制攻撃から始まる戦争をやっています。いずれもイスラエルにそそのかされてのものです。

 

1回目は2025年6月22日で、この時はバンカーバスターを使ってイランの3つの核施設を破壊しようとしました。(しかし、地下深くにある施設なので、大きな被害はなく、濃縮した核物質も事前に持ち出されていた と伝えられています。)

 

そして、この2/28からの先制攻撃の直前には エプスタイン・ファイルの公開で トランプや米の政財界の大物たちが がさらに窮地に追い込まれたり不信感を持たれるようなスキャンダルの材料も山ほどあり、世間の話題はそれでもちきりでした。

 

そのエプスタイン関連での疑惑が このイラン戦争によって、まるでなかったかのように ほぼ吹き飛んでしまったのです。

「都合の悪いことには蓋をする」為の材料としても このイラン戦争が トランプ個人には非常に役立ったのです。